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お盆の時期に大活躍する馬、「精霊馬」って知ってる?

季節は夏に入りました。暑い毎日ですが、夏と言えば長いお休みが待っています。学生は夏休みがスタートしているのではないでしょうか。社会人の人は順番に長期休暇を取るという会社もあるかもしれませんが、多くの一般企業が設けているのがお盆休みでしょう。

ご先祖様がいる家庭では、お盆の準備を行うかもしれませんが、自分にとって身近なご先祖様がいないという家庭では、自分の手でお盆の準備をしたことが無いかもしれません。

お盆にも馬が関わっているのをご存じですか?お盆飾りの一つに「精霊馬」というものがあります。今回はお盆に欠かせない馬「精霊馬」について解説していきます。

「精霊馬」って何?

お盆の時期に大活躍する馬、「精霊馬」って知ってる?

「精霊馬」と聞いてすぐに思い浮かべることができる人はどれくらいいるでしょうか。「精霊馬」は、「しょうりょううま」と読みます。中には読み方に迷った人や間違えて読んでいた人もいることでしょう。「精霊馬」とは、お盆飾りの一つです。

お盆は亡くなった人の魂が、あの世から家族のもとに帰って来て、お盆の期間家族と共に過ごす期間を指します。地域によってお盆の日にちは変わってきますが、多くの地域が8月13日~8月16日の4日間をお盆とし、13日にご先祖様をお迎えし16日にあの世に送り出すのが一般的な流れになります。

このお盆に飾りとして使われるのが「精霊馬」ですが、ご先祖様が家族のもとに帰ってくる際または、あの世に戻る際に乗り物として使われるのが「精霊馬」なのです。「精霊馬」は夏の野菜である、きゅうりとなすを使って作られます。

なぜ馬なの?

お盆の時期に大活躍する馬、「精霊馬」って知ってる?

ご先祖様が帰ってくる際には、キュウリの馬に乗って帰ってきます。なぜ馬が選ばれたのか、それは馬が人を乗せるのに適した動物であるからです。また馬は足が速いことから、いち早く家族のもとに戻ってこれるよう願いが込められています。

あの世に戻る際には逆にゆっくりと帰ってほしいという願いを込め、牛に見立てたナスを使用します。また牛はたくさんの荷物を運ぶことができるので、お供えを持って行くことができるようにという意味もあるようです。

多くの家庭がキュウリやナスを使用して作られますが、藁で作られた「精霊馬」が販売されていることもあります。

「精霊馬」を飾る時期と飾り方

お盆の時期に大活躍する馬、「精霊馬」って知ってる?

お盆のやり方は地域によって違いがあるので、一概にこのやり方が正解とは言えませんが、一般的にはご先祖様をお迎えする「迎え盆」の際に飾られることが多いようです。

「精霊馬」の飾り方は、お盆の飾りつけをする際に組まれる精霊棚の向かって右側に位置し、迎え盆の際には馬の頭を内側に向けおきます。ご先祖様が馬に乗り家に向かい入るイメージと言えるでしょう。逆に送り盆の時には、ナスで作った牛を外向きに飾り、ご先祖様が牛に乗ってあの世に戻ることを表します。

地域によっては玄関に飾る地域、馬は西向き牛は東向きに飾るという所もあります。皆さんの住む地域ではどのように飾られるか確認してみましょう。

「精霊馬」の作り方と処分の仕方

お盆の時期に大活躍する馬、「精霊馬」って知ってる?

ここでは「精霊馬」の作り方と処分について紹介します。

「精霊馬」の作り方

「精霊馬」を作るのに必要な材料は、先ほどから何度も出てきていますが、「キュウリ」と「ナス」脚に見立てるための割りばしになります。まっすぐのものよりも少し反っている物を用意すると、より動物に見え、良いでしょう。

まず割りばしをキュウリとナスの大きさに合わせ、脚用に短く切ります。馬と牛を同じ長さで用意しても良いですが、馬の方が足が長くするとよりリアルです。四つ足で立つように、割りばしをキュウリとナスに刺し、バランスよく立つように調整して完成です。

これは一般的に作られる「精霊馬」ですが、今アレンジを楽しみながらご先祖様をお迎えしている人が増えています。キュウリとナスではなく、家庭菜園で取れた別の野菜を使用する、車に見立てた野菜でお迎えするなど、ユニークな飾りで明るくご先祖様をお迎えしているようです。

昔からのやり方を正確に続けることももちろん大切ですが、何よりも大切なのはご先祖様を向かい入れる気持ちといえます。面倒だからやらない・やる意味が分からないからやらない、という気持ちになってしまうのであれば、少しでも楽しみながら続けていけるということが大切です。

処分の仕方

お盆が終わって疑問に感じるのが、「精霊馬」として使用したキュウリとナスはどのように処分すべきなのかということです。食べ物をそのまま捨てるのは抵抗がある人もいるのではないでしょうか。

食べ供養という言葉もあるので、もったいないので食べてしまおうと考える人もいるかもしれませんが、それは間違った処分法です。ご先祖様を乗せ行き来してくれた馬と牛です。正しい方法で処分すべきなのです。

昔は精霊馬を処分する際には、庭で燃やしたり川に流して供養していました。しかし時代が変わった今、同じ供養をすることはできません。ご先祖様を無事に送り届けてもらった感謝の気持ちを込め、塩で清め半紙や新聞などのくるみ捨てましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は馬の話題でもご先祖様が乗る「精霊馬」について解説していきました。馬は人を乗せるのに長けた動物です。それは今も昔も変わらないことです。だからこそ大切なご先祖様を乗せる乗り物として馬が選ばれているのでしょう。

これからお盆を迎えます。ご先祖様を迎えるという人も、そうでない人も日本の昔から受け続けている風習にふれてみてはいかがでしょうか。

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