それでも乗馬が好き!雨の日でも楽しむ
雨天でもクラブがOKなら騎乗したい
乗馬のレッスン日、雨が降っていてもレッスンは出来るのでしょうか。答えは基本的にはできますが、乗馬クラブ次第になります。また、乗馬クラブがOKでも晴れの日に比べて危険であったり、自分の体力の消耗が大きかったりします。雨の日でも騎乗するのか、キャンセルするかは、自分で決めることになります。雨の日の騎乗のメリット・デメリットを理解し、騎乗するなら必要な準備をしておきましょう。
雨の日のメリット
雨の日はデメリットばかりではなく、メリットもあります。そのメリットをいくつか紹介します。
雨の日の乗り方が身につく
雨の日に騎乗すると、晴れの日の騎乗とは全然違うことを体感することができます。例えば、雨が降っていると人間も動きにくいように馬も動きにくい、雨の刺激によって馬がいつもより集中力が保てない、馬もぬかるみにはまることがありバランスを崩しやすい、人間も思うように指示が出せないなど想像以上に違います。雨の日に騎乗するとそういった違いを体感することになります。
また、競技会などは雨天でも開催されます。雨の日の騎乗にも慣れておく必要があります。
いつもより空いている
乗馬クラブ自体が空いており、グループレッスンもいつもより空いていることが多いです。そのため、いつも以上にきめ細かい指導を受けることができます。マンツーマンに近い状況になることもあります。
雨の日のデメリット
雨の日のデメリットもいくつかあります。その中には危険もありますので注意しましよう。
人馬ともに動きにくい
雨により、人馬ともに視界が悪くなります。さらに人は雨具を着用することで動きにくく、馬は雨に打たれる感覚、雨や雨具の音などで集中力、注意力は鈍り、指示が受け取りにくくなります。
落雷も考えられる
雷がなると、光や音で馬が驚くことも予想されます。また雷は落雷の危険もあります。広い馬場での運動は特に危険ですので、乗馬クラブの指示に従いましょう。
滑りやすい
ぬかるんだ馬場をはじめ、洗い場、階段、ちょっとした段差なども滑りやすくなっていますので注意が必要です。また鐙も滑りやすくなっています。
疲れやすい
普段ない、雨具の準備や片付けの他、雨に濡れると体力が消耗します。真冬であれば、濡れた後は余計に寒さを感じて震えることがあるかと思います。また、消耗するのは体力だけではありません。晴れの日とは環境が違い、いつも以上に馬の動きに注意したり、精神的にも疲れます。さらに眼鏡をかけている人はレンズが濡れたり曇ったりすることもあり、余計に精神的な疲労につながることが考えられます。
荷物が増える
乗馬クラブに行くのに、荷物が増えます。例えば、雨具や着替え用の服です。また、乗馬用品を濡れたままにしておくとカビが生えたり、においが発生したりします。使用後はきちんと乾かすなど、メンテナンスが必要になります。
鞍用雨カバーって必要?
雨具の一つに鞍用の雨カバー(レインカバー)があります。これは必要なのでしょうか。もしなかったら、どんな問題が起きるのでしょうか。
鞍用の雨カバーなしで雨の日に騎乗した場合、どんなことが起きるのか、簡単に想像できると思います。鞍が濡れてしまいます。鞍が濡れると乾燥させる必要があります。もし、鞍を濡れたままにするとカビが生えてきてしまいますので、それを予防するためにも鞍用雨カバーはおすすめです。
雨カバーは、水をはじく素材で出来ているものが多く、乾いたタオルで拭いて畳むことができる手軽さも人気の秘密です。
しかし、乗馬を始めたばかりの人はお尻が滑りやすい可能性があるので注意が必要です。
レインウエアの選び方
人が着用する雨具としてレインウェアがあります。乗馬用のレインウェアは値段も高く、一見すると一般的なレインコートと似ている部分もあり、一般的なレインコートで代用できないかと思ってしまうかもしれませんが、違いがあります。乗馬用のレインウェアと一般的なレインコートの違いを紹介します。
乗馬用のレインウェアと一般的なレインコートの違い
見た目が似ている乗馬用レインウェアと一般的なレインコートですが、違う点がいくつかあります。
例えば、安全面です。一般的なレインコートを着用すると、騎乗時にお尻と鞍の間にレインコートが挟まって滑る原因のもなりますし、袖がヒラヒラしているポンチョタイプのものだと、手綱さばきの邪魔になります。
また、デザインにより太ももが濡れたり、ブーツや足元が濡れたりもします。通気性が悪く熱と湿気がこもりやすいのも疲労の原因になります。
そして、動くたびにカサカサと音がしてしまうことがあります。これは音に敏感な馬にとっては耳障りな音になりかねません。
乗馬用のレインウェアは、これらの問題を解決するべく、騎乗の邪魔にならない構造、特殊生地で出来ているものが多くあります。
乗馬用レインウェアの種類と特徴
乗馬用レインウェアにはいくつか種類がありますので紹介します。
レインコート(ロング)は、ロングということもあり濡れませんが、ロングということで障害の時には使えません。
上下に分かれているレインウェアは濡れにくく、動きがでるところは立体裁断により動きやすくなっています。
レインレッグは、キュロットの上から装着する足のためのカッパです。これは、前面にだけしか雨よけがなく、お尻や太ももはいつもと同じ感覚で騎乗することができます。そのため、土砂降りの時などは濡れることもあります。レインレッグは小雨か普通の雨の強さまでの時に使えます。
これらはせっかく買ってもサイズや長さがあっていないと危険です。一度試着して、確認してみましょう。そして、調整が必要な個所があれば調整しておきましょう。
濡れても平気?レインウェアは必要ないという考え方
「自分は濡れても平気だからレインウェアも必要ない!」という考えの人もいるかも知れませんが、雨に濡れると知らず知らずのうちに体力を消耗していきます。秋や冬など気温が下がると寒く感じることもあります。乗馬クラブによっては、雨天時の雨具着用指示があるところもありますので確認が必要です。
雨の日に乗馬を楽しむために気を付けるべきこと
雨の日でも騎乗することを決めたら、安全に楽しみましょう。そのために必要な準備を紹介します。
安全対策
天気予報は事前に確認しておきましょう。天気予報次第で雨具の用意など準備するものが増えます。そして持ち物には雨具の他に着替えも用意しておきましょう。小雨でも濡れると寒さや疲労を感じるものです。
また、時にはキャンセルする勇気が必要です。雨の日の騎乗は、体力的にも精神的にもいつもより疲れます。みんなが騎乗しても自分の体力に不安がある場合はキャンセルすることも考えましょう。
持ち物
雨の日にはレインウェアと着替えを忘れないようにしましょう。雨の日の運動後は、いつも以上に体が冷えますので温度調節がしやすいパーカーなどがあると安心です。また、グローブも濡れてしまうと滑りやすくなるので、防水・撥水加工の物を用意しましょう。騎乗後に濡れたものや汚れたものを入れられるビニール袋があると便利です。
まとめ
雨の日でも乗馬は可能ですが、いつも以上に危険が伴い、いつも以上に疲れることがわかりました。しかしお気に入りのレインウェアを見つけて、いつもより空いているレッスンを受ける楽しさもあります。
安全対策をしっかりとって、雨の日の乗馬に挑戦してみてはいかがでしょうか。