馬は寝る時どんな格好で寝てる?立ったまま寝る?

馬が寝ている姿があまり想像できない…という人もいるのではないでしょうか?確かに、馬は人間に比べると睡眠時間が短いと言われています。今回の記事では、そんな馬の“睡眠”について解説していきます。馬が夢を見たり、立ったまま寝るってホント?という疑問にもお答えしますよ!

馬はいつ寝ているのか?

馬は昼行性?

動物には昼行性と夜行性がありますが、そもそも馬はどちらなのでしょうか?乗馬クラブの馬は昼間活動することが多いですし、野生の馬も活発に活動するのは昼間です。そう考えると、馬は昼行性なので睡眠は夜間が中心ということになりますね。

馬の睡眠リズム

馬は昼行性寄りの生活をしていますが、暗い時間に馬房へ行ってみると馬が昼間と同じように起きている場面は少なくありません。これは野生だった頃の名残で、肉食動物から逃げ遅れないために夜でも小刻みに覚醒します。

馬が人間のように何時間もまとめて睡眠を取ることは稀で、一度の睡眠は長くても30分程度と言われています。寝たり起きたりを繰り返すなんて疲れそう…と心配になるかもしれませんが、もともと馬は人間よりも必要とする睡眠時間が短い生き物。それに、昼間も落ち着ける環境では細切れの睡眠を取っているので、総合して見ると意外と休めているのかもしれませんよ。

ちなみに、馬は夜行性の猫などと同じように暗い場所でも比較的よく目が見える動物です。暗闇で馬の目が光っているように見えることがありますが、この光の正体はタペタム(輝板)という器官。網膜の下にあるタペタムが光を増幅させることで暗い場所でも物が見えるという仕組みです。真っ暗な馬房でも活動できるのは、このおかげですね。

馬の睡眠時間はどれくらい?

睡眠時間は2~3時間

馬がまとまった睡眠を取っている時間を計ると、およそ2~3時間という結果になります。ただし、これは馬が横になって休んでいる時間を合計したもの。完全に寝ているようには見えなくても小刻みに睡眠を取っているので、全部合わせればもう少し睡眠時間は長いでしょう。

他の動物と比べると

人間にとって身近な犬や猫は、1日に10時間以上睡眠をとります。また、私たち人間の睡眠時間は6時間前後。それに比べて馬の睡眠時間は極端に短いですね。睡眠時間には生活パターンや習性などさまざまな要素が関わってきますが、一番大きな理由は馬が草食であることと考えられます。

低エネルギーの物を大量に食べて大きな身体を維持しているので、とくに自然界で生活する馬は起きている時間のほとんどを食事に費やしていると言っても良いでしょう。その時間を確保するため、馬は睡眠時間を短くするという進化を遂げてきました。

同じく草食動物である牛を見てみると、やはり睡眠時間は3~4時間と短めです。しかし、馬より少し長く睡眠を取っていますね。一説には、牛は反芻(はんすう)ができるため栄養の吸収効率が良く、馬よりは少ない食事で同量のエネルギーを摂れるため多くの睡眠時間を確保できたとも言われています。

環境による違い

馬房で飼われている馬は、安心して休めて、飼いつけもしてもらえるという環境に暮らしています。一方、野生の馬は草を探して移動しなければならず捕食される危険性もゼロではありません。そのため、飼育下にある馬が3時間近く睡眠を取るのに対して野生馬の睡眠は平均2時間以下です。

また、人間もそうであるように体調や年齢も睡眠時間と深く関わっています。たとえば、子馬や老馬は若い馬よりも多くの休息を必要とするので睡眠時間も長めです。

馬は人間みたいに夢をみる??

多くの哺乳類や鳥類は、眠っている間にレム睡眠ノンレム睡眠を繰り返しています。もちろん馬にも同じことが言えるので、人間と同じく夢を見ている可能性は高いですね。

ぐっすり眠っている馬を見ていると、交互に脚を動かしたり、小さくいななくことがあります。そんなときは、きっと歩いたり他の馬とコミュニケーションをとる夢を見ているのでしょう。

横になってもがいているようにも見えますし、馬によっては目が半開きになっていることもあるので「具合が悪いの?」と心配になってしまうこともありますが…寝言を言ったり夢を見ている馬は可愛いものです。

どんな姿勢で寝てるのか?

馬は立ったまま寝られる

睡眠中は筋肉の力が抜けるので、人間が立ったまま寝たら膝から崩れてしまいますよね。よく「馬は立ったまま寝る」と言われますが、なぜそんなことができるのでしょうか?その秘密は、馬の脚の構造にありました。

実は、馬は筋力を使わずに直立した姿勢を保つことができます。簡単に言うと、関節が伸展した状態を靭帯だけで保持できるという表現が近いでしょうか。これにより、馬は立って寝ることができるようになりました。

ちなみに、立って寝ている状態の馬は常に4本の足をまっすぐ伸ばしているわけではなく、どれか1本の脚は体重を掛けずに休ませているそうです。4本のうち3本で体重を支え、残りの1本は休ませているなんて器用ですね。

横になって休むことも

もう1つ、馬に関する噂で「横になると死んでしまう」というものがあります。これは、ちょっと事実とは違いますが半分は正解と言っても良いでしょう。


人間に比べれば横になっている時間は短いですが、前半でお話ししたようにリラックスして30分ほどのまとまった睡眠を取るときや夢を見ているときは、横になっていることが多いです。また、体重が軽く、多くの休眠時間を必要とする子馬は横になって寝ている姿が頻繁に見られます。

横になるということは、馬にとって肉体だけでなく精神的に安心している証拠。立って寝られるとは言っても、やはり横になって休息する時間は必要です。

ただし、何らかの体調不良やケガで立つことができないとなれば話は別です。人間の場合は横になったまま療養することができますが、サラブレットやアラブ種といった“軽種”の馬でさえ体重は450~500kgほど。この体重で長時間横になれば、内臓が圧迫されてしまいます。

また、人間ではふくらはぎがそうであるように、馬は蹄が第二の心臓と呼ばれています。これは歩くことで蹄が伸縮し末端の血行を支える働きがあるため。しかし、立ち上がることが困難な馬は蹄がポンプとしての機能を果たせなくなります。

このように、立ち上がれない状態の馬は内臓や蹄の機能不全によって結果的に命を落としてしまうことが多いという話が変化して「馬は横になると死んでしまう」と言われるようになったと考えられます。

まとめ

馬は古くから人間のそばで生活してきたので、生活パターンも人間の生活サイクルに近付いたと言われています。しかし、睡眠ひとつ取っても必要な休息時間やリズム、身体の仕組みは私たちと大きく異なります。違いを知ることで、馬の生活や健康についても少しずつ知識を深めてみましょう。

 

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