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【誰かに話したくなるかも】競馬豆知識

乗馬愛好家には競馬を観戦する方も多いのではないでしょうか。今回はその競馬にまつわるトリビアをいくつかご紹介します。実は競馬はよく知らないという乗馬愛好家の方にも分かりやすく説明しています。今週末の競馬がいつもと少し違って見えるかもしれません!

騎手を「ジョッキー」というようになった由来

【誰かに話したくなるかも】競馬豆知識

競馬の祖国イギリスでは見知らない人のことを「ジャック」と呼んでいました。「ジャック」は「ジェームス」や「ジョン」のあだ名で、英語圏では男性一般を指して使われることもあるようです。スコットランドでは「ジャック」の代わりに「ジョック」を使っていました。そこから派生して馬の世話をしていた少年から競馬好きまでを総称して「ジョッキー」と呼ぶようになりました。各国の競馬主催者の名前にもなっている「ジョッキーズクラブ」は元々「競馬愛好家のクラブ」の意味でした。ジョッキーが今の「騎手」の意味になったのは、騎手をはじめ、調教師や馬主が分業された19世紀に入ってから。古い英語が残っている国では、現在も「ジョッキー」ではなく「ライダー」を使うそうです。ちなみに繋駕速歩競走の騎手は「ジョッキー」でも「ライダー」でもなく、「ドライバー」と呼びます。日本では乗り役とも言います。ちなみに、競馬サークルで調教師は「騎手」を逆さまに呼んで「テキ(手騎)」とも呼ばれます。

勝ち馬券には税金がかかる

【誰かに話したくなるかも】競馬豆知識

競馬と言えば馬券。読者のみなさんにも万馬券を手にしたことがある方もいるかもしれません。この「勝馬投票券」の払戻金には、課税されるのはご存じですか。とはいっても、必ずしも確定申告をする必要はありません。ちなみに馬券の払戻金は「一時所得」扱いになります。例えば、1年間で払戻金が100万円になったケースを考えてみましょう。当たり馬券の購入金額が合計10万円だったとします。「一時所得」の特別控除額が50万円。この場合、(払戻金100万円ー当たり馬券の購入金額10万円ー50万円)×1/2で20万円が課税対象となります。ここで気をつけなくてはならないのは、はずれ馬券の購入額は収入を得るための経費にはならないということです。はずれ馬券を経費計上するには「一時所得」ではなく、「雑収入」扱いにしなくてはならないのですが、「雑収入」にするには、その行為を業務として行っている必要があります。競馬を業務として行っている方はあまりいないはずです。そのため、高額の払い戻しを受けた場合は「一時所得」として申告する必要があります。一般に、払戻金による利益が、給与所得で年末調整をされている方では90万円以上、それ以外の方では50万円以上になった場合は確定申告をして、納税をしなくてはなりません。しかし、場合によっては、これ以外のケースでも申告が必要になるケースがあります。また、インターネット馬券購入サービスで1口1,000万円以上の払い戻しをした場合、JRAが自動的に税務署へ報告するようです!

女性騎手は2kg減量して騎乗できる

【誰かに話したくなるかも】競馬豆知識

現在、JRAに7名、NARに11名、ばんえいに2名ずつ所属している女性騎手。特にJRAでは、藤田菜七子騎手がデビューした2016年以降、女性騎手が少しずつ増えて7名になりました。JRAでは2019年1月より女性騎手はデビューから5年経過または101勝以上を記録しても、(特別競走とハンデキャップ競走以外は)2キロ減のハンデをもらえるルールを新たに制定しました。競馬では、負担重量が1キロ違うと1馬身違うと言われています。長距離路線ではそれ以上に有利だとする研究結果も。特にデビューしたての新人女性騎手は新人騎手に与えられる2キロハンデと女性騎手に与えられる2キロハンデ、計4キロのハンデが貰えます。レースでは4馬身は違うということになるんです!このハンデによって、小柄な馬やパワーが少し足りない馬などに女性騎手を起用することが期待されます。女性騎手が誕生しても、なかなか定着しなかったことを残念に思っていたJRAは、女性騎手に長く活躍してもらうためにこの制度を制定したそうです。3ヵ月後にはNARでも女性騎手の2kg減量の運用が開始されました。

実は調教師の世界ではNARが一歩リード。引退した方も含め8人の女性調教師が生まれています。JRAでは2024年に初の女性調教師が誕生しました。2年連続凱旋門賞を戴冠したトレブも女性調教師のC・ヘッド師が育てた馬でした。競馬界でも女性の活躍がますます期待されますね。

全ての競走馬の父の祖先はたったの3頭!

【誰かに話したくなるかも】競馬豆知識

サラブレッドは英語ではThoroughbred。Through(徹底的な)-bred(品種・血統)という意味。その名の通り、現代サラブレッドの血統をたどっていくと3頭の馬に行きつきます。この3頭の馬を「三大始祖馬」と言います。ダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン(バルブ)、バイアリータークの3頭です。

現在のサラブレッド界を席巻しているのが、ダーレーアラビアンの血統です。現代のサラブレッドの約98%は、遡っていくとダーレーアラビアンにたどり着きます。ダーレーアラビアンは1700年ごろの生まれ。アレッポに駐在していたイギリス領事のトーマス・ダーレーが現地で購入して、本国に送った馬でした。非常に気性が荒い馬でしたが、競走ではそれがいい方向に転じて、どのレースでも圧勝していたようです。5代目のエクリプスが、子孫に素晴らしい影響を及ぼしています。

2頭目のゴドルフィンアラビアン(バルブ)は1724年ごろ、北アフリカの生まれ。アラブの馬ではなく、バルブ馬であるとの記述もあることから、ゴドルフィンバルブと呼ばれることもあります。ルイ15世に献上されたものの、長期輸送で痩せてしまった姿からお役御免となり、パリの街中で使役馬として使われていたそうです。3代目のマッチェムは、種馬としてはあまり期待されていなかったものの、自身の産駒が大活躍をして発展します。あまりにも有名なアメリカの競走馬マンノウォーもゴドルフィンアラビアンの子孫です。

3頭目のバイアリータークは1680年ごろの生まれ。バイアリー大尉がハンガリーでトルコと対戦したときに捕えた馬でした。すぐに途絶えてしまいそうな父系でしたが、5代目のヘロドが大躍進。ヘロドの種馬としての活躍により、バイアリーターク系は勢いを増していきます。しかし、19世紀にはいると突然、衰えはじめ、今では途絶えるのも時間の問題と言われるまでに衰退してしまいました。日本にはパーソロンが輸入されて、シンボリルドルフ、メジロアサマが生まれ、そこからトウカイテイオーやメジロマックイーンにつながっていきます。日本でも父系は風前の灯火ですが、ゴールドシップやオフフェーブルなど母系では異彩を放ち続けています。

まとめ

いかがでしたか。今回はちょっとした競馬のトリビアをご紹介しました。競馬は歴史あるスポーツですが、変遷を遂げながら発展してきたスポーツでもあります。時代とともに少しずつ変わりながら生き残ってきたサラブレッド、スポーツや文化としての競馬に思いを馳せると、また競馬が違って見えてくるかもしれません。

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