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知ってる?馬の病気

馬に接していると、いつも元気いっぱいの馬が何となく様子が違うなと感じることがあります。そんな時は普段以上に馬体のケアをおこなったり、十分な休養をさせつつ経過観察をおこないますね。
休ませることで回復する場合は良いのですが、症状によってはすぐに獣医さんに診察してもらわなければいけないこともあります。
今回は馬の病気について、いくつかご紹介します。

馬の「風邪」

知ってる?馬の病気

乗馬を始めたばかりの方の中には、馬も風邪をひくの?と驚かれる方もいるかもしれませんね。寒さには強い馬ですが、実は風邪をひくことがあるのですよ!

感冒

馬の風邪は通常、「感冒」と呼ばれます。代表的な症状としては、発熱や咳、食欲の低下、鼻漏などです。人の風邪と症状は同じですね。

治療には投薬や静脈注射をおこない、馬房内で休養させます。早めに処置をおこなえば、2~3日で回復します。

感冒の原因はウィルスですが、疲労やストレスなどによっても風邪症状を起こすこともあります。

馬インフルエンザ

風邪とほぼ同様な症状の病気に馬インフルエンザがあります。日本では2007年に馬インフルエンザが大流行し、競馬や国体の馬術競技の開催が中止となったことがありました。

馬インフルエンザに感染すると2~3日の潜伏期間の後、40~41℃の急激な発熱や激しい咳、多量の鼻漏の症状が出ます。回復までには2~3週間ほどかかるので、感冒よりも症状は重くなります。

馬インフルエンザは、馬インフルエンザウイルスが原因の感染症です。馬どうしでの感染はありますが、馬から人へ感染することはありません。

治療には人と同じように、馬用のタミフルやゾフルーザ投与が効果的です。また、症状が出ている間は十分な休養が必要です。

馬インフルエンザは、ワクチン接種で予防することが可能です。

関節の病気

知ってる?馬の病気次に、関節の病気についてご紹介します。

馬の関節には様々なものがありますが、その中でも炎症を起こしやすい箇所が3つあります。馬の体重を支えている脚の部分でも特に下脚部と呼ばれる、脚の下の部分になります。
それぞれの関節炎の症状について見ていきましょう。

腕節炎

腕節は前膝とも言われ、人では手首の関節にあたります。
主な症状は、腕節が腫れたり熱を帯びます。悪化すると脚を曲げるたびに痛みを伴い、跛行することもあります。

腕節炎は、手根骨の剥離骨折や軟骨の損傷が主な原因となります。

治療には患部を冷やしたり消炎剤を塗ることが効果的ですが、慢性的に発症する場合にはマイクロレーダー治療や理学療法をおこないます。

飛節炎

飛節は後脚にあり、人では足首やかかとの部分にあたります。
飛節に起こる炎症を総称して飛節炎といいます。代表的な飛節炎には関節包が腫れる飛節軟腫、骨瘤が形成される飛節内腫などがあります。

主な症状としては、飛節が腫れたり熱を帯びたりすることが挙げられます。疼痛を伴い跛行することもあります。
化膿性飛節炎とよばれる、細菌感染が原因で発症する飛節炎もあります。この場合は長期間の治療が必要になります。また、重症化すると全身性の敗血症を発症します。

腫れている部位によって治療法が異なるので、まずはどの部分に腫れが見られるのかをしっかり見極めることが大切です。

治療にはまず安静を心がけ、抗生剤の投与をおこないます。

球節炎

球節は、人では指の付け根にあたる部分です。
症状としては、球節の腫れ、熱を帯びる、脚を曲げた時の痛みなどがあります。

原因は腱や靭帯などの損傷や剥離骨折、あるいは細菌感染などです。

十分な休養をおこなうことが大切ですが、必要に応じて球節部の冷却や鎮痛消炎剤の投与もおこないます。
予防のため、プロテクターの装着やバンテージを巻くことで球節への負担を軽減できます。

腰のケア

知ってる?馬の病気馬の腰の病気として代表的な症例はウォブラー症候群です。詳しく見ていきましょう。

ウォブラー症候群

ウォブラー症候群は「腰フラ」ともよばれ、運動失調や感覚麻痺によって腰の動きが悪くなり、脚に力が入らなかったり歩様に異常が見られます。

「腰フラ」は、頚椎の形成や成長異常によって脊髄神経が圧迫されることが原因で起こります。先天的な奇形や寄生虫が原因で発症することもあります。

有効な治療法はなく、痛みや病気の進行を抑えるための対処療法をおこなって経過を観察します。

脚のケア

知ってる?馬の病気

脚のケアについては、毎日馬の脚を触ることで、少しの変化も見逃さないことが大切です。脚に見られる疾病を2つ見ていきましょう。

管骨骨膜炎

管骨骨膜炎は一般的には「ソエ」と呼ばれる、管骨に見られる疾病です。主に若馬に見られます。
症状としては、触っただけで激しい痛みがあります。重症化すると患部が腫れて骨瘤となり、跛行を起こします。

ハードなトレーニングによって過度な負荷がかかることが原因で、管骨に炎症を起こします。

症状が軽い場合は負担の少ない馬場での乗り運動ができますが、運動後に脚の冷却をして十分に休養させます。
重症の場合は冷却以外に、消炎剤の投与、ショックウェーブなどの処置をおこないます。

フレグモーネ

フレグモーネは、「蜂巣炎」(ほうそうえん)とも呼ばれ、皮下組織に発症する急性の化膿性炎症のことです。症状としては、患部の痛みと腫れ、熱を持つなどがあります。

フレグモーネの原因は、傷口からの細菌の侵入です。主に「黄色ブドウ球菌」、「化膿レンサ球菌」が原因菌となります。

治療としては、抗生剤や抗炎症剤の投与、水冷療法、腫れを減退させるための曳き馬運動などをおこないます。

まとめ

知ってる?馬の病気

いかがでしたでしょうか?

今回は馬の病気の一部をご紹介しました。
実は馬の病気のうち、半分以上が脚に関わる疾患なのです。400kgを超える体重を、4本の細い脚で支えているため、どうしても脚に大きな負担がかかってしまうのですね。

馬が病気にならないよう、馬に乗った後はしっかりとお手入れをしましょう。特に脚へのケアを十分におこなうことが重要です。

それでは、これからも楽しい乗馬ライフを送って下さいね!

 

 

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