初心者に人気の乗馬ライセンス(資格)の種類と違いと取得費用の紹介
乗馬にもライセンスがあるのを知っていますか。ライセンスがないと乗馬が出来ないわけではありません。しかし、ライセンスを持つメリットもあります。乗馬ライセンスの種類とメリット、そして取得にかかる費用について紹介します。
乗馬のライセンスってどんなの?
乗馬の楽しみはどんなところにあるでしょう。馬上から見るいつもと違う景色の見え方であったり、外乗であったり、馬の揺れであったりさまざまだと思います。そこに乗馬のライセンス取得を目指してみると、さらに楽しみやモチベーションが感じられるかもしれません。
乗馬のライセンスとは、全国乗馬倶楽部振興協会が認定する「乗馬技能認定審査」をさします。1級から5級に分けられ、1級、2級は専門的になりますが、3級から5級は乗馬の基本的な知識と技術を身に着ければ取得できます。
また、乗馬クラブで耳にする資格、ライセンスには、この乗馬技術認定審査の他に、競技会エントリーに必須な資格のための、日本馬術連盟「騎乗者資格」があります。ここでは、競技者資格ではなく、乗馬技術認定審査について紹介します。ライセンスといっても、いろいろな疑問が出てくると思います。競技に出場するわけでもなく、趣味で始めた乗馬にライセンスは必要なのか、メリットはあるのか、認定試験の内容はどんなものか、難易度はどの程度?
試験の内容は、実技試験と筆記試験があります。5級から3級の試験内容について、紹介します。
5級ライセンスの紹介
5級のライセンスは乗馬クラブの会員にならなくても、3日間などの体験コースで取得できるプログラムを用意してあるクラブも多くあります。実技試験では、乗馬・下馬ができること、停止や馬がゆっくり歩く常歩で正しい姿勢がとれること、小走りのイメージの軽速歩ができること等が審査されます。軽速歩は上下に激しく揺れ、最初は難しく感じると思いますが、諦めずにレッスンを受けていれば、自然と身に着けられる人がほとんどです。筆記試験では、馬体の名称、馬の手入れについてなどが出題されます。合格率は90%以上とも言われ、真面目に練習すれば大抵の人は合格できる試験です。
4級ライセンスの紹介
4級になると馬を動かす内容も増えます。実技試験では、5級と同様に部班運動にて審査されます。内容としては、常歩で巻き乗り、半巻きを含む回転運動、停止―常歩―速歩―常歩―停止がスムーズにできるか、速歩運動にて正しい姿勢がとれるか、駆歩の発進、維持ができるかなどが審査されます。5級が3日という短期間で取得できたのに対して、4級になると駆歩も試験範囲に入るので、練習時間が必要になります。楽しく騎乗していれば難易度も高くないとされていますが、4級の採点を甘くしてしまうと、3級取得が大変になるということで、厳しく4級の採点をする乗馬クラブもあるようです。筆記試験では、馬の毛色、馬体の名称、馬具の名称、初歩の号令、馬の動き方等が出題されます。
3級ライセンスの紹介
3級のライセンスを目指すころには、馬の扱いにも慣れて、馬との信頼関係も構築できるようになってきます。そして、趣味の乗馬から、特技と言っていいレベルになってきています。乗馬クラブによって異なりますが、試験の服装についても3級から正装するところもあるようです。また、3級になると通常の「3級」(馬場3級ということもあります)と、「障害3級」に分かれます。「馬場3級」は、5級、4級の延長で20m×40mの馬場で、速歩や駆歩で図形運動ができるか、その姿勢、合図、バランス等の正確性を審査するものです。「障害3級」は、障害数6~8個で、そのうち高さ90㎝の程度の障害を2個以上設置するコースで試験を行います。どちらの3級も実技だけでなく、筆記もあります。そして、3級ライセンス保持者は、人馬が一体となってマラソンのように長距離のコースを走り、でゴールを目指す、エンデュランス競技のライセンスも取れる様になります。エンデュランス競技はオリンピックの種目にはなっていませんが、馬術のW杯の種目や全日本馬術大会の種目にもなっています。なお、「馬場馬術」「障害馬術」はオリンピックの種目にもなっています。
ライセンスを取得するメリット
趣味で始めた乗馬に、ライセンス取得の必要はあるのでしょうか。また、メリットはあるのでしょうか。確かにライセンスがなくても乗馬を楽しむことはできます。しかし、ライセンスを持っていることで、メリットもあります。例えば、5級のライセンスを持っていることで、経験者向けのホーストレッキングコースを楽しむことができます。
また、乗馬を続けるモチベーションにもつながりますし、客観的に乗馬の技術を知り、証明することができます。全国乗馬倶楽部振興協会は公益法人であるため、信頼度が高く、履歴書に書くこともできる資格になります。日本では、乗馬はマイナースポーツですが、他の人との差別化を図るのにも、話題性にもなる資格になります。
ライセンス取得にかかる費用と期間はどれくらい???
ライセンス取得にかかる費用と期間は級によっても違います。また4級以上は個人の練習時間や技術の習得時間により変わってきます。ここでは、おおよその目安を紹介していきます。
5級取得については、3日間という短期の体験コースなどに含まれていることも多く、乗馬クラブの会員でなくても、40,000円~50,000円で取得できるところもあります。この中には、受講料、レンタル料、保険料、筆記試験の教科書代、ライセンス申請料が含まれていることがほとんどですが、クラブによって違うことがあります。申し込みの際には何が含まれているか確認が必要です。
4級は、駆歩までが実技試験の範囲に入るので、練習時間が必要になります。騎乗する回数を鞍数といい、目安として5級で10鞍のことろ、4級では40~100鞍と言われています。鞍数に幅があると感じると思います。これは、クラブの進め方や個人の技術習得までの期間により異なります。5級のように、数日間の短期コースを設けているクラブもあり短期でライセンスを取得することもできます。その場合の費用は、200,000円弱が相場になります。
3級は、馬場3級、障害3級があるので、どちらを受験するかによっても、受験レベルに到達する鞍数は変わってきます。馬場で150鞍、障害100鞍程度と言われていますが、どちらも200鞍を超える人ももちろんいます。3級も30日間などの短期コースを設けている乗馬クラブもあります。この場合、300,000円程度ですが、基礎も応用もしっかり身に着けるために期間を延ばすと料金もさらにかかってきます。
ここまで、それぞれの級の費用については短期コースを例に挙げてきましたが、クラブの会員になり、定期的に騎乗し、ゆっくり試験に挑戦することもできます。その場合に必要な費用は、クラブの入会金、年会費・月会費、騎乗料・指導料をもとに計算していくことになります。それぞれの金額はクラブによっても違いますし、地域によっても違ってきます。その他、保険料やヘルメットやブーツなどの乗馬に必要な物にも費用はかかります。
ライセンス取得はどこで???
ライセンス取得は、全国乗馬倶楽部振興協会に加盟していて、認定インストラクターがいる乗馬クラブで受験することができます。全国乗馬倶楽部振興協会HPからも検索することができます。
まとめ
ライセンスがなくても乗馬をすることが出来ますが、ライセンス取得を目標にすることでモチベーションが上がります。そうすると、これまで以上に乗馬を楽しむことができます。また、筆記試験があることで否応なしにでも勉強をすると、知識が深まるだけでなく、馬との交流の仕方も更に良い方へ変化していくかもしれません。乗馬をこれまで以上に楽しむためにも、ライセンス取得を目指してみるのもおすすめです。