乗馬ライセンス4級の取得方法と期間・費用と試験内容を徹底解説
乗馬ライセンス4級でできること
乗馬ライセンス4級は、公益社団法人の全国乗馬倶楽部振興協会が認定しているライセンス(資格)です。このライセンスを取得する頃には、巻き乗り、半巻きなどの回転運動、軽速歩の手前が理解でき、速歩で方向転換及び手前変換、駈歩の発進、維持など乗馬の基本ができるようになっています。また、筆記試験もあるので、馬の毛色、馬体の名称、馬具の名称、初歩の号令、馬の動き等、馬や乗馬の知識を深めることが出来ます。
ライセンス4級の資格取得のメリットと合格率
乗馬ライセンス4級は5級に比べると難易度は多少高くなりますが、取得するメリットは複数ありますので紹介します。
1.駈歩ができるほど高度な技術を身につけることができる
4級を取得する頃には、経験も増え、馬にも慣れ、馬や乗馬に対して知識が深まるだけでなく、審査項目にもあるように駈歩(かけあし)が出来るほど高度な技術も身についています。
2.乗馬の技術を客観的に証明することが出来る
例えば、観光地などでホーストレッキング・外乗を体験する場合、たいてい乗馬の経験を確認されます。そこで、ライセンス4級を持っていることを伝えれば、何がどれくらいできるのか相手に的確に伝えることができます。
3.無資格では行けないコースに行くことが出来る
ホーストレッキング・外乗が出来るところでは、資格者のみが行けるコースがあることもあり、無資格ですとそのコースには行けません。さらに4級を取得していると、駈歩の発進及び維持ができるということで、場所によりホーストレッキング・外乗で駈歩に挑戦することが出来るかもしれません。このように4級のライセンスがあれば、より本格的なホーストレッキング・外乗りを体験することができるのです。
4.自信やモチベーションにつながる
4級は5級より馬の動かし方も高度になる分、ライセンスに挑戦し取得すると、乗馬の自信やモチベーションにもつながる人も多くなります。
5.短期コースで取得することも可能
乗馬クラブによって異なりますが、4級も乗馬クラブに入会せずに短期コースで取得することができる乗馬クラブもあります。短期で集中的に勉強、練習することにより効果的に知識や技術を身につけることもできます。
6.比較的、合格しやすいライセンス
この乗馬ライセンス4級の合格率は、真面目にレッスンを受けていれば合格率は高いと言われています。
試験の概要(筆記試験と実技試験)
ライセンス4級は筆記試験と実技試験がありますので、勉強と練習が必要になります。筆記試験はテキストもあり、暗記すればクリアできる内容です。実技試験も審査されることは決まっています。真面目にレッスンを受けながら、苦手なものを克服していくと、自信を持って挑戦することができます。
筆記試験
筆記試験は、馬の毛色(栗毛・鹿毛・芦毛等)、馬体の名称、馬具の名称、初歩の号令、馬の動き方等について出題されます。馬の毛色など、新しく覚えることも多く、また読みにくいものもありますが、範囲は決められています。暗記が多く、満点が狙えない問題ではないので、満点を狙ってみるのも試験へのモチベーションが上がるのではないでしょうか。
実技試験
実技試験は、5~10人が一つのグループになり、インストラクターの号令に従い、一緒に動く部班運動にて審査されます。常歩で地面に円を描くように動く巻き乗り、巻き乗りの半分まで進んだあとに逆向きに蹄跡に戻る半巻きを含む回転運動、速歩(小走りのイメージ)で90°の方向変換及び斜め手前変換、停止―常歩―速歩―常歩―停止がスムーズにできるか、軽速歩の斜め手前が理解できるか、速歩運動にて正しい姿勢がとれ、手綱・脚の操作が概ねでき駈歩の発進・維持が出来るかなどが審査の項目になります。
勉強しておくべき筆記試験の対策
馬の毛色、馬体の名称、馬具の名称は普段聞き慣れないものも多く、また、読みにくい漢字もあります。覚えにくいものもあるかもしれませんが、範囲は決まっていますので、丸暗記することも可能です。
練習しておくべき実技試験対策
難易度は5級に比べると馬を動かす内容が増えるので高くなります。その分、練習回数も必要になります。5級は試験までに10鞍が目安とされていましたが、4級は個人の技術の習得具合により騎乗回数が変わってきます。40鞍程度の騎乗で受験する人もいますし、100鞍以上と騎乗して受験する人もいます。回数も幅広くなりますが、真面目にレッスンを受けていればそれほど難易度が高い級ではありません。また、乗馬クラブによっては、3級で苦労しないように4級を厳しく審査しているところもあるようです。
試験内容は巻き乗り、半巻きなどの回転運動が含まれるため、それらを理解し馬を動かせるようになるのはもちろん、駈歩の発進及び維持も審査に含まれます。駈歩は速歩に比べても揺れも大きくなってきます。スピードのコントロールも難しく感じるかもしれません。また、そのコントロールの伝わり方が馬によっても変わってきますので、経験を積むことが大切になってきます。また、試験当日は慣れた馬で試験に挑むよう、試験前は専用馬をとって練習することもおすすめします。
4級ライセンス取得にかかる期間と費用について
4級のライセンスを取得するのには、乗馬クラブに入会せず短期コースで取得する方法と、乗馬クラブに入会して定期的・長期的に騎乗し練習を重ねて取得する方法と二つあります。今回はそれぞれのパターンで例を挙げて取得にかかる期間と費用について説明します。
乗馬クラブに入会せずに取得する場合
まず、乗馬クラブに入会せずに短期コースで取得する場合、期間は8日間であったり、10日間であったり、12日であったりと乗馬クラブによって異なります。また、乗馬クラブによっては5級のライセンスをその乗馬クラブで取得していた場合、期間が短縮、費用もその分安くなるところもあるようです。日程は、たいていの場合は数ヶ月など決められた期間内で都合のいい日を選択する形式になります。また同じ内容でも、地域によって費用は変わってきますが、ここでは関東のとある8日間コースを例に挙げて費用を見てみます。ここは、都合のいい日を8日間選んで体験する形式で171,100円になります。この費用には、受講料、教材費、8日分の馬術用具レンタル料、認定試験料、申請手数料、諸経費が含まれています。ただしこれは一つの例で、乗馬クラブによって料金や、料金に含まれる内容も変わってくるので事前の確認が必要になります。
また、8日間での騎乗回数がどれくらいになるかは、これも乗馬クラブによって異なりますが、通常合格まで40~100鞍以上とされていることを考えると、短期集中のプログラムは効率がよいと考えられます。
乗馬クラブに入会して取得する場合
次に乗馬クラブに入会してライセンスを取得する場合、入会金、年会費または月会費、1回ごとの騎乗料・指導料が必要になります。まず入会金についてですが、乗馬クラブの入会金ですから高そうなイメージがあるかも知れません。入会金は地域、クラブによって違いがあり、数万円のところから、数十万円かかるところがあります。次に年会費、月会費についてですが、乗馬クラブによって、仕組みが年会費、月会費に分かれます。ここでは比較しやすいように月会費に換算して考えると毎月10,000円から20,000円くらいが相場になります。そして、騎乗するごとにかかる騎乗料・指導料は1回数千円ですが、受験までの目安は40回から100回以上の騎乗になります。また、試験に合わせて、専用馬をとるとその分もプラスされていきます。さらに受験する際に、認定試験料、申請手数料が11,000円かかります。
また、乗馬クラブに入会して継続的に練習をしていると、4級を受験するまでにブーツやヘルメット、グローブ、乗馬キュロットなどの馬術用具を一部、購入しているかもしれません。購入価格は、それぞれ価格にばらつきはあります。例えば、ブーツやヘルメットなども数千円から数万円がかかります。乗馬キュロットも比較してみるとその違いも感じます。なかなか買うものではない、機能性を重視したい、デザイン性を重視したいなどという気持ちも出てきます。そうすると一部の馬術用具だけでも数万円かかります。
乗馬クラブ大手クレイン様を参考にした場合
乗馬クラブクレイン様では、会員制をとられていますので、会を運営するために入会金・月会費がかかります。月会費は、お馬さんの管理費や健康診断など固定費に使われているようですね。また騎乗のたびに騎乗券が必要になります。1レッスンが45分です。それを1鞍を呼んでいます。
乗馬クラブクレイン様では、入会金・月会費・騎乗券が必要だとお分かりいただけたと思いますが、それらの料金設定は全国各地の各クラブごとに規定されていますので、こちらの各クラブごとの会員料金についてというページをご覧になると分かりやすいと思います。
予めインストラクターに乗馬資格のライセンス4級を取得してみたいなどと伝えていれば、そろそろ受験してみますか?と声をかけていいただけるかもしれませんね。
まとめ
ここまで乗馬ライセンス4級取得について説明しました。乗馬ライセンス4級は、難易度も高くなく、インストラクターの指導に従ってレッスンをこなすうちに身につく内容です。4級を取得するとホーストレッキング・外乗でもより本格的に楽しめますし、自信にも継続のモチベーションにもつながります。取得にかかる費用や期間は乗馬クラブにより違いますので、自分に合った取得方法を探してみるのが大切なステップになります。