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【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも

姿勢は崩れていないはずなのに、なぜか思うように上達しない…と悩んでいる皆さん、実はそれ「姿勢を良くしよう」としていることが原因かも!?今回の記事では、自分では気付きにくい「反り腰」の問題点や改善方法を解説します。

反り腰とは

【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも
【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも
乗馬したいなぁ

「反り腰」って、腰が反っているっていうことですよね?

でも、姿勢を良くしたら腰って反ってしまうものじゃないんですか?

【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも
ライダー
麻衣

たしかに、正しい姿勢では背骨が緩やかなS字カーブを描いているね。

でも、反りすぎても姿勢は崩れて乗りにくくなってしまうの。

【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも
乗馬したいなぁ

うーん、どれくらいが「反りすぎ」なのかな…。

【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも
ライダー
麻衣

腰や姿勢だけ見ると「反りすぎ」の基準は分かりにくいから

骨盤や身体全体のバランスから考えてみよう!

骨盤は腰のあたりで受け皿のように内臓を支えていますが、腰が反っている状態では前に傾いている状態です。骨盤が前に傾いたまま、上半身を調整しなければ身体全体は前傾姿勢になってしまいます。


しかし、騎乗中はバランスを保つために、骨盤が前に傾いた分だけ上半身を起こさなければなりません。このように骨盤が前傾し、それを補うために上半身を過剰に起こしている状態が「反り腰」です。


上のイラストを見ると、一番右は猫背で姿勢が悪いのが明らかですが、真ん中が「反り腰」にあたる状態。一見はピシッと「きをつけ」をしたような感じで姿勢が良さそうですが、一番左の正しい姿勢と比べると不自然に背中が緊張しているのが分かりますね。

反り腰のデメリット

【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも

反り腰がどのような状態か分かったところで、その問題点について考えてみましょう。なぜ騎乗中に腰が反ってしまうと上達できないのでしょうか?

上半身が安定しない

腰が反っている状態は、骨盤と共に姿勢全体が前傾しそうな体勢から無理に上半身を起こしている状態とも言えます。そのため上半身を安定させることが難しく、反り腰になっているときは後傾し過ぎたり、気を抜くと前傾してしまうなど姿勢が崩れがちです。


馬は大きな動物ですが、人間の重心が前後にフラフラと移動すれば動きにくさを感じます。また、体幹が安定しないため手綱の張りを一定に保つことも難しく、馬の視点から見れば頻繁に手綱が緩んだり引っ張られたりしているため混乱の原因にもなるでしょう。

筋肉が硬くなりがち

反り腰は自然な姿勢ではないため、反っている腰だけでなく背中全体や脚の筋肉にも力が入ってしまいます。騎乗中は意識しにくいので、椅子などにまたがった状態で敢えて反り腰の状態を作ってみると「太腿や腰回りの筋肉が疲れるな」と感じられるはずです。


もちろん騎乗中は色々な筋肉を使って姿勢を保つものですが、それは「基本の姿勢」を馬の動きに合わせて調節するためです。姿勢の崩れを補うために筋力を使ってしまうのはもったいないですし、なにより筋肉に力が入ると関節を柔軟に動かすことができなくなります。


関節が硬くなると、姿勢を保つ・随伴する・扶助を出すなど乗馬に必要な動作がスムーズに行えず、結果的に「なかなか上達しない」という体感につながる可能性も考えられます。

腰に負担がかかる

馬に乗った後に「腰が痛い」と感じることは無いでしょうか?自分の脚で立って行うスポーツと比べると、乗馬は運動の衝撃を足首や膝で緩衝することが難しいもの。そのため、姿勢や骨盤のゆがみがある人は乗馬をすると腰痛を感じることがあります。


今回のテーマである「反り腰」も、その姿勢の崩れの一つ。腰が反っていると一見姿勢よく見えるのですが、実は背中の大きな筋肉をあまり使わず腰の筋肉だけで姿勢を保っているような状態に陥っているんです。


その結果、腰の筋肉が疲労により張ったり、馬の動きによる衝撃を腰だけで受けてしまい腰痛が起こります。日常生活でも立位より座位のほうが腰への負担が大きいといわれているので、座位に近い状態で運動する乗馬では腰を痛めないよう姿勢にも十分気を付けたいですね。

自分でできる「反り腰チェック」

【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも

ところで、腰がどの程度反っていると「反り腰」になるのでしょうか?騎乗中に限らず日常生活でも反り腰になっている人は意外と多いので、是非一度チェックしてみましょう!

①仰向けに寝る

反り腰のセルフチェックは、たったの2ステップ。簡単に確認できるので、みなさんも記事を読みながらやってみてくださいね。まずは、仰向けに横になります。ベッドなど柔らかい場所だと分かりにくいので、フローリングなど硬めの床がおすすめです。


もし「いま自宅でなく外出先なんだけど…」という人は、壁から5cmくらい離れた場所に立って後頭部・背中・おしりを壁にピッタリ付けます。かかとが高い靴を履いている場合は、室内であれば靴は脱ぎましょう。

②床と腰の隙間に手を入れる

①の状態で床(または壁)と背中のあいだには少し隙間があると思います。この隙間に、滑り込ませるように手を入れてみてください。もし手が隙間にスッポリ入るようなら、反り腰である可能性が高いでしょう。


ちなみに、床に足を伸ばして横になった時点で「腰が痛い」と感じたり、その痛みが膝を立てたら治った場合は、既に反り腰によって日常的に腰椎に負担がかかっている可能性が高いそうです。

自宅で出来る「反り腰改善ストレッチ」

【なかなか上達しない】もしかして「反り腰」が原因かも

では、チェックをしてみて「自分は反り腰だったみたい…」という人はどうすれば良いのでしょうか?今回は、反り腰を改善するためのストレッチを2つ紹介するので参考にしてくださいね。

大腿四頭筋を伸ばす

大腿四頭筋は、太腿の前側にある大きな筋肉です。「太腿と腰、どんな関係があるの?」という人も多いと思いますが、硬くなった大腿四頭筋に引っ張られることで骨盤が前傾し反り腰になりやすいといわれています。


写真(左)では両足を同時にストレッチしていますが、今回は腰への負担を考え片足ずつ行う方法を紹介します。まず仰向けになり、片方の脚を膝から折りたたむように後ろへ曲げます。足裏がおしりの横に付いたら30秒ほどキープしてから元の位置へゆっくり戻しましょう。


ここまでできたら、脚を入れ替えて数回繰り返します。このストレッチでの注意点は、腰を反らせないこと。もし腰がかなり浮いてしまう場合は、腕を後ろに着いて上半身を起こしてもOK!その状態で無理なくできるようになったら、完全に寝た状態にも挑戦してみましょう。

背中の緊張をほぐす

反り腰になっているときは、腰の筋肉が緊張している状態です。これをほぐすためには、反対に背中を丸めてあげるストレッチが効果的。これに最適なのが、写真(右)の「胎児のポーズ」と呼ばれるストレッチです。


仰向けに寝た状態で膝を立て、ゆっくり息を吐きながら膝を腕で抱えます。ポイントは、腕の力で足を引き寄せるのでなく腹筋を使ってお腹をへこませるように身体を丸めること。おしりから背中の筋肉をしっかり伸ばすことも意識してくださいね。


このポーズも、30秒ほどキープしてから身体をゆっくりと元に戻し、数回繰り返します。

まとめ

実は、姿勢を意識している人ほど陥りやすい「反り腰」。しかし、反り腰を放置しているとなかなか上達できないだけでなく腰痛などの原因にもなりかねません…。身体の負担軽減&上達のために、自宅でストレッチをするなど改善法を試してみましょう!

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