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馬に好かれる匂いと嫌われる匂い

乗馬を楽しむにあたって、言うまでもなく馬はかけがえのないパートナー。愛情たっぷりに接しているのに嫌がられたら淋しいですし、できるだけよい関係を築きたいと思うのは当然です。
ところで「馬に好かれる匂い」と「馬に嫌われる匂い」があるのを知っていますか?
匂いによって馬と心の距離が縮まったり、逆に距離を置かれてしまったりすることがあるので、ぜひ覚えておいてください。

馬の嗅覚

馬に好かれる匂いと嫌われる匂い

まずは馬の嗅覚について知っておきましょう。

馬はとても匂いに敏感な動物で、人間の1000倍の嗅覚を持つと言われています。
もちろん食べられるものと食べられないものは匂いで判別しますし、高いとされている帰巣本能も匂いによるところ。
また仲間かどうか確認する時や、挨拶を交わすなどのコミュニケーションをとる時は、馬同士でお互いの鼻先を近づける行為をします。わたしたちが馬と挨拶を交わす時は、手の甲を鼻先へ近づけて匂いを覚えてもらいます。
ちなみに母馬が産まれたばかりの仔馬を舐めるのは、仔馬の匂いを覚えるためだそうですよ。

また馬が笑ったように上唇を上げる表情で有名な「フレーメン反応」は、嗅覚を使ってより多くの匂いを感じ取ろうとする生理現象。
別名「嗅覚しぐさ」とも呼ばれ、近くにあるものや食べ物、生き物に対して、危険がないかチェックしています。

馬の鼻は敏感かつ、とても大事な場所。くれぐれもいきなり鼻を触るような無粋な行動は取らないように。
プ二プ二とした触り心地はたまりませんが、優しくそっと触れることを心掛けたり、シャワーで洗う際も鼻に水が入らないように注意してあげてくださいね。

好きな匂い

馬に好かれる匂いと嫌われる匂い

「馬=にんじんが好き」というイメージを持つ方も多くいることでしょう。実は馬がにんじんを好きな理由は、にんじん本来の味というよりも、にんじんに含まれているショ糖をはじめとした糖類の甘味を感じ取っているからだそうです。
まさに馬は甘党。このようににんじんが好きな馬も多いですが、りんごやバナナなどの甘い果物、さらには角砂糖やはちみつを好物とする馬も珍しくありません。

その結果として、馬は美味しいものを連想させる甘い匂いが好きだと言えるでしょう。

いい匂いと感じた時には前述のフレーメン反応を示すこともあるそうです。

嫌いな匂い

馬に好かれる匂いと嫌われる匂い

馬の好きな匂いで懐かれるよりも、どちらかと言えば嫌いな匂いを避けることのほうが重要。

総じて馬は酸っぱい匂いや刺激臭が苦手とされています。
暑い時期に気になる汗の匂いですが、これはほぼ嫌われないと思って大丈夫でしょう。それよりも良かれと思って香り付きの制汗剤をたくさん使うほうがNG。
香水や柔軟剤の匂いも苦手な馬が多いので、これらの匂いは馬と触れ合う時には控えたほうが賢明です。
タバコの匂いは自分が非喫煙者でもついてしまう場合があるので気をつけたいですね。

馬が匂いを拒絶する際の行動として、素早く顔をそむけて戻そうとしなかったり、その場を歩き去ってしまったりというようなことがあります。
「何故か避けられている気がする。」「うまくコミュニケーションが取れない。」と感じたら、いま一度自分の匂いをチェックしてみてください。

匂いで人を識別できる

馬に好かれる匂いと嫌われる匂い

わたしたちが近寄っていくと馬が鼻を近づけてくるというのは、よく目にする光景のひとつだと思います。その優れた嗅覚ゆえ、馬はわたしたち人間の識別を声とともに匂いで行っている場合が多いのです。
特定の相手の匂いを覚えて嗅ぎ分ける記憶力があり、信頼できる人や仲良しの人、いつも接してくれる人のことをちゃんと認識する事ができます。
姿は見えなくてもうれしそうにするのは、距離が遠くてもその人の匂いを敏感に感じ取っているため。

また匂いから感情を読み取ることができるほど嗅覚が発達していて、深い関係を築いている人に対し、ちょっとした変化や気持ちまでも察知できるのだそうですよ。

まとめ

わたしたちよりも嗅覚が優れている馬は、特に強い匂いでストレスや不快感を引き起こすことがあります。
人間同士でも匂いに関してエチケットやマナーが存在するように、馬と上手に付き合っていく上で匂いへの気遣いは必要不可欠ですね。
巷には色々な匂いがあふれています。日常生活の中でも「この匂いは馬が嫌がりそうだな。」と自然に気づきを得ることができれば、馬とのよりよい関係が一歩前進するのではないでしょうか。

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