馬のしっぽの構造と意味、隠された秘密とは

馬のしっぽは毛だけじゃない、ちゃんと骨があります!

みなさん、馬のしっぽは意識しなくても見たことがあると思います。長く豊かなしっぽが印象的です。では、「馬のしっぽの内側」はどうでしょう。見たことがありますか。実は、外側と同じような毛が生えているわけではありません。普段、「馬の後ろにいると蹴られる」と言われますし、なかなか見る機会もないのではないでしょうか。気になる馬のしっぽについて紹介します。

しっぽの内側にあるものは?

馬のしっぽを持ち上げて内側をみてみると、内側には毛が生えていません。そこには、馬のしっぽにしては短く感じる骨や筋肉、皮膚があります。それを覆うように毛が生えているのです。

しっぽの長さってどれくらい?

長くて綺麗なしっぽが特徴的な馬ですが、これは体高と呼ばれる地面から肩の高さまでの60~80%と言われています。つまり1.5mの体高の馬でしっぽの長さは1mが目安になります。

しっぽの役割は?

動物のしっぽの役割の一つに、「歩くときにバランスをとるため」とよく言われています。これは恐竜の時代から受け継がれているもので、恐竜のしっぽも同じ働きをしていました。しかし、動物によってしっぽの役割は他にもあります。例えば、リスは寝る時にふわふわのしっぽを体に巻き付けてマフラー代わりにしたり、高い木から飛び降りる時にはパラシュート代わりにします。ビーバーは危険が迫るとしっぽで水面をたたき仲間に知らせます。また、しっぽを「5本目の手足」と呼ばれる猿のしっぽは筋肉も発達していて、ぶら下がることもでき、自由自在に使えます。
それでは、馬の長いしっぽの役割にどんなものがあるのでしょう。

虫を追い払う

長いしっぽは、ハエやアブなどの虫を追い払うのに、とても役に立ちます。そのため、虫が多い時期はよくしっぽを振ります。また、しっぽが届かない場所に虫が来たときは長い首を使って追い払ったり、皮膚をブルブルっと震わせて追い払います。これは皮膚の下の皮筋の働きによるものです。

感情を表現

ペットに多い犬や猫のしっぽを観察すると、うれしい時にはしっぽを大きく振ったり、恐怖を感じている時にしっぽを後ろ脚の間に巻き込むように、しっぽで感情を表現しています。馬もしっぽを使って感情を表現しているのをご存知でしょうか。
例えば、気分が高揚している時はしっぽを高く持ち上げますし、恐怖を感じている時はしっぽを後ろ脚の間に巻き込みます。しっぽを観察すると馬の気持ちが理解しやすく、寄り添うことが出来るようになります。

しっぽのお手入れ方法

馬のたてがみやしっぽは、人間の髪の毛と同じように、馬によって量やクセ、生え方の向きなどそれぞれ違いがあります。手入れを怠ると汚れるのは当然ですが、バサバサになったり、傷んだりしますので、お手入れは欠かせません。馬のしっぽの必要なお手入れ方法を紹介します。

清潔、第一!

まず、しっぽに絡みついた牧草など、大きなごみを取り除きます。次に、ブラッシングして砂などを落としていきます。ブラッシングは人間と同じように毛先から少しずつ上にあげていきましょう。それが出来たら、水洗いをしてシャンプーをします。人間の髪と馬の毛は触ってみるとわかるように、全く違います。シャンプーも馬専用のものがあるのでそれを使いましょう。シャンプー後はしっかりすすいで乾燥させます。乾かす時も人間と同じように生え際もしっかり乾かします。最後は、たてがみとしっぽ用のスプレーを使います。スプレーには、艶出しのものや、張りをよくするためのもの、汚れをつきにくく、また汚れがついてもすぐ落ちるような効果のものもあります。また、毛が切れる、抜ける場合は栄養クリームなどもありますので、その馬の毛にあった物を使って、お手入れをしましょう。

カット

馬のたてがみは、2ヶ月で4㎝伸びると言われています。しっぽも同じように自然に伸びます。しかし、伸ばしっ放しのたてがみやしっぽは美しさが感じられません。人間の男性が身だしなみを整えるために散髪や髭剃りをするのと同じように、馬にもカットが欠かせません。もしも雪の時期に既にしっぽが伸びきってきると、しっぽに雪玉ができてしまうことがあります。伸びきる前に定期的にカットしましょう。また、慣れないうちは経験者と一緒にすることをおすすめします。
まずカットをする前にブラッシングします。そして長さを調節するために腕をお尻としっぽの間にいれます。これによって、しっぽが運動時の高さまで持ち上がります。そして、そのままカットする長さを決め、左手でしっぽを握り、もう一人がカットするようにします。もし、このように少し持ち上げておかないと、カットした後の運動時にしっぽが持ち上がってしまい、予想以上に短く感じるようになります。まっすぐカットし、最後に整えましょう。カットの仕方ですが、しっぽの量が多い方が馬が美しく見えると言われています。そのため、先端を切り止めすると毛が豊富に見えます。
また、しっぽは虫を払うのにも大切な働きをしています。切りすぎに注意しましょう。

編み込む理由は?

乗馬のレッスンや競技会、ホースショーなどで、たてがみやしっぽが綺麗に編み込まれた馬を見たことがありませんか。丁寧に編み込まれたたてがみやしっぽに惚れ惚れしてしまいます。
さて、編み込みをするのはなぜでしょうか。理由は、美しくみせるためです。競技などでは、人間は正装が求められています。そこでパートナーである馬もたてがみやしっぽを編み込んでで美しくし、印象を良くします。人間も髪質や似合うスタイルが一人一人違うように、馬も髪質の違いや雰囲気で似合うスタイルは違います。馬によってスタイリッシュに纏めたり、可愛らしく見せたり、優雅に見せることもできます。
また、たてがみやしっぽの飾り方は、編み込みの他にお団子、ループ編み、片編み、カラーリボンを一緒に編み込むなど種類も複数あります。いろいろ挑戦してみて、似合うスタイルを探してみるのも楽しそうです。
競技前やホースショー前に、人間と馬と触れ合いながら、ゆっくりたてがみやしっぽを整えていく時間はコミュニケーションの時間としても素敵な時間になりそうです。

リボンをつける理由は?

頭部やしっぽに可愛らしく、リボンをつけている馬を見たことがありませんか。リボンをつける意味は、美しく見せる、可愛らしくみせる、といった理由ではありません。これは、周りにその馬の癖を知らせるために付けられています。例えば、頭部にリボンがある場合は噛み癖があること、しっぽにリボンがある場合は蹴り癖があることを知らせています。このリボンがあるおかげで、周囲の人間は注意することができ、怪我や事故を防ぐことができます。

まとめ

動物のしっぽは、それぞれ重要な役割をもっています。風になびく馬のしっぽも同様に、優雅で美しいだけでなく、歩行のバランスを取ったり、虫を追い払ったり、感情を表現したりとさまざまな役割をもっています。
そのような大切なしっぽです。しっぽのお手入れも、定期的に行うことが重要です。
そして、競技会やホースショーの前には、ぜひ編み込みやお団子などで印象を良くする方法を試みてはいかがでしょうか。

 

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