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【全集中できるか!?】危険回避のために知っておきたい、馬の集中力について

「馬が集中してくれない」「せっかくの集中を切らしたくない」など、馬の集中力に関する悩みはありませんか。
馬と人間が安全に・楽しく乗馬をするためには、お互いの集中力が必要になります。馬の集中力が切れているときの仕草、集中力を取り戻す方法を紹介します。

馬の集中力ってどれぐらいもつの?

【全集中できるか!?】危険回避のために知っておきたい、馬の集中力について

乗馬のレッスン中に、馬の集中力が切れてきていることを感じたことがありませんか。
そんなとき、「もう少し頑張って!」「今レッスン中だよ!」など、人間の心の叫びは馬たちには届いていません。
安全に、効率的に騎乗するために必要となる人間と馬の集中力について説明します。

人間の集中力

私達も普段の生活で集中力が求められることはありますよね。テスト勉強や仕事の締め切り、子育て中の場合は子供がお昼寝している少しの時間など、ここぞというときには集中力を発揮し、効率よく勉強や作業をします。
人間の集中力は、これまでの体験や経験から想像することもできますが、平均50分程度、長くても90分程度といわれています。しかし、同じくらいの集中力を50分間継続しているわけではないことに気が付いていますか。
大体15分程度しっかり集中したあとに一度集中力は落ち込みます。そしてその後また15分程度集中力が高まるといった波を2、3回繰り返しています。
つまり、小・中・高の学校の授業の1コマが45分程度というのも理にかなっていることいなります。
もちろん15分というのは目安で、より高度なこと・複雑なことをする場合は集中できる時間は短くなります。

馬の集中力

馬の集中力も人間と同様に、15分程度といわれています。しかし大抵の乗馬クラブの1鞍は45分前後になっています。
これも人間と同様15分の波を2,3回繰り返すことになります。具体的には軽度な運動でも15分程度集中した場合は、自由常歩でリラックスする時間は作ります。その後はまた集中する時間を作り、1鞍の間でもメリハリをつける必要があります。
ここで注意することは、リラックスした状態から集中力を高めるときに乗り手にも注意が必要になることです。まずは、乗り手が集中する時間として気持ちを切り替えましょう。

馬が集中していないときに見せる仕草

【全集中できるか!?】危険回避のために知っておきたい、馬の集中力について

騎乗中は、人間も馬も集中力を持って有意義で充実した時間を過ごしたいですよね。そこで馬がどのようなときに集中力が切れるのか、また集中していないときにはどのような仕草を見せるのかについて説明します。

馬の集中がきれる原因

私たちも生活の中で集中して作業をしていても、ふと集中が切れてしまうこと、誰かに声をかけられ切れてしまうこと、何かに驚いて切れること等がありますよね。
馬の集中力が切れてしまう・なくなる原因にはどんなものがあるのでしょうか。例えば緊張しているときは落ち着きがなくなり、集中力はありません。人間も同じですよね。普段、大勢の前で発表することがない人が、大きな舞台に立つと緊張してしまい、立っているだけで精一杯で集中することが難しくなります。
また馬は突然の大きな音や声に驚き、集中力が切れることがあります。特に馬は臆病な動物なので、驚いた拍子に体が動くくらい反応することがあります。

集中していないときの仕草

馬が集中せず、緊張したり、驚いたり、怒ったりしているとき、馬はどんな仕草をしているでしょうか。馬はそれらを耳や尻尾、目つきや鼻などを使い表現しています。
例えば、緊張して落ち着かないときには耳はパタパタ、目はキョロキョロ、鼻は大きく開き嗅ぐ仕草をします。
驚いているときは、鼻を開いてフウフウと鳴らします。
怒っているときは、目つきが険しくなります。普段の大きく優しそうな目とは対照的です。また噛みつこうともします。このような時に近づくと本当に噛まれたり、蹴られたりすることがあるため、注意が必要です。
また、気分が高揚しているときには尻尾も持ち上げています。反対に尻尾が下がり、両足の間に巻き込んでいるときには恐怖を感じているときです。

馬が集中していないと危険なのはなぜ?

【全集中できるか!?】危険回避のために知っておきたい、馬の集中力について

馬が集中していないと、乗っている人間は困ってしまいます。それは折角の騎乗時間だから効率よく練習したいという思いであったり、「馬になめられては大変!」という焦りであったりするかと思います。
しかし、そこには危険があることも知っておきましょう。馬はしっかり調教されているため、馬装され、人を乗せるときには人間の指示に従うようになっています。ところが集中力がきれてしまうとその指示が届きにくくなります。
それどころか、自分の世界に入り込み、お仕事中であることを忘れ気の赴くまま動いてしまう心配があります。乗馬や競馬に使われるサラブレットは軽種といわれていても、平均体重は470㎏です。そのような大きな馬が自由に動いてしまうと、乗っている人間にも危険が及ぶことも想像で出来るかと思います。

馬の集中力を取り戻す方法

【全集中できるか!?】危険回避のために知っておきたい、馬の集中力について

集中力が切れてしまった場合、そのままにしておくわけにはいきません。馬に集中力を取り戻してもらう方法がいくつか方法があります。また、乗馬や競馬で集中力を高めるための使われている道具もあります。それぞれを紹介します。

集中して!を伝える方法

乗馬クラブの1鞍の騎乗時間はだいたい45分になります。しかし、馬の集中時間は15分程度になります。
そのため、レッスン中はインストラクターがタイミングをみて、待機や自由常歩の時間を作り、休憩する時間を作っています。
しかし、馬によっては人間の予想以上にリラックスし、集中が切れてしまう馬、ウトウトしてしまう馬がいます。
馬がしっかり寝入ってしまった後、「起きて!」と起こしも、馬はびっくりするかもしれません。休憩時間も適度な集中が必要になりますので、馬を観察しておきましょう。

気が抜けてきたら合図

待機や常歩のとき、首が下がり脱力している・歩幅が小さい・背中も運動も小さい・違うことに集中し始めるなどの変化がでてきたら、馬の気が抜けているかもしれません。
発進の合図にならない程度の脚を使ったり、ハミをゆするなどの合図をして、人が乗っていること・レッスン中であることを思い出してもらいましょう。
「合図をしたのにまたすぐに気を抜く」と途方にくれるかもしれませんが、1回や2回の合図で上手くいく場合とそうでない場合があります。これは程度の問題なので、その状況に応じて対応しましょう。

ウトウトしている馬の起こし方

人間も眠っているときに「起きて!」と無理やり起こされるとびっくりしたり、イラっとすることがあるかと思います。「今は寝ないよ。起きて。起きた?」と優しく起こされる方がすんなりと次の行動が出来るかと思います。
ウトウトしてしまった馬も同じです。突然大きな指示を出されると驚いてしまいます。まずはハミをゆすってみる、前進させる、首を起こす、停止させるなど簡単な指示をテンポよく出します。これらの指示を受けて動くことは、馬にとっては「朝飯前」なので眠くても動くことができます。
このときの注意点は、簡単な動きでも一つ一つ指示に従って動いていることを確認することです。馬の意思ではなく人の指示で動いたことを確認してから次の指示を出しましょう。

集中力を邪魔させないグッズ

馬はもともと草食動物ということもあり肉食動物からの危険を察知するため、視野が350度と広くなっています。また、耳からの情報も重要になりますが、これらが乗馬や競馬ではデメリットとして働くことがあります。
情報を拾い過ぎるため集中力を欠きやすくなるのです。そのため、集中力を欠かせないようにするためのグッズというものもあります。代表的なものを紹介します。

ブリンカー

臆病な馬の中には視野が広がることで周囲が気になってしまい、人間の指示に従うのが難しくなる馬もいます。
そのような馬にはブリンカー(遮眼革)という馬具を使うことがあります。ブリンカーは強制的に後ろの視野を制限し、前方に集中をむけるものです。
しかし、これがすべての馬にとっていい結果になるわけではありません。馬の様子をみながらその馬に合った使い方をしましょう。

メンコ(面子)

メンコとは馬の顔を覆っているカラフルなマスクのことをいいます。よく、競馬などで見ることがあるかと思います。
耳を覆うカバーがついており、目の部分はあいています。ただ視界を狭めることを目的にブリンカーがついたものもあります。
メンコは顔に砂がかかるのを防ぐだけでなく、耳を覆うことで耳栓のような働きをします。音に敏感な馬たちにとっては効果的です。

まとめ

【全集中できるか!?】危険回避のために知っておきたい、馬の集中力について

馬の集中力は楽しく・効率よくレッスンを受けるために必要なだけでなく、安全のためにも重要になります。
馬の集中力が切れたときの仕草がみられたら、集中力を取り戻す必要があります。そのときに必要になるのが「合図」です。合図の頻度や力加減は馬やそのときの様子により異なります。まずはその馬の様子をしっかり観察し、適したタイミング・頻度・力加減で集中力を取り戻しましょう。

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