乗馬ライセンス3級の取得方法と期間・費用と試験内容を徹底解説
乗馬ライセンス3級でできること
乗馬ライセンス3級は、公益社団法人の全国乗馬倶楽部振興協会が認定しているライセンスです。3級から通常の「3級」と「障害3級」に区分が分かれます。ここでいう「通常の3級」とは、「ブリティシュ3級」と言われるもので、馬場馬術に近いものになります。これはこれまでの5級、4級の延長線上にあるものになります。このライセンスを取得する頃には、5級、4級の運動を含め、駈歩の発進・維持、歩度の伸縮ができ、駈歩の手前を理解でき、さらに常歩・速歩を入れて手前の変換ができ、地上横木の通過が出来るようになります。
また、「障害3級」では、障害6~8個程度で、高さ90㎝程度の障害を2個以上設置したコースに挑戦できるようになります。
ここからは通常の3級=ブリティシュ3級について説明していきます。
ライセンス3級取得のメリットと合格率
乗馬ライセンス3級の難易度は多少高くなりますが、頑張って取得するメリットは複数ありますので紹介します。
1.さまざまな種類のライセンスが取れる
ライセンス3級までは前の級を取得していなくても飛び級で受験することが出来ました。しかし、これから先は3級を取得していないと受験資格がありません。つまり、3級のライセンスがあると「障害3級」や「エンデュランス3級」「馬場2級」などさまざまな種目のライセンスに挑戦することができます。将来、どんなライセンスを取るのか、何か特化した道に進むのか、それともすべてのライセンスに挑戦していくのか、想像してみるだけでもワクワクしてきます。
2.乗馬の技術を客観的に証明できる
例えば、観光地などでホーストレッキング・外乗を体験する場合、たいてい乗馬の経験を確認されます。そこで、ライセンス3級を持っていることを伝えれば、何がどれくらいできるのか相手に的確に伝えることができます。それにより体験できるコースがより本格的なものに変わることもあるかもしれません。
3.乗馬の自信やモチベーションにつながる
3級までになると、乗馬は趣味ではなく特技と言っていいレベルになっていますので、自信につながっているのではないでしょうか。また3級取得後は、さまざまな種類のライセンスがとれることから、近い将来の選択肢が広がり、モチベーションにも繋がります。
4.履歴書にかける
就職活動に関係ない資格に感じることが多いかも知れませんが、日本では乗馬人口が少ないため、会話の糸口になるかもしれません。5級や4級のように簡単にとれる級ではないだけに、これまでの乗馬で得た経験、学んだことをアピールすると多くの就活生の中でも、面接官の記憶に残る学生になります。
5.難易度が高いからこそ価値あるライセンス
この乗馬ライセンス3級は、難易度も高くなり、受験までの練習時間も必要になってきます。しかし、練習を重ね、馬の動きが理解できるようになれば合格も見えてきます。
試験の概要(筆記試験と実技試験)
ライセンス3級は筆記試験と実技試験がありますので、勉強と練習が必要になります。筆記試験はテキストもあり、暗記すればクリアできる内容です。実技試験も審査項目は決まっています。必要なレッスンを受けながら、試験に備えましょう。また、乗馬クラブによっては3級より、服装について正装を指定される場合もあるようです。それも一つのモチベーション、目標になりそうです。
筆記試験
筆記試験は、5級、4級の項目に加え、蹄の名称及び馬場運動の図形等が出題されます。内容がより細部まで問われるようになりますので、きちんと理解することが必要になります。
実技試験
実技試験は、5級、4級の運動を含め、駈歩の発進・維持、歩度の伸縮が概ねできること。巻き乗り、半巻きができ、駈歩の手前が理解でき、常歩、速歩を入れての手前の変換ができる。そして扶助操作の適否、地上横木の通過が審査項目になります。
勉強しておくべき筆記試験の対策
蹄の名称は細かく分かれ、新しく覚えることも多く、また読みにくいものもありますが、範囲は決められています。暗記が多いので、しっかり覚えておきましょう。
練習しておくべき実技試験対策
実技試験はこれまでの基礎の確認とさらに高度な技術が審査されます。その中で一貫して大切なことはペースをコントロールするという点です。馬のペースが遅くなったら戻す、早くなっても戻すということをして、ペースを一定にします。これが出来ていないと経路が思うように回れなくなりますし、駈歩の維持もできなくなります。
また、馬場で速歩、駈歩をしながら図形運動を行い、それが審査されます。馬場に関する用語、地点を理解し、指示通り動くことも大切になります。それらを理解していないと指示通り動けない、動こうとしても遅れてしまうなど残念な状態になります。
そして、もしミスをしてしまっても気持ち的に引きずることなく、堂々と試験を継続することです。ミスをして落ち込むより、気持ちを入れ替えて次にどこでプラスのアピールをするかを考えてみましょう。日本での学校教育で、出来ないところばかりをクローズアップして反省、落ち込む癖がついている人もいますが切り替えが大切です。まずは試験開始、入場の時から人も馬も元気にスタートしましょう。
3級ライセンス取得にかかる期間と費用について
3級のライセンスを取得するのには、乗馬クラブに入会せず短期コースで取得する方法と、乗馬クラブに入会して定期的・長期的に騎乗し練習を重ねて取得する方法と二つあります。今回はそれぞれのパターンで例を挙げて取得にかかる期間と費用について説明します。
乗馬クラブに入会せずに取得する場合
まず、乗馬クラブに入会せずに短期コースで取得する場合、3級取得の期間は12日間から90日間と乗馬クラブによって異なります。たいていが初回の受講日から起算して期間内に受験する形式になります。また、乗馬クラブによっては受講資格を4級のライセンス取得者相当と限定しているところもあります。
費用については期間や地域により差がでてきます。ここでは関東のとある90日間コースを例に挙げて費用を見てみます。このコースは、基本から応用までしっかり習得できるコースで940,500円になります。この金額に驚くかもしれませんが、30日コースで297,000円であることを考えれば、妥当な金額だと言えるでしょう。
乗馬クラブに入会して取得する場合
次に乗馬クラブに入会してライセンスを取得する場合、入会金、年会費または月会費、1回ごとの騎乗料・指導料が必要になります。まず入会金についてですが、乗馬クラブの入会金ですから高そうなイメージがあるかも知れません。入会金は地域、クラブによって違いがあり、数万円のところから、数十万円かかるところがあります。次に年会費、月会費についてですが、乗馬クラブによって、仕組みが年会費、月会費に分かれます。ここでは比較しやすいように月会費に換算して考えると毎月10,000円から20,000円くらいが相場になります。そして、騎乗するごとにかかる騎乗料・指導料は1回数千円になります。受験までの騎乗回数としては、クラブや指導者によって変わってきますので一概には言えません。そして、受験する際に認定試験料、申請手数料が11,000円かかります。
また、乗馬クラブに入会して継続的に練習をしていると、ブーツやヘルメット、グローブ、乗馬キュロットなどの馬術用具を一部、購入しているかもしれません。購入価格は、それぞれ価格にばらつきはあります。例えば、ブーツやヘルメットなども数千円から数万円がかかります。乗馬キュロットも比較してみると、機能性の違いを感じるとも価格の違いも感じます。なかなか買うものではない、機能性を重視したい、デザイン性を重視したいなどという気持ちも出てきます。そうすると一部の馬術用具だけでも数万円かかります。
まとめ
ここまで乗馬ライセンス3級取得について説明しました。乗馬ライセンス3は、難易度も高くなりますが、取得すると達成感とともに近い将来の選択肢の幅も広がります。また、競技エントリーに必要な騎乗者資格も見えてきます。自信にも継続のモチベーションにもつながります。取得にかかる費用や期間は乗馬クラブにより違いますので、自分に合った取得方法を探してみるのが大切なステップになります。