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吸い込まれそう!馬の鼻の穴はなんであんなに大きいの?

馬と言えば鼻がチャームポイントとも言えるほど、大きく魅力的です。馬の鼻の穴は大きく広がり、ぷにぷにと柔らかいので、馬とのコミュニケーションを楽しむ際に、鼻に触れている人もいるのではないでしょうか。

さて馬の鼻の穴はなぜあんなにも大きく特徴的なのか疑問に感じたことはないでしょうか。あんなに大きい鼻の穴をしていると、良い物も悪い物もたくさん吸い込むことができそうですよね。今回は特徴的な馬の鼻に注目し、大きい鼻を持つ理由や馬の嗅覚など、馬の鼻にまつわることについて紹介していきます。

鼻息荒い?鼻の穴の大きさは心肺機能の強さの目安

吸い込まれそう!馬の鼻の穴はなんであんなに大きいの?

馬の鼻は顔の大きさに対し大きく特徴的と言えます。また馬に近づくとよく分かりますが、鼻息は荒いと言えます。馬の鼻が特徴的で鼻息が荒いのには理由があります。


馬は人間とは違い、鼻でしか呼吸が出来ません。これは食べ物が誤って気管に入るのを防ぐためと言われており、あくまでも口は食べ物を入れるためだけに機能しているのです。

馬の大きな体に酸素をたくさん取り入れるためには、大きな鼻でたくさんの酸素を取り入れる必要があります。また馬が全速力で走り続ける為には、酸素をしっかり取り入れられる体の仕組みと呼吸法は大切と言えるでしょう。馬の呼吸法は一完歩一呼吸(1ピッチ1ブレス)と言われ、肢が地面につき次の肢が地面につくまでの1歩の間に酸素を効率よく吸い込む為にも大きな鼻が必要です。

馬の鼻の穴が大きければ大きいほど、呼吸がしやすく心肺機能が強いことが分かると言われ、鼻が大きい馬は競走馬の素質があるとも言われています。競馬で良い走りをする馬を見極めるポイントに、鼻の大きい馬を選ぶという人がいるくらいです。

においに敏感!嗅覚は人の1,000倍!

吸い込まれそう!馬の鼻の穴はなんであんなに大きいの?

嗅覚が優れた動物は数多くいますが、馬も嗅覚が優れた動物です。人が近づくと鼻を近づけ匂いを嗅ぐ姿を見たことがあるかと思いますが、匂いで人を判断することもできます。

馬の嗅覚は人の1,000倍と言われており、とてもにおいに敏感です。食べ物に悪い物が入っていないかを確認したり、異性の発情期を見極めるなど、優れた嗅覚を使います。フレーメンと呼ばれる馬が笑っているような表情を見せるのも、馬が嗅覚を使い匂いを確認しているのです。

また匂いから感情を読み取ることもできるほど発達しており、普段関わっている人達のちょっとした変化や気持ちも感じ取れるのだそうです。

食べ物の識別だけじゃない、コミュニケーションでも重要な役割

吸い込まれそう!馬の鼻の穴はなんであんなに大きいの?

「会釈」「握手」「ハグ」、人間は様々な方法で挨拶をし、会話をしたり身振りをすることでコミュニケーションを取ります。では馬たちはどのように挨拶をしたりコミュニケーションを取るのでしょうか。

馬のコミュニケーションは「鼻」を使います。自分の鼻先と相手の鼻先を近づけ、お互い匂いを確認し仲間か確認したり挨拶をするのです。

仲間であることが分かったらグルーミングというコミュニケーションや愛情表現を行います。このグルーミングは馬だけではなく、犬や猫にも見られる行動で、頸や背中を舐めあう行為を指します。

時には挨拶を交わし相性の悪さを感じることもあるようで、嫌がって逃げたり威嚇をしてみたり、噛みついたりけるなどの行動をしてケガに繋がることもあります。馬にとって鼻は相手を知る大切な役割を持つということが分かるでしょう。

大切な鼻が病気に!鼻出血に注意

吸い込まれそう!馬の鼻の穴はなんであんなに大きいの?

馬が鼻血を出すことを「鼻出血」と呼びます。鼻出血で挙げられる原因としては、どこかにぶつけるなど外傷性の原因と肺からの出血やカビでの炎症が原因となる内因性の原因があります。

外傷性の鼻出血は、一番イメージしやすいのではないでしょうか。人でも鼻をぶつけ傷がつけば鼻血が出ますよね?馬も同じことが起こります。このような外傷性の鼻出血に関しては過度に心配することはありません。

内因性の原因であるカビによる炎症の場合、乾ききっていない牧草や藁などを使用し衛生面に問題がある部屋で過ごすことでカビが発生し、粘膜や毛細血管にカビ菌が感染することで炎症を起こし鼻出血を出してしまうのです。カビが発生しないよう衛生的な環境を心がけることで防ぐことができます。

内因性の原因の肺出血は、特に競走馬に多く見られます。競馬などのレースで鼻出血をしながら走る馬を見たことがあるでしょうか?これは肺出血が原因の場合が多いと言われます。

競走馬はレース中に持っている能力を限界まで出し走ります。しかしどんな馬でも限界地はあり、限界を超えてしまえば問題が生じるのは当たり前の話です。

早く走ろうとすることで心肺機能を限界まで使い、血流が増え血管に必要以上の負荷がかかり出血してしまいます。馬の鼻は肺と繋がっているので、肺で出血した血が鼻から流れ出てしまうのです。鼻からの呼吸しかできない馬にとって、鼻出血は十分な呼吸ができなくなってしまうので、力を発揮しづらくなります。

また肺出血が原因での鼻出血は慢性化することもあり、1ヶ月の出場停止になることもあります。呼吸に障害が出ることもあるので、過度な運動は避け治療する必要があるからです。実際に「ウオッカ」や「オルフェーヴル」や「レイズアフラッグ」といった、成績もよく人気のあった競走馬でも、鼻出血を繰り返し、引退することになってしまった競走馬も少なくありません。

それだけ馬にとって鼻出血は深刻な問題なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

馬の鼻と人間の鼻のつくりの違いを感じることが出来たのではないでしょうか。馬にとって鼻は大変重要な役割をしていることが分かります。

危険を察知するのにもコミュニケーションを取るのにも、馬が持つ力を発揮するのにも馬の鼻は使われるのです。馬のチャームポイントである鼻は、馬を支える為に発達したと言っても過言ではないでしょう。

しかし様々な役割を持つからこそ病気に繋がりやすくなります。またその病気によっては競走馬としての人生を終えなくてはならなくなることもあるということを忘れてはいけません。

馬とコミュニケーションを取る時には、鼻をなでたり匂いを覚えてもらう事が有効です。触るときには優しく触れてあげましょう。

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