乗馬メディア EQUIA エクイア

メインビジュアル

【初心者向け競技】ジムカーナ

今回は初心者でも挑戦しやすいとされるジムカーナをご紹介します。初心者向けではありますが、誘導など障害飛越にも使う熟練した技術が求められます。馬をうまくコントロールすることが大切な競技ですので、ジムカーナの完走は初心者の方にとってもいい目標になるはずです。

ジムカーナとは

【初心者向け競技】ジムカーナ

ジムカーナは、馬と一緒に挑む障害物競走を意味します。もともとはヒンディー語の「ラケッツコート」を意味する言葉でした。ラケッツとはスカッシュのような競技で、その競技が行われる競技場を示す言葉から派生しました。イギリス統治下のインドで19世紀に発祥したスポーツイベントです。兵士をはじめ、当時インドにいたイギリス人がスポーツの腕前や乗馬の技術を競うイベントを始めたことが由来とされています。乗馬のほかには、モータースポーツでも運転技術を競う「ジムカーナ」が行われています。

当時、インドには世界初のジムカーナクラブが設立されました。現在と同様にイギリスはその時代も世界に強い影響力を持っていたため、インドからジムカーナがさまざまな国に「輸出」されました。モンゴルのフビライ・ハンもジムカーナを楽しんだと言われています。

ジムカーナは輸出先の国々で独自の発展を遂げていきました。アメリカではカウボーイの文化と融合されて、バーレルレースなどが行われています。また、同じスラロームでも、ブリティッシュとウエスタンだと馬のハンドリングが全く違います。是非、YouTubeなどで見比べてみてください。

ルール

【初心者向け競技】ジムカーナ

ジムカーナは初心者向けの競技です。障害馬術のように、コースデザイナーが経路を設定します。ベテランライダー向けの大会では60〜80cmの比較的低めの障害が設置されることもありますが、横棒通過が設定されているコースの方が多いようです。また、駈歩で行うのか、速歩で行うのか、歩様の指定もされます。このように自分の技量に合ったレースを選んで出場することができることから、本格的に障害を始める前の方や練習を始めたばかりの方には取り組みやすい競技です。

ジムカーナのコースには、障害馬術にはないスラローム、図形運動、回転、旗門通過が設けられます。失権や減点についても、ローカルルールが設けられることが多いようです。タイムの速い人馬が優勝となるため、ミスを最小限に抑えて、コース取りに無駄のない人馬が優勝となります。上級者向けの大会の場合、設置される障害や経路の難易度が低めであることから、スピード勝負になることも多いそうです。

ジムカーナの魅力

【初心者向け競技】ジムカーナ

ジムカーナの魅力は、初心者でも競技会の楽しさや難しさを体感できる点にあります。レッスンは楽しいものですが、パートナーと決められた経路を完走できる喜びは普段のレッスンとは一味違う喜びや充実感があります。

また経路では、やるべきことがはっきりしており、自分の得手不得手も分かりやすいことから、技術的にも具体的な目標を設定しやすいでしょう。スラロームを例にすると、うまく通過できないのは、手綱の指示の問題なのか、脚の合図が足りないのかなど、練習をしていくなかで自分の苦手なところが明らかになります。課題がはっきりすれば、具体的に目標を定めてレッスンに活かすこともできます。

パートナーと向き合って練習をしていくなかで、関係性を築く経験ができるという点もジムカーナの魅力です。はじめはうまくいかなくても、練習を重ねてコースを完走をすることができたら、人馬ともに大きな自信を得ることができます。さらに練習を重ねていけば、お互いに対する信頼も高まり、次の大会ではさらに高みを目指せるようになっているはずです。初心者にとって、馬との関係性の構築は至難の業ですが、同じ目標を持って一緒に乗り越えていければ、徐々に信頼関係を築くことができます。初心者にとっては馬と関係性を築くきっかけとしても、適した競技ではないでしょうか。

今後、馬術競技に本格的に挑戦してみたいという方にとっても、ジムカーナはいい参考になります。挑戦するのが障害飛越、馬場馬術のどちらであっても、ジムカーナで養われる誘導の技術は重要です。ジムカーナには、馬場的な要素、障害的な要素のいずれも含まれています。例えば、図形運動や回転、スラロームは馬場馬術の要素、旗門、横棒などは障害の要素になるでしょう。ジムカーナの経路を回っていて、自分はどちらが楽しいか、どちらが合っているのか、是非、参考にしてください。

まとめ

今回はジムカーナについてご紹介しました。ジムカーナを初めて聞いたという方も多いかもしれませんね。乗馬クラブではローカルルールを設けて、速歩のジムカーナの試合をやっているところも多いようです。今後、競技へ進むことを考えていらっしゃる方には、特におすすめですよ。チャンスがあれば、是非、挑戦してくださいね。

新着記事