馬を調教する時の上手な叱り方やコツを掴もう

馬を調教すると聞くと「難しそう」と思う人も多いのではないでしょうか?しかし、馬の調教は決して専門職の仕事というわけではありません。この記事では、馬を調教するときのコツや、上手な叱り方について解説していきます。

主従関係をハッキリさせる

初心者に調教は関係ない?

調教をするには、まず馬が調教者との主従関係を理解していることが大切です。と言っても、乗馬を始めたばかりだと「調教はベテランの人がやるもの」というイメージがあると思います。


たしかに、競馬から転向してきた馬を乗馬用にしたり、調馬索を使って馬を調教したり…というのはなかなか初心者にできることではありません。しかし、馬に接する場面は全てが“広義の調教”とも言えます。


例えば、恐怖心や迷いのある接し方をすれば馬が人に対してあしらうような態度反抗的な行動をすることがあります。初心者の人は、乗ろうとするとわざと動く馬や扶助に苛立ち反抗する馬に困らされた経験があるかもしれませんね。


こうした場面では、馬が「この人は従って大丈夫?自分より上の立場?」と確かめようとしている可能性があります。もし馬の行動に流されてしまうと、その馬は「この人(初心者)には勝手をしても許される」と覚えてしまうかもしれません。


そうならないように落ち着いて、勝手な行動を一旦停止させるなどの対応をしましょう。そうすることが、自分だけでなく次に乗る初心者のためにもなりますね。

調教は叱るだけではダメ

馬が人に危害を加えたり勝手な行動を起こしたら、馬が「いけないことをした」と理解できるように叱ることが大切です。


ただし、馬の危険な行動は強い危機感や、脅えなどによって引き起こされている場合もあります。状況や性格なども考えながら、叱るべきか落ち着かせるべきか判断することが求められますね。


また、主従関係を意識させるためには叱るだけでなく、正しい行動ができたら褒めることも忘れずに!誤った行動を抑えるだけでなく、正しい動作をしたり何かを達成できたときにはしっかり褒めてあげましょう。

身の回りのお世話をして信頼を得る

馬は知能が高く、また人と生活してきた歴史も長い動物です。そのため「この人に従うと自分にとって安全だし快適だな」と理解すれば素直になってくれます。調教や騎乗以外の場面でも馬の信頼を得られる接し方を心がけましょう。


特に、馬の身の回りの世話をするときは信頼獲得のチャンスです。もちろん、人を噛むなど悪い癖が出たときは世話中でも叱る必要がありますが、それ以外は馬が安全で快適だと感じられるように意識してみてください。


馬に触れたり声を掛けたりして馬に安心感を与えるのも良いですし、馬が驚くような行為をしないことも大切ですね。


馬の性格を知る

性格を知るメリット

乗馬というスポーツの最大の特徴は、もちろん馬と力を合わせて技術を磨いていくことですよね。相手が生き物だからこそ、その性格を知ることは調教や乗馬技術の上達につながります。同じ乗馬クラブにいても、馬の生い立ち性格は千差万別。まずは、一頭一頭をよく知っていくことが大切です。


特に馬の行動や癖、恐怖を感じやすい状況や苦手な歩様などは普段からよく観察しておきましょう。そうすることで、いざ馬が急な行動をとったり反抗したりといった場合にも「なぜそのような行動に走ったのか」が推測しやすくなります。


例えば、馬がわがままでなく恐怖心から特定の場所を避けたがる場合は、叱って無理に通らせるのは逆効果です。人間が先に歩くことで安全であることを伝えながら手綱を引いて通らせるなど、馬の恐怖心が和らぐ方法で慣らしていきましょう。

集中力の見極め


性格だけでなく集中力の持続時間や、注意が逸れやすい環境も馬によって異なります。馬の集中がとぎれると指示に対しての反応が鈍くなり、教えようとしていることがなかなかできないという状況に陥りがちです。


そうなると、当然馬に対して叱ったり行動を修正したりといった場面も増えてきます。「もし自分だったら、もう疲れているのにできないことを叱られてばかりいたらどう感じるかな?」と考えてみてください。


馬ごとの集中力や能力に合わせた調教時間調教内容を見極めることも、調教をうまく進めていくためには大切なことです。詰め込むことよりも、まずは1個ずつ馬にとって「今日はうまくできた」という経験を増やしていく意識を持ちましょう。

大きな声で叱るのは逆効果

叱るときのポイント


ここまでの話でも「叱る」「ほめる」という言葉が何度か出てきましたが、実際に叱るときはどのように叱ればいいのでしょうか?


まず、どんな状況でも大切なのは、人間が冷静でいることです。「思い通りにならない馬に対して怒る」のではなく、望ましくない行動のあとに「叱ることで馬に“いけないことだった”と伝える」という考え方が大切です。


たしかに、馬が急な行動を取ると人間側にも恐怖心や焦りが生まれるので、最初は「感情的にならない」というのがなかなか難しいかもしれません。ですが、大声や甲高い声は馬を興奮させてしまうのでNG。声で叱るときには、落ち着いた低めの声になるよう心がけましょう。

声以外での叱り方

また、行動で示す場合には、行ってはいけない方向/望ましくない行動を制するように手綱を引いてください。曳き馬の場合は、無口頭絡に付けたロープで同様に指示を伝えます。


さらに、騎乗中であれば馬にとってストレスのある“後退”“小さな巻乗り”を敢えてさせるのも効果的です。いったん静止して少し落ち着かせたら、馬が興奮し過ぎないようにゆっくりと手綱を短くしながら後退や巻乗りをさせます。


声で叱る場合も行動で叱る場合も、大切なのは興奮させすぎたり脅えさせたりしないこと。馬も人間と同じで、叱られたこと自体に過度のストレスを感じると「何がいけなかったのか」を自分で考える余裕がなくなってしまいます。


馬は自分で考えたり判断する力を持っているので、その“頭の良さ”をうまく生かした調教ができると、馬も人間もストレスが減って調教がスムーズに進むはずです。

まとめ

馬の調教というと難しそうに感じますが、調教の基本は馬との信頼関係を築いていくことです。叱る/褒めるを適切なタイミングで行うためには、日頃から一頭一頭を観察して性格や癖などを把握しておきましょう。馬の集中力や能力に合った調教内容や練習量を見極めることも大切です。

 

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