馬がだるまさんにビックリ。オリンピック馬術の話題は「だるま」
東京オリンピックでたくさんの選手が様々な競技で活躍してくれる姿に、感動と勇気を貰った人も多いのではないでしょうか。今大会はコロナ過での開催ということもあり、いつものオリンピックとは違い、直接会場に行き選手を応援することが叶いませんでした。その分自宅でテレビ観戦している人も多いでしょう。
そんなオリンピックの中で、馬術で大きな話題になとなったことがあるのですが、ご存じでしょうか。キーワードは「だるま」です。
馬術でなぜだるま?と疑問になった人もいるかもしれません。ここでは各馬術競技の結果と、オリンピックの馬術競技で話題となった「だるま」について紹介していきます。
障害馬術の競技結果
障害馬術はアリーナ内に設置された複数の障害物を、決められた順番通りに飛び越えゴールを目指す競技です。いかに障害物を落下させずに進むことができるかがポイントとなるスピード勝負です。ここでは障害馬術の競技結果を紹介します。
日本の出場選手と結果
障害馬術は8/3に個人予選・8/4に個人決勝8/6に団体予選・8/7に団体決勝が行われました。日本代表で障害馬術に出場したのは、「斎藤功貴選手」「佐藤英賢選手」「福島大輔選手」の3名です。
「斎藤功貴選手」は、北総乗馬クラブ所属で、リオオリンピックで補欠でした。個人予選では「タイム88.56」1位で予選を通過しましたが、決勝では「タイム89.82 タイム超過減点1 障害減点4 」で13位でした。
「佐藤英賢選手」は、ポールショッケメーレ厩舎所属で、北京オリンピックで出場経験があります。個人予選では「タイム90.40 タイム超過減点1 予選得点1」26位で予選通過しましたが、決勝では「タイム84.63 障害減点16」25位でした。
「福島大輔選手」は、STAR HORSES所属で、リオオリンピックに出場経験があります。個人予選では「タイム87.51」1位で予選通過しましたが、決勝では「タイム87.57」6位でした。
障害馬術団体戦の日本の結果は、斎藤功貴選手と佐藤英賢選手の棄権により失権になっています。
メダル獲得選手
東京2020オリンピック障害馬術個人メダル獲得選手は、金メダルがイギリス代表「ベン・マー選手」、銀メダルはスウェーデン代表「ペーデル・フレドリクソン選手」、銅メダルはオランダ代表「マイケル・ファンデルフレーテン選手」です。
障害馬術団体メダル獲得国は、金メダルがスウェーデン、銀メダルがアメリカ、銅メダルがベルギーという結果でした。
馬場馬術の競技結果
馬場馬術はアリーナ内に図形を描くように歩かせたりステップを踏ませ、その正確さや美しさを競います。馬への指示が周りから見て分からないようスマートに行え、人馬一体で取り組むことが求められる、馬術ならではの種目と言えるでしょう。
ここでは馬場馬術の競技結果を紹介します。
日本の出場選手と結果
馬場馬術は7/24・25の二日間にわたり個人と団体の予選が行われ、7/27に団体決勝7/28に個人決勝が行われました。日本代表として馬場馬術に出場したのは、「林伸伍選手」「佐渡一毅選手」「北原広之選手」の3名です。
「林伸伍選手」はアイリッシュアラン乗馬学校に所属しています。予選グループEに出場し、得点65.714で8位で予選敗退となりました。
「佐渡一毅選手」は日本中央競馬会に所属しています。予選グループAに出場し、得点62.531で9位で予選敗退となりました。
「北原広之選手」は日本中央競馬会に所属しています。予選グループFに出場し、得点66.304で9位で予選敗退となりました。
馬場馬術団体では、予選にて14位で予選敗退しています。
メダル獲得選手
馬場馬術個人メダル獲得選手は、金メダルがドイツ代表「イェシカ・フォン ブレドウ ベルンドル選手」、銀メダルはドイツ代表「イザベル・ベルト選手」、銅メダルはイギリス代表「シャーロット・ドュジャルダン選手」です。
団体メダル獲得国は、金メダルがドイツ、銀メダルがアメリカ、銅メダルがイギリスという結果でした。
総合馬術の競技結果
総合馬術は馬場馬術・クロスカントリー・障害馬術の3種目を3日間で行う競技です。基本的に3種目は同じ人馬で参加をしなければなりません。
ここでは総合馬術の競技結果を紹介します。
日本の出場選手と結果
7/30~8/2個人および団体の総合馬術が行われました。日本代表として総合馬術に出場したのは、「戸本一真選手」「大岩義明選手」「田中利幸選手」の3名です。
「戸本一真選手」は、日本中央競馬会に所属しています。今大会での馬場馬術では得点25.90で7位、クロスカントリーでは得点27.50で5位、障害馬術予選では得点31.50で7位で予選を通過し、障害馬術決勝では得点31.90で4位という結果でした。
「大岩義明選手」は、nittohに所属しており、今まで北京オリンピック・ロンドンオリンピック・リオオリンピックと代表に選ばれています。今大会での馬場馬術では得点31.50で21位、クロスカントリーでは障害物を乗り越える際に落馬し失権となりました。
「田中利幸選手」は、乗馬クラブクレインに所属しており、今までにロンドンオリンピックへの出場経験があります。今大会での馬場馬術では得点32.70で29位、クロスカントリーでは得点63.50で35位、障害馬術予選では得点75.50で34位となり予選敗退となりました。
総合馬術団体では、大岩義明選手が失権になったことによりリザーブである北島隆三選手が障害馬術を行い、11位で終了しています。
メダル獲得選手
総合馬術個人メダル獲得選手は、金メダルがドイツ代表「ユリア・クライエフスキー選手」、銀メダルがイギリス代表「トム・マクイーウェン選手」、銅メダルがオーストラリア代表「アンドリュー・ホイ選手」でした。
団体メダル獲得国は、金メダルがイギリス、銀メダルがオーストラリア、銅メダルがフランスという結果でした。
ところで、一番の話題「馬が驚くだるまさん」って?
オリンピックにおける馬術競技の1番の話題と言えば、何を言っても「だるま」ではないでしょうか。総合馬術の3日目に行われる障害馬術で、突如表れただるまをあしらった障害物です。実際にの中継を見て気になった人もいるでしょう。
今回は日本での開催ということもあり、総合馬術の3日目に行われる障害馬術で使われた障害物には、「桜」「金魚」「相撲」といった日本ならではなデザインが採用されていました。選手と馬の息ピッタリな演技だけでなく、華やかかつ可愛さ溢れる一つ一つの障害物を楽しむことができたのではないでしょうか。
しかし馬はもともと臆病な動物です。桜などの植物をあしらったものは問題ないにしろ、だるまや相撲など、怖いと感じるのではないかと疑問に感じます。
実際に個人予選においては、この「だるま」で減点になる選手続出で、SNSで話題になるほどでした。また個人決勝では、「だるま」に変わり東京オリンピックのマスコットキャラクター「ミライトワ」に変わっており、馬には刺激が強く変更されたと言われています。
馬には不評であった「だるま」の障害物ではありましたが、見ているも人を魅了したのは確かです。「だるま」だけでなく、どの障害物をとっても日本の良さが表されたデザインでした。
桜を飛び越える馬は、優雅かつ可憐だったと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今まで馬術に興味が無かった人でも、話題となった「だるま」の障害物を含め日本らしいデザインの障害物に注目し、馬術を見るきっかけになったのではないでしょうか。
今大会で日本選手のメダル獲得はありませんでしたが、人馬一体となり懸命な姿に感動を覚えたのではないでしょうか。残念ながら棄権や失権となる場面もありましたが、日本を代表し競ってくれた選手には大きな拍手を送りたいと思います。