【季節に合ったお手入れを!】寒い時期の蹄(ひづめ)のお手入れ方法

そろそろ冬本番。冬場は私たちも手がカサカサになるように、馬も蹄が乾燥するようです。今回の記事では、冬場の蹄の手入れや蹄の病気について解説していきます!

馬にとって蹄とは

【季節に合ったお手入れを!】寒い時期の蹄(ひづめ)のお手入れ方法

実際に馬と触れ合ったことがない人でも、物語の挿絵や映画・イラストなどで馬の姿は良く知っていますよね。そのため私たちには無い「蹄」に対してもあまり違和感を感じたことは無いのではないでしょうか?


ですが、あらためて言われると動物の角のように固い蹄とは一体何なのか、人間で言うと足先がどうなっている状態なのか…。まずは、そこから解説していきます!

蹄=発達した爪

私たちには5本の指がありますが、馬には指が1本しかありません。イメージしやすく言うと、中指だけで立っているような感じです。


大昔は馬にも複数の指があり、徐々に退化して1本になったと言われています。その証拠に、骨格を見ると退化した指のような細い骨が2本あります。また、脚の中ほどにある夜目(よめ)は親指が退化した痕跡という説も。


ではなぜ1本になってしまったの?不便じゃないの?というのが気になる所ですが、この変化は草食動物である馬が肉食動物から逃げるための選択だったとされています。


天敵から逃げる方法はいくつか考えられますが、馬は広い平原の中でより速く走り逃げ切るという方法を選んだわけですね。そのためには、素早く動かせる脚と、強い踏み切りに耐えられる足底が必要になります。


結果として、私たちの爪は指の上半分だけを守っていますが、馬の爪はさらに幅広く、厚く固く発達。最終的に、今の蹄の形態になったようです。

蹄は第二の心臓!?

馬の蹄には、地面の衝撃から脚を守る以外にも重要な役割があります。それが、体中にしっかりと血液を巡らせるための「第二の心臓」としての仕事。


馬はとても身体が大きいため、末端まで心臓の力だけで血液を循環させようとすると心臓に大きな負担がかかります。そこで、足先にある蹄にもポンプのような役割をサポートしてもらうことで心臓の負担軽減&血行促進が可能になるわけですね。


では、どのようにして蹄が血液を循環させているかというと…とても硬い蹄ですが、実は馬の400kg以上もある体重がかかることでわずかながら伸縮します。この蹄の伸縮がポンプのように末端の血管を圧迫したり弛緩させたりするそうですよ。

乾燥する次期に起きやすい「裂蹄」とは

【季節に合ったお手入れを!】寒い時期の蹄(ひづめ)のお手入れ方法

いろいろと重要な機能を持っている蹄ですが、乾燥する時期にケアを怠ると割れてしまうことがあります。蹄が割れてしまうことを裂蹄(れってい)といいますが、どのような症状で、治すのには時間がかかるのでしょうか?

裂蹄の原因

とても強そうな蹄ですが、私たちの爪と同じく乾燥すると割れやすくなります。また、乾燥だけでなく蹄鉄に守られていない場所で小石などの硬いものを踏んでしまったり、蹄が伸びすぎたり、運動したときに自分自身の蹄同士が当たって割れてしまうことも。


上記のような場合には蹄に対してにヒビ割れることが多いですが、その他に蹄の付け根である蹄冠(ていかん)に異常が起こると一部だけ蹄に弱い層ができてしまい後々にヒビ割れてしまう場合もあります。

裂蹄はちゃんと治る?

裂蹄の治療では、それ以上ひび割れが広がらないよう対処することが治療の中心となります。その上で、蹄が伸びるのを待って裂蹄を起こした部分を削蹄できたら治療完了。


それまでは、装蹄師さんも協力のもと割れている部分にあまり圧力がかからないよう蹄鉄の位置などを調整しながら無理な運動は避け必要に応じて休養します。


もし亀裂が蹄の根元まで届いてしまった場合は、炎症や痛みを伴うことが多いので鎮痛や消炎のために薬を使用する場合もあります。

その他の蹄の病気

【季節に合ったお手入れを!】寒い時期の蹄(ひづめ)のお手入れ方法

常に馬の体重を支え、地面に降れている蹄。そのため、馬にとって大切な部位であると同時に病気やケガに見舞われやすい場所でもあります。裂蹄の他にはどのような病気があるのか、代表的なものを少し見てみましょう。

蹄葉炎

蹄の内部で炎症が起こっている状態を蹄葉炎と言います。痛めた脚の対角に発症することが多いため、他の脚をかばって過剰な負荷がかかることが主な原因と考えられます。その他にも、感染症や流産、肺炎などで全身状態が悪くなった後にも発症しやすいそうです。

蹄叉腐乱

読んで字のごとく、馬の足底にある蹄叉が腐ってしまうこと。原因としては、ボロや尿などで馬房のオガが汚れたままになっていることや、放牧場など長時間過ごすエリアの地面が常に湿っていることなどが挙げられます。

蹄球炎

蹄球(蹄球)とは、私たち人間の足で言うかかとのような場所。蹄にグッと体重がかかったときも、蹄より柔らかく弾力のある蹄球部分がクッションのように体重を受け止めます。


ですが、装蹄をしたときに蹄踵を低くし過ぎて足底の後ろ側に体重が偏ると、負担が大きすぎて蹄球が炎症を起こしてしまうことがあります。また、前脚に起きる蹄球炎は自分の後脚の蹄による傷が炎症の原因になることも多いようです。

蟻道

カビの一種である真菌や細菌により、蹄に蟻の通路のような瘻ができてしまうこと。私たち人間で言う水虫に近い感じかもしれませんね。


この病気は、目立った原因が無く発症する場合と、先ほど触れた蹄葉炎などを発症した後に二次的に発症する場合があります。

冬場の蹄のお手入れ方法

【季節に合ったお手入れを!】寒い時期の蹄(ひづめ)のお手入れ方法

普段何気なくお手入れしている蹄ですが、大切にしないとさまざまな病気のリスクが上がってしまいます。そこで、最後に冬場の蹄をどのようにお手入れすればよいか紹介しますね。

裏掘りはしっかり

これは、季節を問わず蹄のお手入れの基本!蹄に詰まっているオガ・ボロ・土などは感染症の原因になりやすいので、しっかり掻き出して馬の足裏がしっかり空気に触れるようにしておきましょう。


ただし、ガリガリやりすぎて蹄叉に傷を付けないように要注意。馬の足裏はどの部分が柔らかくてどこが硬いのか?という点は、しっかり頭に入れておきましょう。

水洗いし過ぎない

ブラシだけでは蹄が綺麗にならないときは、水で流しながら洗うこともありますよね。ただし、冬は気温が低く蹄が乾きにくいので、頻繁に洗いすぎないように気を付けてください。


頻繁に蹄がジメジメした状態になったり、逆に油分まで流されてしまった後で乾燥にさらされるなど蹄が傷む原因になることがあります。

蹄油でシッカリ保湿!

馬のひづめを美しく丈夫に保ってくれるのが蹄油。乾燥する冬は特に、適度に蹄油を塗って蹄を守ってあげましょう。


蹄油を塗る際は、事前に蹄の汚れを落とし清潔な状態にして、水洗い後の場合は蹄が濡れていないか確認してから塗ってくださいね。

まとめ

蹄は馬にとって重要な部位。そのため、ケガや管理不足から蹄や脚が病気になると馬の命にかかわることもあります。季節に合った蹄ケアをして、大切な馬たちに健康に過ごしてもらいましょう!

 

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