【馬の最高速度】サラブレッドより速い馬がいた。品種・年齢・理由など
馬の最高速度は、短距離で時速88kmくらいと言われていますが、品種や年齢によって差があります。ここではサラブレッドより速い最高速度の記録を出した品種や、馬が最高に速くなる年齢など、馬の速さに関する情報を
馬は何歳の時に一番速く走れるようになるの?
馬は足が速い動物として有名です。競馬場で競走馬のスピード感を目の当たりにしたことがある人はもちろん、テレビなどの映像で見ても、馬の走るスピードが速いことはわかるかと思います。
実際に、どのくらいのスピードが出ているか気にしてみたことはありますか。また、「速く走る馬」というとサラブレットが有名ですが、他にどんな品種がいるのでしょう。そして、馬が一番速く走れるのは何歳なのでしょうか。
速く走れる品種は?
日本の競走馬と言えば、サラブレットが有名です。サラブレットは「徹底的に(thorough)品種改良されたもの(bred)」という意味で、競走馬用に徹底的に改良された馬と言われています。サラブレットの体重は450~500㎏が標準的で軽種に属します。頭が小さく、足は長く、胸や臀部の筋肉は発達していて、早く走ることができます。しかし、怪我をしやすい特徴があります。
また、競走馬として日本では使用されていませんが、アメリカンクォーターホースはサラブレットよりも速く走れると言われています。アメリカンクォーターホースはサラブレットより温厚で乗馬、牧畜作業、競走馬など幅広く使用されています。
馬が一番速く走れるのは何歳?
競馬を知っている人は馬が速く走れる時期を知っているかもしれませんが、馬は2歳(人間でいうと中学生くらい)でデビューし、3歳(人間でいうと高校生から大学生)はまだ成長過程と言われています。そして4歳春から5歳春(人間でいう20代前半から20代後半)がピークと言われています。
特に、経験を積んで4歳秋に完成するとも言われています。
このように見ていくと、馬も人間と同じように、2歳馬、3歳馬で学生スポーツの時期を経て、4歳になりプロの世界に入っているようです。
どうして馬は速く走るようになったの?
馬が「速く走れる動物」と言われるようになったのには、馬の進化があります。馬はもともと草食動物ですから、肉食動物から逃げきらなければなりません。そのため、速く、遠くまで走る必要があります。
速く走るために、身体のさまざまな部位が進化していきましたが、特に肢の進化が大きかったようです。例えば、歩行、走行に特化させるために複数の指で物を掴むという利点を放棄し、中指だけで立つようになり他の4本の指は退化しました。それにより、肢も長くなり、走るのが速くなりました。
また、肢の関節も単純化し、前後に動けても横にはほとんど動きません。これは、大きな体を支えるのに都合がよく、体力の省エネにもなっています。
競走馬として鍛えられたサラブレッドのトップスピードは?
日本の競走馬の代名詞、サラブレットのスピードはどれほど速いのでしょう。競走馬の戦いは、芝コース、ダートコースで行われ、芝コースだと基本、1000m、1200m、1600mの距離で競います。そしてダートコースだと1200~1800mの距離を競います。この距離をものすごいスピードで走っていますが、鍛え抜かれたサラブレッドが、どれくらいのスピードで走っているのか、想像できますか?
サラブレットのスピードは?
短距離、長距離によって平均のスピードは変わってきますが、短距離の平均は時速70㎞/h前後でています。長距離では少し速度が落ちますが、平均時速54㎞/hと言われています。まるで車のようです。
そして、サラブレッドの最高時速は2002年に開催されたアイビスサマーダッシュで時速75㎞/hが記録されました。
アメリカンクォーターホースが叩き出した記録
日本の競走馬で見ることはありませんが、サラブレッドより気性が穏やかで走るのも速いと言われているアメリカンクォーターホースが、サラブレッドの最高時速より速い速度を過去に叩き出しました。それは、短距離コースで時速92㎞/hという記録です。
電車の速度が50㎞/h~110㎞/hですので、照らし合わせてみると、いかに驚くべき記録かわかります。
スピードを出すのに必要なもの
馬がここまで速く走るために必要なものが、実はあります。それは、2種類の走り方と馬の強靭な心臓、そして騎手の腕前です。
2種類の走り方
鍛え抜かれたサラブレッドも人や車と同様、加速しながら速度を出していきます。この加速していく回転襲歩という走り方と、加速した後、少ない揺れで長く安定して走れる交叉襲歩という2種類の走り方を使いこなしているのです。
馬の強靭な心臓、騎手の腕前
普段、私たちは心臓を意識することは少ないですが、走ったり、運動した後は心臓の存在感は大きくなります。時速70㎞/hを走る馬たちの心臓は、どうなっているのでしょう。
人間の男性の正常時の心拍数は60~70が平均ですが、サラブレッドは30くらいでゆっくり動いています。それが高速で走るレース時は200まで上がります。そして、正常時の心拍数に戻るのには人間ほど時間がかからず早く戻ると言われています。このような強靭な心臓があるからこそ、速く走れるのです。
また、速く走るためには、その馬の性格や特徴を理解した騎手の腕前にも左右されます。
馬が疾走する普段の速度を体験してみましょう
ごく普通の乗馬で、山中を疾走する雰囲気を体験できる動画をエクイアでご紹介した記事があります。サラブレッドの最高速度には全く及ばないと思いますが、それでも慣れないと怖いくらいの速度感を味わえると思います。この記事がこちらの「袴姿の和式馬装で大疾走!富士の樹海を駆け抜ける女性に釘付け!」になります。一度ご覧いただいて、馬の速度を実感してみてください!
馬より速く走れる動物はいるの?
馬の他にも足が速いと言われる動物は他にもいます。チーターやダチョウなどが有名ですが、どれくらいスピードが出るのでしょう。また、他にはどんな動物がいるのでしょう。
馬より速い動物たち
スプリングボック、モウコガゼル、プロングホーンという動物たちをご存知でしょうか。聞き慣れない名前ですが、馬より速く走れる動物たちで草原や半砂漠に生息しています。
スプリングボックはアフリカのサバンナ、砂漠に生息しています。見た目は鹿のようですがウシ科の動物で時速90㎞/hで走ることが出来ます、しかも3mの跳躍力も持っています。
モウコガゼルは名前のとおり、中国内のモンゴル自治区やモンゴルに生息しています。ガゼルは全般的に速いのですが、モウコガゼルは時速95㎞/hと最速です。
プロングホーンは北米の草原や半砂漠地帯に生息しています。最高速度は97㎞/hと驚くべきスピードですが、さらに70㎞/h以上の速度を維持し、長距離を走ることが出来るとされています。
そして、なんといっても速く走る動物、第1位といえばチーターです。チーターの最高速度は112㎞/hと文字通りの桁違いです。しかし、長距離を走るのは苦手なようで最高速度を保てるのは200~300mと言われています。
馬よりは遅いけれど、こんな動物も
比較すると馬よりは遅いけれど、ダチョウ、カンガルーや犬も足が速い動物です。
ダチョウは飛べない鳥として有名ですが、そのため足が鳥らしくなく、太く発達しています。ダチョウのスピードは時速70㎞/hと言われています。
カンガルーは走るというよりは後肢でジャンプして進みます。軽快なジャンプのスピードは時速68㎞/hになります。
そして、ペットとして身近な存在である犬も、ご存知のように足が速いです。中でもグレイハウンドというドックレースに使われる犬種が最速で、時速75㎞/hの記録をもっています。
まとめ
競走馬として品種改良され、また鍛えられたサラブレッド。私たちはサラブレッドの走りを見てそのスピード感、疾走感に興奮します。
しかし、馬が速く走れるようになった経緯、馬以外の速く走れる動物たちをみてみると、自然界での生活が大きく関わっていることに気が付きます。
馬の走行速度、他の動物の走行速度がわかった今、今後、車や電車などに乗ってスピードを感じた時、自然界の動物たちに思いを馳せてみるのも面白そうです。