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【見逃さないで!】お馬さんのサイン

最初のうちは「馬って何を考えているのか分からない…」と感じるかもしれません。しかし、馬をよく見ているといろいろなサインを出していることが分かるはず。今回の記事では、そんな馬のサインをいくつか紹介します!

馬の「嬉しい」

【見逃さないで!】お馬さんのサイン

皆さんも「嬉しい」と感じたとき、テンションが上がったり、逆に幸せにゆっくり浸るような気持になったりしますよね。馬が嬉しい時も、その度合いや感覚によっていくつかのサインが現れます。

テンションが上がっているとき

気持ちよく走ったり開放的な環境に出たりと少し興奮しているときは、ボロをする瞬間のように馬の尻尾の付け根が持ち上がっています。


また、人が手綱を適度に張っているときのように頸がしっかり上がって、ピンと立った耳が前を向いていることが多いでしょう。


走っているときに、このようにテンションが上がると「ブル、ブル」と走るリズムに合わせて鼻を鳴らす馬もいます。

気持ちが良いとき

ブラッシングなどをしてもらい落ち着いた気持ちよさを感じているときは、馬は上唇を少し突き出すように鼻先を伸ばしたり目を細めるような表情を見せたりします。


また、さらにリラックスすると下唇から頤(おとがい)周辺の力が抜けて、口を半端に開いたような状態になる馬もいます。


馬には独特の感情表現も多いですが、気持ちが良いときの様子は人間でも共感できるはず。ぜひ、グルーミングなどの際も馬の表情を確認してカワイイ「まったり顔」を見てみてくださいね。

馬の「お腹すいた」

【見逃さないで!】お馬さんのサイン

皆さんの中にも「運動の後のごはんがとっても楽しみ!」という方はいますよね。多くの馬たちも、毎日のごはんを楽しみにしています。では、馬はおなかが空いたり「早く食べたいよ!」というとき、どのような感情表現をするのでしょうか?

食べ物が欲しいとき

馬房の近くで何かを食べたり、馬から見えるところで飼料の準備をしていると、馬が前足でガリガリと地面を掘るようなしぐさを見せることがあります。


これは「前掻き(まえかき)」といって、目の前にあるものに対して「食べたいよ!」「ちょうだい!」という気持ちのときによく見られます。


ただし、前掻きは欲求が満たされてないときや、人間に対して何かを訴えたいときにも見るられる行動。前掻きしているからと言って、必ずしもおなかが空いているとは限りません。


特に注意したいのが、疝痛(せんつう)など不調や痛みを訴えるために前掻きしているとき。目の前に食べ物がないのに前掻きをしているときや、普段と違う様子が見られるときなどは、スタッフへの報告など必要に応じた対応をしましょう。


また「前掻きをすると人間が何かしてくれる!」と覚えた馬は、前掻きが癖になってしまうことも。やりすぎると蹄や脚に良くないので、あまり癖付かないように気を付けたいですね。

ごはんで気持ちが盛り上がったとき

これから各馬房に飼い(エサ)を配るよ!というタイミングでは、馬たちはいっせいに馬房に中から顔を出したり、「早く欲しいよ!」と前掻きをしたりします。


ですが、ごはんにテンションが上がった馬たちは、気持ち良く走っているとき同様「ブルルル!」と元気よく鼻を鳴らすことも。


きっとこんなときは「ごはんが来る!」という盛り上がりのほうが「まだもらえないのー?」という待ち遠しさや不満を上回っているのではないでしょうか?

馬の「不安」

【見逃さないで!】お馬さんのサイン

ここまではプラスな感情が多かったですが、最後に馬が不安を感じたときについて見てみましょう。馬は警戒心の強い動物なので、早めに様子の変化に気づくためにも「不安」の感情表現を知っておくことは大切です。

周囲を警戒しているとき

周囲に気になるものを見つけたり、聞き慣れない音が耳に入ると、馬は「何だろう?危ないものかな?」と確認しようとします。


このようなときに馬が耳を立て、せわしなくいろいろな方向へ動かすのは、音を拾って状況を把握しようとしているからです。また、周りの風景などをよく確認するために、頸をまっすぐ立てて遠くを見ようとします。

驚いたとき

大きな音や人の動き・地面に映った影など、馬はいろいろなものにビックリします。ときには、人間から見れば「こんなことで驚くの!?」という些細なキッカケで大騒ぎになることもあるかもしれません。


このように驚いたとき、馬は対象物に注意を集中するため視線と耳を同じ方向に向けることが多いです。広い範囲を警戒するため耳をくるくると動かしているときとは、少し違う反応ですね。


そして、対象物と距離を取るために頸は仰け反るように後ろへ引いたり、身体ごと飛びのいたり、その場で前足を上げて立ち上がることもあります。これらは馬にとっては安全を確保するための行動ですが、洗い場に繋いであるときや騎乗中は事故の原因になる可能性も。


また、対象物が動物や人間だった場合は、相手を威嚇するために歯をむき出して噛みついたり、相手を追い払うように「ヒン!」と高めに鋭く鳴くこともあります。

仲間を呼ぶとき

馬房や馬場と少し離れた放牧場などに、一頭で放牧されているタイミングで馬が「ヒヒーン」と遠くに向かって長くいななくのを聞いたことがありますか?このような声は、遠くにいる馬に呼びかけるための鳴き声です。


呼びかける理由にはいろいろあると思いますが、馬も仲間がそばにいなくて心細い気持ちになることがあります。このような声を聞いたら「もしかしたら不安や寂しさを感じているのかな?」と考えてあげましょう。

感情を知るコツ

【見逃さないで!】お馬さんのサイン

今回ピックアップしたものの他にも、まだまだいろいろな感情を伝えてくれている馬たち。ですが、人間に比べると馬はそれほど表情筋は発達していません


そのため、初めて馬を見た人は「顔を見ても何を考えてるか分からない…」と感じるはずです。そこで大切なのが、今回も取り上げたような耳の動きや頸の角度など身体全体を観察すること


さらに、周囲の状況を総合的に見ていくと「今はこんなことを考えているのかも」「これが気になるのかな」とだんだん分かるようになってきます。

まとめ

コツをつかむことで、徐々に分かってくる馬の感情。最初はよくわからなかった馬の気持ちが想像できるようになると、馬たちがさらに可愛く大切に思えてくるはずです。馬の感情を知ることは乗馬の上達にもつながるので、皆さんも愛馬をよく観察して色々な感情を知っていきましょう!

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