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【これができればレベルアップ!】馬を正しく褒める方法

あなたは褒められるのが好きですか?褒められるとちょっと照れてしまう人もいるかもしれませんが、褒められるのが嫌いな人は少数派、どちらかといえば嬉しい人が多いのではないでしょうか。

では、馬たちは褒められるとどのように感じているのでしょう。

この記事では、馬に接するうえで大切な「褒め方」についてご説明します。

馬は褒められるとどのように感じる?

【これができればレベルアップ!】馬を正しく褒める方法

そもそも、馬は褒められるとどのように感じるのでしょうか。それを理解するには、馬の初期調教をどのように行なっているかを知ると良いのかもしれません。

人を乗せる調教は「ブレーキング」(breaking、騎乗馴致)から始まります。
ブレーキングとは人に従って止まることではなく、馬同士のルールを壊し(break)、人と馬の約束事を教えるという意味です。

ここで大切なのは、力や恐怖で馬を無理矢理押さえ込むのではなく、馬が自発的に人の指示に従いたいと感じさせること。そのためには「人の指示に従うとうれしいことがある」と馬が考える必要があります。

ブレーキングでは、馬が指示に従ったら即座に楽な状態にしたり言葉を掛けたり首をポンポンと愛撫。
最初は分からなくても、これを毎日繰り返していくことで「人の指示に従うと楽になったり、何となくうれしいことをしてもらえる」と理解するようになります。

それまでは子馬同士で自由に放牧場を駆け回っていた馬たち。
ブレーキングを経て、人に従ってじっとしていることや歩いたり走ったりすること、やがて人を背中に乗せることを学んでいきます。

褒めることはなぜ大切なのか

【これができればレベルアップ!】馬を正しく褒める方法

では、初期調教を終えた馬たちは褒めなくても良いのでしょうか。

答えはきっとお分かりですよね。
体が大きく力が強い馬たちと人が安全に楽しく接するためには、馬が人の指示に従うのは守らなければならない約束。その確認は毎日、馬の生涯を通して続きます。

レベルの高い運動をするために調教を積み重ねる馬も、初心者が安心して乗れる馬も、運動から引退して悠々自適の生活を送る馬でも、人と暮らす限りは約束を守っていく必要があります。

約束に従ったら褒めることで、馬は自分の反応が正しかったことを確認し、人の指示に従うことに喜びを感じるようになっていきます。

馬を褒める方法

【これができればレベルアップ!】馬を正しく褒める方法

楽にする

脚で圧迫した時に馬が従ったら圧迫を止める、拳で手綱を控えた時に馬が従ったら拳を譲るなど、馬が楽な状態にするだけでも褒めることになります。

大切なのはメリハリ。
馬に乗り始めたばかりの時は体を安定させるので精一杯かもしれませんが、慣れてきたら明確な扶助を出せるようになっていきます。
そうなれば馬も扶助を出されている時と楽にされた時をはっきりと理解できるようになりますよ。

声を掛ける

運動の途中で手綱を緩められない時、声を掛けることで馬に「これでいいよ」と伝えることができます。

人にもよるかもしれませんが、ニュージランドで馬に乗った時、スタッフが乗り運動をしながら「Good boy!!」と大きな声で馬を褒める場面を良く見ました。その人とその馬の間の約束事ですので、馬が褒められていると理解できることが大切です。

首をポンポンと愛撫

初めて馬に接した時に教わる方法ではないでしょうか。
レッスンの最後、馬から降りる前に愛撫することも多いかもしれません。「お疲れ様、ありがとう」の思いを込めて褒めてあげましょう。

褒める時に気をつけること

【これができればレベルアップ!】馬を正しく褒める方法

タイミング

人であれば、しばらく時間が経ってからでも「あの時にこうしたのはすごく良かった」と言葉で説明して褒めることもできますが、やはりすぐに褒めた方が効果が高いそうです。これはすぐに褒めると、褒められたこととその原因となった行動が強く結びつくため、記憶に残りやすいから。

馬はすぐに褒めないと、何を褒められているのか理解することができません。
人の指示→馬の正しい反応→褒める、と間髪入れずに褒めてあげるようにしましょう。

一貫性

例えば、脚で馬のお腹を圧迫し、馬がその指示に従って動いた時に、圧迫を止めたり止めなかったりすると、馬はどのように反応すべきか分からなくなってしまいます。

人と馬の約束事はなるべくシンプルに、そして一貫性をもたせるようにしましょう。

馬の反応を見逃さない

特に高度な要求を馬にする場合、最初から完璧な反応をすることはできません。

大切なのは、馬が人の要求に少しでも応じようとしているのを見逃さないこと。
すかさず褒めて、段階を踏みながら目標とする動きを目指しましょう。

運動内容や馬の状態によっては、時間がかかる場合もあります。馬の心身に負担をかけ過ぎないよう、冷静に観察・判断してあげましょうね。

まとめ

馬が人の指示に従ったら褒める。とてもシンプルなことですが、馬の反応を正しく見極め、タイミングを逃さずに一貫性をもって褒めることは難しいことでもあります。

馬の反応や感情を敏感に感じ取れるよう、馬に乗っている時も、乗っていない時も、一緒にいる時間を大切にすれば、きっと上手に褒めることができるようになりますよ。

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