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乗馬好きのあなたに警視庁騎馬隊をご紹介します

乗馬を楽しむ人の中には、大好きな乗馬を職業にしたいと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。日本で乗馬が職業になるのは、乗馬クラブのインストラクターや競馬の騎手があげられますが、騎馬隊も乗馬の技術を活かせる職業です。

日本の職業として騎馬隊と聞いても、なかなかイメージすることができないかもしれません。騎馬隊とはどのような仕事をしているのでしょうか。

ここでは日本における騎馬隊の役割や歴史、騎馬隊のなりかたなどを紹介していきます。

警視庁騎馬隊とは?

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警視庁騎馬隊には職員23名と馬16頭おり、警視庁の交通部第三方面交通機動隊に所属する警察官です。普段は東京都府中市にある東京競馬場で訓練を行っています。

主な活動内容としては、交通安全教育やパレードなどでの交通整理などがあげられます。あまり活躍の場を見る機会がないため、活動の場が少ないように思われがちですが、実は年間400回ほど出動しています。

一般的な警察官の役割とは少し違い、どちらかと言えば儀式やパレードなど、メディアに向けた役割が強いと言えるでしょう。

警視庁騎馬隊に所属する馬は全てが雄、ほとんどの馬が競走馬出身という優秀な馬です。中にはレースで良い成績をおさめた馬もいます。

日本の騎馬隊の歴史

騎馬隊のもとは、警視庁と内務省で交わされる文書や伝令を届ける仕事をしていたのが始まりと言われています。この馬に乗って行われる業務は、明治7年2月には始まっていてそうです。騎馬隊の歴史は大変古いと言えるでしょう。

正式に騎馬隊として発足されたのは、明治36年9月の事です。欧州の警察騎馬隊を参考に作られました。警察官15名・馬15頭でスタートしています。

発足から現在までに行われた活動には、「明治天皇崩御に伴う斎場への警護」「天皇即位の大礼の御儀の警護」「英国女王エリザベス2世陛下来日パレード警備」など数々の警護・警備に当たっています。護衛や警備の活動だけでなく、昭和61年11月には伊豆大島の噴火災害に伴う、動物保護にも従事しています。

昭和51年7月には、日本初の女性騎馬警察官が2名誕生しています。

騎馬隊の役割

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騎馬隊の役割は、パレードなどが行われる会場での警備や警護のイメージが強いですが、その他にも交通安全教育・学童の交通整理・皇居前のパトロールなども行われています。では具体的にはどのような仕事をしているのでしょう。ここでは騎馬隊の詳しい活動内容に触れ、騎馬隊の役割について紹介します。

交通安全教育

交通安全教育は騎馬隊が年間に1番出動回数の多い活動です。交通安全教育は主に子供たちに向けて行う活動になります。

都内にある幼稚園・保育園・小学校・各地区に出向き、安全教育を行っています。園児に対して、横断歩道の渡り方の指導や一緒に馬に騎乗し交通安全指導を行うなど、子供たちにとって忘れられない経験になっているでしょう。

パレード

東京都内で行われる交通安全パレードや地域の祭りでのパレードにて、交通整理やパレードの盛り上げ役を行います。騎馬隊がパレードを歩くことで華やかさと存在感が増し、見に来たお客さんは歓声と拍手が起こるほどです。

またパレードで騎馬隊の存在を知る人も多く、警視庁に騎乗できる警察官がいることや馬が所属していることに驚く人もいます。

学童の交通整理

小学生の登校時間に合わせ交差点に立ち、交通整理をします。子供たちへの声掛けや見守りも騎馬隊の仕事です。
馬の上は、パトカーや白バイよりも目線が高くなり、視野を広く子供たちを見守ることができます。

皇居前パトロール

皇居前広場にてパトロールを行います。不定期な活動のため、出会えることは少ないかもしれません。なかなか出会うことができないため、出会えた観光客の人からは記念撮影をされたり、人気があります。

信任状捧呈式馬車列警護

外国の大使が赴任する際に自国から預かってきた信任状を天皇に捧呈する「信任状捧呈」という儀式が行われます。この儀式を行うため各国の大使を馬車で天皇元へお連れします。その際の先導を行うのが騎馬隊になります。

ここで活躍するのは、皇宮騎馬隊と警視庁騎馬隊です。馬車を引いている人も騎馬隊であると勘違いする人も多いですが実は違います。馬車を引く人馬は宮内庁に所属しています。

大使をのせた馬車は、明治生命館前から日比谷通りを通り、皇居前広場・二つ橋と進みます。この時の警護では、普段着帽している制帽ではなくヘルメットをかぶっており、レアな姿と言えるでしょう。

騎馬警官になるのは難しい

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日本の騎馬隊は、「東京の警視庁」「京都府警察」「皇宮警察」の3カ所にあり、それぞれ「警視庁騎馬隊」「平安騎馬隊」「皇宮騎馬隊」と呼ばれています。騎馬警官の採用募集は、騎馬警官としての募集があるわけではありません。あくまでも警察官として採用され、警視庁の交通部第三方面交通機動隊に配属されることで騎馬隊として活躍することができます

配属されるまでには、採用後に警察学校に入校します。警察学校は4月又は10月に入校し、大卒の人は6カ月・それ以外は10ヶ月間、基礎知識や技能の習得と必要な訓練を受けることになります。

卒業後は交番勤務を経験し、そのあとに異動希望を出し通れば晴れて騎馬警官になることができるのです。もちろん異動の希望を出せば確実に配属することができるとは言えません。一般企業でも自分の希望が通るとは限らないのと同じです。

騎馬警官になる人の中には、騎馬警官になりたいと志し応募する人だけでなく、警察官になってから興味を持ち志す人もおり、一概に乗馬経験者でないとチャレンジすることができない職業というわけではないと言えるでしょう。

しかし騎馬警官になるためには、警察官として採用されなおかつ騎馬警官として適性があると判断される必要があるので、簡単になれるとは言えません。騎馬警官の人数は決して多いとは言えないです。

警察官になるための努力だけでなく、騎馬警官となるために乗馬の技術を習得しなければいけないので、人一倍努力が必要でしょう。また何よりも、馬が好きである気持ちが大切とされていますので、積極的に馬と仲良くなるようコミュニケーションを取ることも大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。警視庁騎馬隊は都内の交通安全教育やパレードなどで見ることができます。しかし東京都や京都など騎馬隊のない地域に住む人にとっては馴染みがないと言っても過言ではありません。

騎馬隊になるためには、まず一般警察官と同じように警察学校に入り、交番勤務を経験しなくてはいけないということに驚いた人もいるのではないでしょうか。乗馬の技術も必要で、パレードなどでは存在感があり目立つポジションであるため、一般の警察官とは違い特別に採用されるのかと思われがちです。警察官としての知識や技術の習得ののち騎馬隊へ志願する騎馬警官は、選ばれし人達ということです。

騎馬隊の歴史は古く、昔から活躍をしていました。今まで騎馬隊の存在を知らなかった人、騎馬隊が警察官であったことを知らなかった人も少しでも興味をもっていただければ幸いです。

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