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【効果はバツグン】調馬索を上手に使って人も馬もレベルアップ

馬に乗り始めたばかりの時にお世話になることが多い調馬索レッスン。
乗っている人が何もしなくても、中央で調馬索を持っている人の声や動作に馬が従うことにびっくりしませんでしたか?

調馬索は人が乗る時にも使いますが、最もよく使われるのは馬の調教や調整のため。

この記事では、調馬索の使い方やメリット・デメリット、注意点についてご説明します。

調馬索とは?

【効果はバツグン】調馬索を上手に使って人も馬もレベルアップ

調馬索とは片端にナス環などの金具、もう片端が輪になっている長いロープ状の馬具。

人が中央に立ち、馬に輪線運動をさせる時に使います。

丈夫で持ちやすく軽量、濡れてもゴワゴワしない素材のものを選びましょう。

調馬索の使い方

【効果はバツグン】調馬索を上手に使って人も馬もレベルアップ

準備

馬が跳ねたり走ったりする可能性がありますので、プロテクターやワンコなどを装着して肢を保護しましょう。

水勒かカブソン頭絡(調馬索を行う時に使う馬具)を馬に装着し、水勒の手綱は外すかコンパクトにまとめて運動中に垂れ下がったり引っ掛かったりしないようにしておきます。

人は手袋をはめ、追い鞭とご褒美のニンジンなどを持ちます。

水勒を使う場合は内方のハミ環に調馬索を通し、馬の頭の上から外方のハミ環に調馬索のナス環を付けます。カブソン頭絡を使う場合は頭絡の環にナス環を装着します。

馬の状態や調馬索の目的によっては、上腹帯とサイドレーン、ペソアシステムなどの補助具を使う場合もありますが、使い方を誤ると馬に悪い影響があるだけではなく、転倒などの危険もあります。補助具は熟練者の指導の元で使うようにしましょう。

運動

人は中央に立ち、左手前の場合は左手で調馬索を操作します。調馬索の余った部分はきれいに束ねて右手で持ち、必要に応じて追い鞭も持ちます。

馬が活発に運動するよう声や舌鼓で指示し、前進気勢が足らない場合は追い鞭を使います。

馬の状態を見ながら、運動の手前はなるべく頻繁に変えるようにしましょう。

調馬索のメリットとデメリット

【効果はバツグン】調馬索を上手に使って人も馬もレベルアップ

メリット

馬の心身をほぐす:人が騎乗した状態で運動するのは、物理的にも心理的にも馬に一定の負荷がかかります。調馬索で背中を十分に使って運動すると、筋肉や関節をストレッチすることができ、馬の気持ちもリラックス。心身がほぐれてから乗ると人も馬も楽です。

人馬間の関係性を築くことができる:脚や坐骨での扶助を使わず、離れた場所から人が指示し、馬がそれに従うようになると、お互いの信頼感を高めることができます。

客観的に馬の状態を確認することができる:馬を客観的に見ることで、乗っている状態では感じなかった小さな異常に気付く場合もあります。

鞍傷などで人が乗れない時にも運動できる:大前提として、まず鞍傷や拍車傷などができないよう注意しなければなりません。それでもできてしまった場合、人が乗れない時でも運動が可能なので、体をほぐしたり、血行促進して蹄や消化器を健康な状態に保つことができます。

前進気勢、歩様の改善:人が乗っていると活発に動かなかったり、ストライドが小さくなったりする場合に、調馬索で自由に体を使って運動することで改善されることも。人が乗ると戻ってしまう場合は、背中の痛みや装鞍の不具合なども考えられますので、原因を取り除いてあげましょう。

馬の張りを取る:元気が有り余っていると、目に入るものや音などに過剰に反応してしまうことも。調馬索で発散させてあげれば、馬が運動に集中し、人は安全に乗ることができるようになります。

デメリット

コントロールが効かなくなる可能性:馬の調教の進み具合や、人と馬との関係性によっては、馬が走ったり跳ねたりしてコントロールが効かなくなってしまう場合もあります。馬が興奮しても、人は冷静に、静かに声をかけて馬を落ち着かせましょう。 

体に負担:馬が落ち着いて運動できず、走ってしまうと四肢や後躯に負担がかかって故障の原因となることも。四肢の故障がある場合は調馬索は行わず、引き馬ができる状況であれば引き馬をしましょう。

調馬索を使うときに気を付けること

【効果はバツグン】調馬索を上手に使って人も馬もレベルアップ

手前が偏らないよう注意:時計などを確認しながら、左右の手前が偏らないようにしましょう。手前を均等に変えながら馬の動きを良く確認します。

調馬索を離さない:調馬索を離してしまうと、馬は引きずった調馬索を怖がって止まらなくなってしまいます。手が滑らないよう、また怪我をしないように必ず手袋をしておきましょう。

調馬索が腕や指に巻き付かないようにする:腕や指に調馬索が巻きついた状態で馬に走られると人が骨折する危険性があります。余った部分はきれいにまとめ、輪の中に腕や指を入れずに持ちましょう。

にんじんなどのご褒美は多めに:馬が人の指示に従って停止したらタイミング良くあげたいご褒美。途中で足りなくならないよう、食べやすく切ったにんじんなどを多めに持っておきましょう。

馬場の状態を確認して安全な場所で行う:通常の運動と同様ですが、滑りやすい水溜りなどがない場所で運動するようにしましょう。

慣れていない馬は丸馬場など、危険がなく囲われた場所で行う:人と馬の関係性が十分にできていない場合は、丸馬場など囲われた場所で運動するようにしましょう。丸馬場の埒に馬が怪我をするような破損がないこともチェック。

まとめ

初心者の時に自分で調馬索運動を行うことはないと思いますが、中級者以上になると馬の調整のために頼まれることもあるかもしれません。また、自馬を持っている方は、より頻繁に使う機会があるかもしれませんね。

適切に実施できれば人馬ともに効果が高い調馬索。
調馬索の達人を目指し、熟練者の指導を受けながら鍛錬しましょうね。

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