オリンピックの競走馬はどうやって日本に来たの?驚きのVIP待遇!

馬術競技は人馬一体となる必要があるため、練習していく中でいかに馬と選手が信頼関係を築くことができるかが、競技大会で好成績を収めるカギです。そのためオリンピックのように、各国から多くの選手が集まり行われる競技大会の場合、大会開催国の馬と臨むと思われがちですが、実力を発揮するため馬も選手と共に大会開催国へ向かう必要があります。

今回のオリンピックが行われるのに際し、様々な国から馬が来日しています。ここで疑問に思うのが、馬はどのように日本に来たのかということではないでしょうか。

国によっては何十時間にもわたって移動しなくてはいけません。馬は繊細で臆病な生き物です。怖がることなく飛行機に乗ることが可能なのでしょうか。

この記事ではオリンピックに参加する馬たちの来日方法を解説していきます。

競走馬の遠距離遠征。国内の場合。

当たり前ですが馬たちは国内外の馬術競技に参加する際には、選手と共に遠征に向かわなくてはなりません。ここではまず国内での遠征について紹介します。

「競走馬輸送中」と表示されたトラックが走っているのを目にしたことがあるでしょうか?国内で遠征をする際に使われる馬の移動手段は車です。

繊細で臆病な馬に配慮された専用車を使用します。暑さに弱い馬の為にエアコン完備された室内は、光などで必要以上の刺激を受けることが無いよう、窓の設計にも気を付けられています。

また馬は一頭一頭決められたスペースで過ごせるよう囲いがあり、急な揺れで馬が倒れてしまわないよう広すぎないスペースです。運転にも細心の注意がせれ、法定速度を守るのは勿論のこと、デコボコ道など馬に振動が伝わる道は避けて通ります。

ブレーキに関しても馬がびっくりしないように、合図として1度軽くブレーキし2度目で止まるよう心がけらており、馬自身も1度目の軽いブレーキでしっかり踏ん張り警戒するため、倒れることはありません。今回のオリンピックにおいても日本中央競馬会が保有する最新式のエアコンを搭載したトラックが使用され、空港から馬事公苑までや国内の馬の移動に使用されました。

国内遠征で利用される馬運車に関するリンク

オリンピックでは海外から飛行機でやってきます!

各国から集まるオリンピックでは、馬も移動手段は飛行機です。使用される飛行機はエミレーツ航空のsky cargボーイング777‐Fという馬用の設備が整えられた貨物機です。

飛行機に乗り入国するので、人と同じように馬ごとにパスポートも用意されています。パスポートには、住居国や毛の色などの情報が記載されます。

コロナウイルスの感染が拡大している現在、オリンピックを開催するにあたり人に対するコロナ対策を重要視されました。コロナ対策は馬に対しても行われ、出発前には60日間の健康監視と7日間の隔離するという対策が徹底されました。証明する輸出衛生証明も発行されます。

国によって到着までにかかる時間は様々ですが、数時間~何十時間もかけて向かうことは、人であっても疲れを感じることでしょう。それは馬も同じです。

馬にとって飛行機に乗ることは、大きな環境の変化と言え、ストレスがかかる行動です。なるべく厩舎にいる時と変わらない環境づくりをしますが、飛行機に乗り込むことは馬自ら行わなくてはならず、興奮してしまうこともあります。

ストレスを感じていないか体調に変化は無いかなど、こまめに確認をしながら移動するため同行するのが、世話をするフラインググルームと獣医師です。フラインググルームは移動中に適切な世話をすることができるよう、特別な訓練を受けています。

また獣医師によって飛行前後に馬の診察をすることで、ちょっとした変化にも気が付き対応可能になります。

一頭でこんなに広いスペースが使われます。

馬が飛行機に乗る際、1頭あたりどれくらいの広さを確保できるか知っていますか?馬1頭に与えられるスペースの広さは、ビジネスクラス相当の広さと言われています。

人で言えばビジネスクラスは余裕がある広さとイメージできるでしょう。馬にとっても余裕のある広さと言えます。

パレットと呼ばれる厩舎または馬専用の小部屋が用意されており、安全かつ快適な空間が保たれた状態での輸送と言えるでしょう。

パレットの場合は2頭づつ入ることがほとんどということです。ファーストクラスへの変更も可能で、更にゆとりのある移動をさせることでストレス軽減に繋がるでしょう。

長時間の移動の間、馬はずっと立ったままで辛くないのかと疑問に思う人もいるかもしれません。しかし馬は普段から立ったまま眠ります。そのため横たわるほどのスペースが無くても、長時間の移動が可能なのです。

また飛行前にはお粥状の餌を食べさせ、飛行中は多くの干し草と水が用意されているため、馬がいつでも口にできるよう配慮されています。機内食をリクエストされることもあり、中にはリンゴジュース入りの水を飲む馬もいます。

オリンピック競走馬の運搬にかかる総重量とスタッフの体制

オリンピックで行われる馬が一緒に出場する競技は、「馬場馬術」「障害馬術」「総合馬術」「近代五種」になります。近代五種に関しては日本国内の馬と出場する形になり、馬は抽選によって決められます。

しかし馬術に関しては、オリンピックに向け長期間練習を一緒におこなってきた馬と共に出場します。そのためオリンピック参加のため約320頭もの馬が海外から日本に来ました。

馬が日本に来日する際には、馬だけではなく馬具や干し草や水・おがくずといった、馬が快適に移動するための物も飛行機内に持ち込まれます。飛行機内にどれだけ持ち込んでも良いというわけではありません。

輸送に使用される貨物機である、エミレーツ航空のsky cargボーイング777‐Fは、約100トンまでと制限があります。人が飛行機に乗るときに重量制限があるのと同じように、馬に対しても重量制限があり、持ち込む物は必要最低限と言えるでしょう。

2020東京オリンピックではヨーロッパから1機に36頭の馬場馬術に出場する馬たちが来日しました。この時の馬の総重量は約22トン、この他にも1頭につき40リットルの水と約13kgの馬具が機内に入ります。

オリンピックで全14機、パラリンピックで5機が馬の輸送に使われました。この輸送では馬だけでなく、各飛行機に獣医師と世話役のフライトグルームが一緒に搭乗します。59名もの人が
フライトグルームとして一緒に来日しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。多くの馬たちが参加するオリンピックには、選手と同じように馬たちも海外から参加します。

中には日本にいる馬たちが海外の選手とタッグを組み、競技に望んでいると思っていた人もいるのではないでしょうか。競技によっては日本にいる馬たちが参加しますが、馬術に関しては、やはり時間をかけ信頼関係を気づき参加する必要があるのです。
繊細で臆病な馬が長時間飛行機に乗り来日するためには、様々な配慮が必要になってきます。馬たちは来日後にゆっくりできるわけではなく、オリンピックに向け練習と調整に入ります。

到着後ベストな状態で選手と合流できるよう、獣医師やフライトグルームによる懸命なサポートがあるからこそ、参加ができることが分かるでしょう。また今大会はコロナウイルスの収束が見えない中での大会開催となり、今まで以上に馬への感染も考え、監視期間や隔離期間を設けるなど配慮が必要になる大会になりました。

人馬一体の迫力ある演技の裏には、多くの人の尽力が欠かせないのです。

 

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