乗馬の危険性を知ることで安全性を高める

乗馬をしているときに「危ない!」と思った経験はありませんか?危険な場面や行動をあらかじめ知るとは、対策を考える上でも大切です。この記事では、注意すべきポイントや安全対策などについて解説していきます。

落馬の危険から身を守るボディプロテクターやヘルメットについて

落ちないに越したことはありませんが、レッスンを進めていく中で落馬を経験する人は多いものです。最初は、そんなときに役立つグッズについて簡単に紹介します。

ボディプロテクターについて

ボディプロテクターは、体幹部に加わった衝撃を緩和してくれる安全対策グッズです。ベストのような形状の商品が多く、低反発素材を使用したものやエアバッグ式のものなどがあります。エアバッグ式は、プロテクターから出ている紐(安全装置)を鞍に付けて、落馬したときにエアバッグが膨らむという仕組みです。


衝撃吸収力は低反発素材よりエアバッグ式が優れていますが、乗馬での事故は落馬だけとは限りません。もし厩務や調教をする機会がある場合は、低反発素材のプロテクターを着用しておくのも良いかもしれませんね。事故は、普段やっていることの中で突然起きるもの。万が一に備えて、日頃からボディプロテクターをつけておけば安心です。

ヘルメットは必ず着用を!

乗馬クラブで見かけるアラブ馬やサラブレッドは体高(地面から馬の肩まで)が150cm前後なので、騎乗した人間の頭は地面から2mくらいの高さになります。この高さから、バランスを崩した状態で落ちたらケガをする可能性が高いですよね。


「馬場には砂が敷き詰められているから落ちても平気」と感じるかもしれませんが、障害のそばで落馬すれば横木や支柱にぶつかってしまう可能性もあります。さらに外乗で事故が起きれば、下はアスファルトや石かもしれません。


このように、落馬は場所や落ち方によってはかなり危険!ですが、特に乗馬経験が長くなってくるとヘルメットを着用せずに騎乗している人も見かけます。たしかに「暑い季節は、蒸れるし髪型も崩れるからかぶりたくない…」という気持ちも分かりますが、頭部のケガは命にかかわる場合も。


騎乗時のヘルメット着用を“義務”としている乗馬クラブが多いと思うので、しっかりと決まりを守って安全に乗馬を楽しみましょう。もし着用が必須と言われていなくても、着用することをおすすめします。

NG行為をしっかり勉強しておく

事故は思いもよらぬ場面で起きると思われがちですが、原因が明らかな場合もあります。そうした事故を避けるために、乗馬をするうえでの“NG行為”を覚えておきましょう!

馬が驚く行動をしない

馬は警戒心が強く、とても驚きやすい動物です。例えば、自分の影、風による物音など、普段から感じている刺激に驚いて飛び退くことも珍しくありません。また、人間の行動や声などに驚いて馬が急な動作をすることもあります。具体的には、大声・馬の目の前で両手を大きく広げるような動作・後ろから急に触れることなどは避けるべきでしょう。


また、馬好きならば馬たちのいろんな姿を写真に収めたくなるのはもちろんですが、撮る際にフラッシュをたくのはNGです。馬が驚くと、騎乗中の落馬だけでなく蹴られたり周囲の人を巻き込む事故、さらには馬自身がケガをしてしまう可能性もあります。


自然からの刺激は避けようがありませんが、人間が原因となる事故は1人ひとりの注意で避けることができるはず。注意すべき行動や馬の性格を知ることが馬や自分自身を守ることにつながります。

スタッフの指示には従う

先ほど紹介した「馬が驚く行為」について、乗馬クラブのスタッフが注意したり前もって教えてくれることもあります。それ以外にも、騎乗中や厩務中に「その方法だと危険なのでこうした方がいいですよ」など指摘される場面があるかもしれません。


また、体験乗馬や入会のタイミングで「体調不良や疾患がある場合は騎乗をお断りする場合があります」などの規約について説明を受けた人もいるのではないでしょうか?そうした乗馬クラブとの約束事やスタッフの指摘は、馬と会員の安全を守るためのものなので必ず守りましょう。


指摘や規約の内容に疑問があれば理由をくわしく聞いてみるのは、もちろん悪いことではありません。しかし「これくらいなら」と自己判断で無視するのは絶対に避けてくださいね。

手綱に頼りすぎはNG?

これまでの2項目とは違って“絶対に避けるべき”というほどの禁忌ではありませんが、初心者のうちから“手綱に頼りすぎない”ことを意識してみると危険な場面を減らせる可能性があります。


手綱の本来の役割は、人間の出す扶助を馬に伝えることです。頭ではそうわかっているはずなのですが、乗馬を始めてしばらくは無意識に手綱に頼ってしまいがち。特に、初めての駈歩や障害飛越の練習が始まったときなどは緊張や恐怖心が強まるものですよね。


そうなると下半身を安定させることにまで気が回らず、恐怖心から後傾姿勢になり、手綱につかまることで身体を支えようとする人が少なくありません。同時に、拳の位置が高くなってしまうという人もいます。たしかに、後ろに傾いた身体を支えるなら高い位置につかまりたくなるのはよく分かります。


ところが、これは馬から見れば必要以上に強く手綱を引かれている状態。動きを妨害されて、苛立ちや混乱を感じているかもしれません。また、人間にとっても拳が上がってしまうと重心も高くなり、安定感のない姿勢になってしまいます。


安定した騎乗と馬のストレス軽減のためにも拳の高さは自分の骨盤くらいになるように心がけましょう。

馬は人を踏まない?

最後に「馬は人を踏まない」と言われるけれど、これって本当なの?という疑問にお答えします。


実際、馬が地面に落ちている障害物を踏むことは稀です。しかし、これは馬が落ち着いた状態で、避ける余裕がある場合の話です。そのため、驚いて急に走り出した時や、騎乗していた人間がバランスを崩して振り落とされた瞬間などはこの限りではありません。また、落馬して踏まれるのではなく「厩舎や洗い場で馬に足を踏まれた」という人は意外と多いのではないでしょうか?


後者に関しては馬の動線上に足を出していた人間のせい…とも言えますが、いずれにしろ馬は人間を“敢えて”踏むことはほぼないという言い方が正解に近いと思います。落馬でのケガ対策には、前半でお話ししたボディプロテクターやヘルメット。そして、足を守るグッズとしては安全靴のようにつま先部分に金属が入ったブーツもあるので気になった方は探してみてくださいね。

まとめ

馬は身体の大きな動物なので、少しのキッカケが思わぬ事故につながることもあります。怖がり過ぎる必要はありませんが、避けるべき行為や危険性は常に意識しましょう。加えて、安全対策グッズを活用すると大ケガのリスクはかなり下げられるはずですよ。

 

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