【乗馬のスピードは?】乗馬で自然の中を颯爽と駆け巡る…その時の速度ってどれぐらい?

乗馬クラブの先輩たちが馬に乗っている様子や、映画に登場する馬を見て「颯爽と走る姿が素敵!」と感じたことがある人も多いはず。今回の記事では、憧れの駈歩(かけあし)について速度やコツを詳しく解説します!
競走馬のスピードは時速で、約70km程度と言われていますが、普段私たちが乗馬をする際の駈歩の速度は一体どれくらいでしょうか?

颯爽と駆け巡るには「駈歩」の習得が必要

乗馬を始めたばかりの頃は常歩(なみあし)に慣れたら速歩(はやあし)の練習をすると思いますが、あの颯爽として優雅な歩様は「駈歩」。速歩で安定して乗れるようになってくると、ようやく駈歩の練習も始まります。


駈歩は慣れてくると「速歩よりも反動が少なくて楽」と感じる歩様ですが、初めのうちは常歩・速歩と異なるうねるような動きと速度に恐怖感を感じる人もいるかもしれませんね。


また、駈歩でもう一つ難しい点が「手前(てまえ)」です。軽速歩のときは、馬が回っている方向に対して外側の前脚が前に出るタイミングで立つという人間の動きによって手前を変えることができましたよね。


これが可能なのは、速歩では左右の脚が交互に同じ動きをしているからです。しかし、駈歩の場合は右手前の場合は左前脚・左手前の場合は右前脚と常にどちらか決まった方の前脚が身体より大きく前に出ます。


そのため、発進する時点で馬に「どちら周りの運動をするか」を認識してもらわないと出すべき手前とは逆の手前で駈歩が始まってしまうことがあります。これでは、馬も少し走りにくいですよね。

「手前」とは?乗馬では「手前」という言葉に
①馬が円を描いて運動するときの円の内側方向
②左右の前脚のうち遅れて地面に付く側
という2つの意味があります。
簡単に言うと、①と②を統一することが「手前を合わせる」ことになります。


このように駈歩を出す・維持するためには少しコツが要るので、その詳しい方法についてはまた記事の後半で解説していきます。その前に、駈歩のスピードを他の乗り物に例えたらどれくらいなのか確認してみましょう。

「駈歩」の速度、分速340m(時速約20km)を他の乗り物に例えると?

みなさんも「走る」と一口に言ってもちょっと急ぐときに軽めに駆け足をするのと、競争などで全力でダッシュするのは速さが全然違いますよね?


馬も同じで、同じ駈歩であっても障害飛越をしているときの駈歩は340m/分くらい。340m/分=約20km/時です。一方、クロスカントリーでの駈歩は550m/分にもなると言われています(550m/分=約30km/時)


これは、日常でよく見る乗り物に例えると普通の自転車で時速20kmを出そうと思ったら、何も障害物の無い場所でかなり全速で漕ぐ必要がありますね


クロスカントリーの駈歩の時速約30kmは、原付の制限速度と同じですね。実際に原付が制限速度通りで走っているのはあまり見かけませんので、足元にちょっとした荷物を載せて安全運転をしているときと同じくらいでしょうか。そう言われると、意外とのんびりした速度なのかも?と感じた人も多いと思います。しかし、騎乗した時と原付バイクとでは高さや揺れが違いますので、原付バイクより相当速く感じる人もいると思います。


速歩と比べると「制御できないかも!?」という速さへの恐怖感があるかもしれませんが、駈歩を出したままでも姿勢と扶助さえ気を付ければ減速・方向転換なども自由自在!上達するうえでも大切な歩様なので、徐々にマスターしていきましょう。

乗馬のスピードは?駈歩の時は、分速340m(時速約20km)・・・自転車で全速でこいだ時くらい
クロスカントリーの時は、分速550m(時速約33km)・・・原付バイクと同じくらい

「駈歩」のときの騎乗者の姿勢

では、ここからは実際に駈歩をするときの騎乗者の姿勢について解説していきます。

前傾し過ぎない

乗馬を始めた頃は、なんとなく「減速・停止=後傾」で「加速=前傾」というイメージがあるのではないでしょうか?しかし、駈歩を出そうとした時点で前傾してしまうと重心が前にずれて馬がかえって動きにくくなってしまいます。


駈歩を出すときは、まっすぐの姿勢を保ち、脚で扶助を出すことで馬に「あ、駈歩だな」と認識してもらいましょう。

手綱を張る

手綱を引っ張るとスピードが落ちてしまうのでは?という考えから手綱を緩めてしまうと、ダラダラと常歩で進んでからやっと駈歩が出たり、手前の間違った駈歩が出てしまったりとなかなかうまく駈歩が出ないことがあります。


もちろん馬が止まるほど引っ張ってはいけませんが、馬の首が自由に伸びている状態ではなく、しっかり手綱で馬の銜受けを感じられる程度に手綱を張っておきましょう。


このときに、馬が内方姿勢になるように馬場の外側の手綱は馬の首にしっかりと付け、内側の手綱は少し開いておくことが大切です。しっかりと内方姿勢を取ることで、正しい手前で駈歩発進をできる確率が格段にアップしますよ!

「内方姿勢」とは?蹄跡を進む場合と輪乗りをする場合では、大小や正円・楕円の違いはありますが
私たちは馬に乗っているとき円を描いていることが多いはずです。
馬の身体が、その円のカーブに沿って弓形に曲がっている状態を内方姿勢と言います。
馬の頭とお尻が、胴体に対して少し円の中心側にある状態ですね。

左右の脚の扶助は異なる

駈歩を習うとき、おそらく多くの人が「外側の脚を後ろに引いて脚を入れる」と教わると思います。普通は脚と言えばお腹に入れるものですが、なぜ外側の後ろなのでしょうか?馬の脚の動きを知ると、その理由がよく分かります。


走り始めを見ていないとなかなか分かりにくいのですが、駈歩をするときの馬の脚は外側後脚→内側後脚→外側前脚→内側前脚という順で前に出ています。つまり、外側の後脚=一番先に動く脚に合図をすることで「手前の左右」と「駈歩をする」ということを伝えるわけです。


では、このとき内側の脚も何か扶助を出すのでしょうか?慣れている馬は外側の合図だけでサッと駈歩を出してくれることも多いですが、内方姿勢になるように内側の脚は馬のお腹を押してあげるとさらにスムーズに正しい手前の駈歩が出せるでしょう。

「駈歩」を維持するポイント

せっかく正しく駈歩発進ができたのに「乗っているうちに速歩に戻ってしまった…」という経験はないでしょうか?駈歩を維持するためには、大きく分けて2つのポイントがあります。

手綱に頼りすぎない

駈歩に慣れないうちは、バランスが崩れると手綱を持ち手のように突っ張ってバランスを取ろうとしてしまう人がいます。しかし、正しく走っているのに上のほうにギュウギュウ引っ張られたら馬は走りにくいですよね。


拳は鞍の前橋(ぜんきょう)あたりに低い位置で固定するつもりで、適度に手綱が張った状態を保ちましょう。バランスは、お尻を鞍にピッタリ付けて、鐙をしっかり足先で踏めばそんなに大きく崩れないはずです。

脚はこまめに入れる

手綱を適度に張っていても、馬によってはだんだんとスピードが落ちてくる場合があります。このようなときに、そのまま特に扶助を出さなければ駈歩から速歩になってしまうでしょう。


最初のうちはスピードダウンを早めに感知するのは難しいかもしれませんが「あれ?ちょっとスピードが落ちそう?」と感じたらふくらはぎで少し馬体を圧迫しましょう。歩様が変わってしまう前に合図を送ることで、うまく駈歩を保つことができますよ。


特に、方向転換や巻乗りなど小回りするときほどスピードは落ちやすいもの。こうしたタイミングでは、大きく蹄跡を回っているときよりもこまめに脚を入れてみましょう。

まとめ

馬で颯爽と駆け抜けるためには、駈歩の習得が必須!速歩に比べると発進したり手前を合わせたりというタイミングでの扶助が複雑ですが、一つひとつの扶助にどのような意味があるか分かってくるとスムーズに駈足できるはず。


駈歩は馬との一体感を強く実感できる歩様なので、一旦慣れてしまえばとても快適。乗馬がさらに好きになること間違いなしです!

 

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