おとぎ話のお馬さんみたい!ファラベラ特集
ファラベラの写真をご覧ください
馬といえば、大きい・美しいといった形容詞がしっくりくると思います。しかし、美しいというより可愛らしい馬もいることをご存知でしょうか。おとぎ話に出てくるお馬さんのように可愛らしい馬です。
その名もファラベラ!ポニーよりも小さく、世界で最小の馬種として有名です。アルゼンチン原産ですが、アメリカをはじめ世界中でペットとして人気の馬です。
可愛らしいファラベラは、サラブレットやアラブの体型に似ていますが大きさが違うため、それらの馬とは違った魅力があります。ぜひ、写真をご覧ください。
人と比べるとこんなサイズです
世界で最も小さな馬と言われていますが、実際の大きさはどれくらいか想像できますか。
人間の大きさは身長で表しますよね。馬は、地面から首のつけ根のき甲とよばれるところまでの高さを表す体高で表します。
競馬や乗馬に使われるサラブレットの平均体高が160~170㎝と日本人の平均身長ほどなのに対して、ファラベラの平均体高は、70~80㎝といわれています。
日本人女性の平均身長160㎝の場合ですと、ファラベラの体高は女性のお尻より低くなります。
また70~80㎝ということは、人間の生後8ヶ月~1歳6ヶ月の赤ちゃんと同じです。つかまり立ちをしたり、おぼつかない足取りでよちよち歩く赤ちゃんと同じくらいの体高のファラベラ。
どれだけ小さい馬かイメージができましたか。
こんな可愛いお馬さんはどうやって誕生したの?
なかなか日本ではお目にかからないファラベラですが、どこでどうやって誕生したのでしょうか。その誕生の物語をみてみましょう。
原産はアルゼンチン
ファラベラは20世紀前半、アルゼンチンのブエノスアイレスの郊外でファラベラ一家により作られました。ファラベラという品種名は、品種を成立させてたファラベラ家の名前が由来です。
ファラベラの成立は、アンダルシア馬とシェットランドポニーがもとになり、かなりの近親交配によりつくられました。
小型化
その後、品種改良により小型化し、現在の平均体高は70~80㎝のミニチュアホースになりました。これは大型犬と同じくらいの大きさになります。しかし、ファラベラの中には体高が40㎝のものもいます。つまり、大型犬より小さい馬が存在するということです。
ますますペットにふさわしい感じがしてきませんか。
ペットとして人気
ファラベラは小さいため乗用馬にはなりませんが、その愛らしさ、賢さ、人に懐きやすい性格からアメリカをはじめペットとして人気があります。
しかし日本では、小さいといっても馬をペットするというのは考えにくいかもしれません。ペットとして可能なのかみてみましょう。
日本でもペットにできる
馬の家といえば馬小屋になりますが、ファラベラは小さいために馬小屋は大型犬用の犬小屋で代用することができます。広い牧場も必要なく10畳ほどの庭で飼育できます。
もし、庭が確保できない場合は1日30分適度の散歩が必要になります。しかし、1日2回の犬の散歩に比べると1日30分の散歩はお世話がしやすのではないでしょうか。
またえさ代も一般的な大きさの馬ほどかからないなどペットとして迎え入れやすい動物でもあります。
さらに、ファラベラの寿命は一般的な大きさの馬と同様に20~30年といわれ、一般的なペットとして人気の犬や猫より一緒にいられる時間が長くなります。
ただし、30年後の自分の年齢を計算し、責任を持って飼い続けることができるか検討することが重要です。
健康には特に気を遣います
ペットとして人気のファラベラですが、馬は犬や猫など他にペットに比べて、体調の変化が見えにくいものです。普段から日々のお世話をしっかりし、体調の変化など違和感を察知できるようにしておく必要があります。
例えば、食事の量や糞尿のチェック、ブラッシングなどをかけながらいつもと違う様子やしぐさがないかなどをみてみましょう。
もし、体調が悪い場合には早めに獣医に相談する必要があります。ただの風邪や腹痛だと思っていても馬の場合は命にかかわることもあります。
また、獣医には定期検診や駆虫などでお世話になることがあります。ファラベラを飼う前に馬を診てくれる獣医を探しましょう。近くに乗馬クラブや牛などを飼っているところがあれば聞いてみるのもいいでしょう。
そして、病気になる前に予防できることもありますので、馬がかかりやすい病気について説明します。
風邪
長時間寒いところにいたり、雨に濡れ続けると馬も人間と同様に風邪をひきます。「馬は寒さに強い動物」と聞いたことがあるかも知れませんが、ミニチュアホースであるファラベラは、交配を重ねる中で小さくしていくうちに、寒さに強いとは言えないようようになりました。
馬が風邪をひくと、鼻水や咳が出たり、食欲不振になりますので日々のお世話では鼻の周りがベタベタしていないか、食事はとれているか注意して観察しましょう。
風邪の症状があったら早めに獣医さんに相談することが大切です。放っておくと肺炎など重症化する可能性があります。
初期段階で気付き、治療を受けるようにしましょう。
疝痛
馬にとって風邪の次にかかりやすい病気といえば、疝痛(せんつう)といわれる腹痛になります。
疝痛の原因は、過食によるもの、冷えによるもの、便秘によるもの、消化管の位置の変化や捻れによるもの、寄生虫によるものなどさまざまです。
また、馬の体のつくりとして、体の割に胃が小さく嘔吐出来ない構造であったり、腸管が長く固定されにくいため位置が変わりやすいなど、疝痛を引き起こしやすい身体をしています。
疝痛は放っておくと死にいたることもありますので、風邪と同様、症状が出ていたら早めに獣医さんに相談する必要があります。
症状は食欲不振、排便の量や変化、発汗、激しく前肢で前掻きしたり、寝転ぶ、鼻先でお腹の方を気にして触っていたりするなどの様子がみられます。
獣医に相談し、獣医を待っている間、可能な場合はひき馬などで馬を動かしてあげましょう。運動をすることで腸も動き、排便を促します。
消化管の位置が変化したり捻れたりする場合、軽い場合は自然と治ることもあります。しかし重度な場合は、消化管に血行障害が生じ、腸が壊死してしまうこともあります。その場合は開腹手術が必要になったり、死に至ることもありますので注意が必要です。
疝痛の予防としては、毎日、適度な運動と食事の管理が重要になります。そして、日々の体調のチェックが早期発見につながります。
裂蹄(れってい)
蹄は人間でいうと爪の部分なので伸びたりヒビが入ったりします。また、同時に蹄は馬にとって第二の心臓ともよばれるくらい大切なものになります。
それくらい大切な蹄にヒビが入ったり、割れてしまう病気を裂蹄といいます。ヒビを防ぐには原因となる乾燥を防ぐことです。人間の場合は乾燥を防ぐためにクリームを塗りますが、馬の蹄には蹄油を塗ります。
特に乾燥しやすい冬はしっかり塗る必要があります。
蹄叉腐爛(ていさふらん)
蹄叉腐爛とは、蹄の裏側にある蹄叉が腐ってしまう病気です。
蹄叉腐爛は土や藁、糞尿など不衛生な環境と蹄のケア不足により、細菌感染しまうことが原因とされています。蹄の裏側に溜まった汚れを掻き出す裏彫りをするとき、悪臭を感じたら蹄叉腐爛の可能性があります。
予防方法としては、小屋を清潔に保つこと・定期的に裏彫りをして蹄の裏に汚れを溜めないことがあります。
小屋を掃除するときには、藁も糞尿で汚れていますので、新しい藁に取り替えてあげましょう。
馬を診てくれる獣医を探すのと同様に、蹄のケアをしてくれる装蹄師さんを探しておくことも健康を維持するために大切なことをなります。
まとめ
おとぎ話に出てくるような、可愛らしいファラベラ。世界ではペットとして人気がありますが、日本ではまだ馴染みがないかもしれません。
そんなファラベラは温厚な性格で学習能力も高いため、盲導馬としても期待されています。
ファラベラの今後が活躍が気になりますね。