【ギネス級!競走馬の寿命】馬は何歳まで生きられる?人間の年齢でいうと何歳?
一般的な馬の寿命や、サラブレッドなど競走馬の寿命、そして長寿ギネス記録などをまとめてみました。身近なペットたちの寿命は知っていても馬の寿命はあまり知られていないと思います。
ここでは、乗馬や競馬でお世話になっているお馬さんの年齢や寿命について知っていただければと思います。
馬は平均何年生きられる?
馬の平均寿命が気になったこと、ありませんか?競走馬は、レースで3歳馬、4歳馬と紹介がありますが、それは人間でいうとまだまだ子供なのか、元気な若者なのか、または立派な大人なのでしょうか。いつも背中に乗せてくれるお気に入りの馬は自分より大人?それがわかると、さらに馬との関りが楽しくなるのではないでしょうか。
馬の平均年齢
気になる馬の平均寿命は、正確にはわかりませんが、23歳~30歳と言われています。そして、ここでの平均寿命とは、怪我や病気がない場合ということです。怪我や病気により、治療しても治癒の見込みがない時、多くの場合は安楽死の処置がとられます。馬に対する安楽死は、不要な苦痛を与えないとする動物福祉の観点からも人道的な措置とされています。
体の大きさによる違い
また興味深いことに、馬の平均寿命は、犬と同じように身体の大きさにより平均寿命が違うようです。つまり、大型犬より小型犬の平均寿命が長いように、大きい馬よりポニーなど小さい馬の方が長生きすることがわかっています。また、野生の馬より人間に飼育されている馬の方が長生きすることもわかっています。これは医療が発達していて、人間が手を貸すことができるから、という考え方もあるようです。
- ケガや病気が無い場合は、23歳~30歳
- 大きい馬より小さい馬の方が寿命が長い
- 野生の馬より、人間が飼育している馬の方が長生き
馬の種類で寿命は違う?
馬の寿命を見る前に、馬の年齢の数え方をみてみましょう。馬の年齢の数え方は、人間の年齢の数え方と違うということを知っていますか。人間は誕生日を迎えるたびに年齢が上がっていきます。一方、馬は何月に生まれようが、何日に生まれようが、1月1日になると年齢が1歳あがります。これは競走馬、乗馬にかかわらず共通の数え方で、2001年から採用されています。それまでは、生年月日のわからない馬が多く、歯のすり減りの状態で判別していました。それでは、競走馬、乗馬の平均寿命は変わるのでしょうか。比較してみましょう。
競走馬
競走馬として知られるサラブレットの平均寿命は24歳~25歳といわれています。馬の平均寿命が23歳~30歳なので短命といわれています。競争馬は日ごろからハードなトレーニングを積み、身体的にも精神的にも重い負担がかかっているので、短命になる傾向があるといわれています。また、レース中の怪我や病気により予後不良と診断されると、安楽死による殺処分という道もあります。
乗馬
乗馬用の馬は、もともと乗馬用として生産されるとわけではなく、競走馬として活躍した馬が引退した後、乗馬用に再トレーニングしてなることが多いです。乗馬クラブでは、8~20歳の馬たちが活躍しいています。20歳を超えると、養老牧場に移動するなどして余生を過ごします。競走馬として人生の大半を過ごす馬より、乗馬の馬として人生の大半を過ごす馬の方が平均寿命は長くなっています。
- サラブレッドの寿命は20歳~24歳→短命
- 競走馬やケガなどで安楽死させられることがある
- 乗馬用の馬は、競走馬を引退した8歳~20歳。その後、養老牧場などに行く。
馬の年齢と人間の年齢
馬と人間の年齢を数えるにあたって、先ほどもも述べましたが年齢の数え方が少し異なります。馬の年齢は1月1日に全頭が一斉に1歳を取ることになっていて、人間は誕生日で1歳年を取ります。そこで馬齢と人間の年齢を比較して、どういう違いや特徴があるのかご紹介します。
生まれて数日
馬の場合、1日2日で立ち上がりお母さんのおっぱいを飲めるようになりますので、人間の年齢では2歳くらいに相当します。
生まれて半年くらい
ある程度、身体も大きくなってきて離乳の時期に入ってきます。人間の年齢では3歳~6歳。幼稚園児くらいでしょうか。
馬齢1歳~2歳
馬は成長が速いですね。1歳~2歳になってくると十分な体格になってきて、乗馬するための練習なども行うようになってきます。人間の年齢では、6歳~15歳くらいでしょうか。小中学生ですね。勉強の時期です。少年時代。
馬齢3歳~6歳くらい
馬齢5歳くらいでほぼ大人になります。若くてエネルギーに持ちあふれた馬齢で、これくらいの年齢の馬が競走馬として活躍しています。青年時代ですね。
馬齢7歳~14歳くらい
まだ競走馬として走る馬もいますが、この時期は体力はピークを越えてきています。体力的なピークは越えたものの、精神面では最も充実した年齢になってきます。そのため、馬術競技ではこの年齢が大活躍します。オリンピックなどの国際的な馬術競技では8歳以上、障害飛越だと9歳以上が参加条件になっています。人間の年齢だと概ね30台くらいに該当します。
馬齢15歳以上
人間でいうと中高年に該当します。徐々に体力も衰え、身体の不調をきたす馬も出てきます。ワクワク楽しく降る舞う馬よりも自己中な馬が増えてくるのもこの年齢です。
馬齢20歳以上
人間の年齢だと70歳以上の高齢者層になってきます。無理はせず、のんびり過ごしてほしい年齢ですね。肉付きが薄くなってきて骨ばった体格になってきます。
馬は何年で長寿?ギネス記録は何歳でしょう?
人間の世界では60歳の還暦から長寿のお祝いが始まりますが、「人生100年時代」といわれている現在は、60歳で長寿という感覚が薄くなっています。厚生労働省が発表した簡易生命表では、2020年の日本人の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳でした。2020年の日本で長寿というと平均寿命は超えて90歳くらいでしょうか。それと同じように馬の場合を考えると、平均寿命が23歳から30歳といわれているので、40歳まで生きると長寿といわれます。
馬の長寿のギネスは何年?人間で例えると?
では、「世界一」を認定しているギネスブックにも載っている、最も長生きをした馬は何歳まで生きたのでしょうか。それは、イギリスのオールドビリーという馬で62歳まで生きました。平均寿命の倍生きたということで、この記録を塗り替えるのはなかなかないのではないでしょうか。そして、馬の62歳は人間の何歳にあたるのか計算してみましょう。
馬の年齢を人間に換算する式はいくつかありますが、「馬の年齢×4=人間の年齢」というものが最もシンプルでわかりやすいものです。この式にオールドビリーの62歳を入れてみると、人間でいう248歳になります。ここまでくると信頼性に疑問を持ってしまいますが、それだけすごいということです。
動物たちの年齢を人間の年齢に換算すると次のようになります。
生後間もない時や、品種によって単純計算できませんので、あくまで概算とお考え下さい。
一般的に小動物ほど加齢が速いと言われています。
- 馬・・・・・3歳までは毎年約6歳加算、その後、毎年4歳加算すると概ね正確といわれています。
- 犬・・・・・1歳~2歳くらいで人間の20歳になり、その後毎年約4歳ずつ加算します。
- 猫・・・・・1歳~2歳くらいで人間の20歳になり、その後毎年約4歳ずつ加算します。
- ハムスター・2か月で人間の18歳になり、1歳で人間の約35歳、2歳で人間の74歳といわれています。
- うさぎ・・・1歳で人間の18歳になり、その後毎年約8歳ずつ加算します。
馬の長寿TOP5(世界編)
ここからは、オールドビリーを筆頭に馬の長寿TOP5を紹介していきます。
①オールドビリー 62歳
イギリスのオールドビリーは、世界最長寿記録を持つ馬として有名です。一般の農家で飼われていた輓馬で、運河ではしけを挽いていました。
②シュガーパフ 56歳
シュガーパフもイギリスの馬です。ポニークラブで乗馬用の馬として活躍後、引退後は他の家族にところに引き取られました。2007年5月に臓器不全で死亡しました。
③シェイン 51歳
イギリスのホスピスで余生を送っていましたが、骨折後、立ち上がれなくなり、安楽死の処置がされました。
④オーキッド 50歳
やせ衰え、③のシェインと同じホスピスに49歳で運ばれ、治療が施されました。誕生日を迎え50歳になりましたが、その年に死亡しました。
⑤カプソン 50歳
これまでイギリスの馬たちでしたが、カプソンはオーストラリアの馬です。最後の数年は、目もほとんど見えず、耳も聞こえなかったようです。
馬の長寿TOP6(日本編)
人間の世界では長寿の国として有名な日本ですが、馬の世界では長寿の国と言えるでしょうか。日本の馬の長寿TOP6を紹介します。
①シャルロット 40歳
1979年生まれのシャルロットは、「アローハマキヨ」という競走馬名で出走していました。85年に競走馬を引退し、名前を「シャルロット」に変え、乗用馬になりました。その後、他の馬の長寿記録を塗り替えながら、40歳で老衰により死亡しました。
②ルーキー 38歳
1982年生まれで1984年から競走馬として過ごしましたが、1988年に引退しました。その後は名前を「ルーキー」に変えて、乗馬になりました。38歳で老衰のため死亡しました。
③アレックス 37歳
アレックスは「ムーンファルコン」という競走馬名で出走していました。引退後は乗用馬として活躍していました。歩行姿勢が美しく、馬術競技会では勝たせてくれる馬として人気だったようです。
④マイネルダビテ 37歳
1984年に生まれ、競走馬を経て1990年より繁養された。36歳で死亡しました。
⑤マリージョイ 36歳
アラブ種とサラブレットの混血で1976年に生まれました。「スインフアニー」という競走馬名で活躍していましたが、1980年に引退しました。引退後は、馬術競技馬として活躍していました。
⑥ウラカワミユキ 36歳
疝痛(馬の腹痛)により、36歳になったその日に安楽死の処置が施された。
どうして安楽死の処置をするの?
ここまで安楽死という言葉が何回かでてきました。「使えなくなったら殺すなんて酷い!」という、安楽死に批判的な思いがある人もいると思います。しかし、馬に対する安楽死は、不要な苦痛を与えないとする動物福祉の観点からも人道的な措置とされていますが、「骨折だけで安楽死?」と、思ってしまうかもしれません。人間なら、足を骨折して安楽死にはなりません。馬と人間の違いは何か。それは「馬は歩けないと生きていけない」「安静にしていられない」というところです。
安楽死処置の理由
馬は体が大きいため、心臓だけの働きでは血液を全身に上手に流すことが難しいとされています。そこでサポートしているのが足です。蹄の裏は柔らかくなっていて、それが地面に着くとき、離れるときで、ポンプの役割をしているのです。歩くことが出来ないとポンプの働きができず、古い血液が心臓に戻れず、足に滞ることになります。そうすると骨折だけでなく、別の症状が出てきて、痛みが増える、餌を食べる元気もなくなる、最期がくるのを苦しみながら待つだけになります。
安楽死も天寿
ここでは、骨折による安楽死を一つの例として取り上げましたが、他にも安楽死の処置をすることがあります。しかし、それは骨折の時と同じように理由があることを知っておくと、そこが天寿だったと思えるかも知れません。
まとめ
これまで馬の寿命についてみてきました。怪我や病気がなければ平均23~30歳と、動物としては長いことがわかりました。しかし、病気や怪我により安楽死があることもわかったかと思います。馬は昔から人間のために働いてくれた動物でもあります。自分の身近にいる馬だけにでも感謝の気持ち、その日のレースに出ている競走馬だけにでも怪我無く過ごせるよう、そんな見守る気持ちを持つと、これまでと違った見方、かかわり方になるかもしれません。
馬の年齢と人の年齢の関係は面白いですね。だいたい馬の年齢×4=人の年齢だと言われいますが、人間では考えられないくらい長生きした馬たちもいたんですね。