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馬の健康チェックのやり方と馬の病気について

私たち人間同様に、馬も体調不良や病気の予防のために、健康管理をしてあげる必要があります。
むしろ、痛い・寒い・眠れない、などを言葉にして伝えることのできない馬の方こそ、
人間以上に注意深く健康管理をしてあげる必要があるかもしれません。
専門的なことは獣医さんにお任せするしかありませんが、馬のお世話をしながら
コミュニケーションをとる中で、馬の何気ない仕草から疾患や病気に気付いてあげられるように、
基本的なことを知っておきましょう。

馬たちが健康であるかどうかをチェックする材料として基本的なもの

馬の健康チェックのやり方と馬の病気について

体温

成馬の場合は、平熱;37.5~38.0℃(微熱は38.9℃、中熱は40℃、高熱は40℃以上を言う)。
幼駒の場合はやや高めであることを知っておきましょう。
※朝はやや低め、夕方はやや高めなので、朝と夕方の2回の計測が望ましいです。

心拍数

幼駒:80~120回/1分。当才;60~80回/1分。1歳;40~60回/1分。
成馬:28~40回/1分。
※脈拍は静止している時に計測しましょう。

呼吸数

静止時の成馬の呼吸数は8~16回/1分です。
※鼻孔の動き(時には肋骨・胸部の動き)で計測することが良いでしょう。
※感染病などの時は呼吸数が増えることになります。

他にチェックしておきたいことは?

馬の健康チェックのやり方と馬の病気について

食事の量が減ったりお水を飲む量が減った場合は、体調不良が考えられます。
また、食事中に片方の歯だけを使って食べているときは、歯や口腔内に問題をかかえているかもしれません。
この辺りは人間と同様ですね。
さらに毛替わり時期(換毛・かんもう)になっても被毛がモサモサして毛艶が悪い場合は、
栄養失調や寄生虫の濃厚寄生などを疑います。
あとは、尿や糞便から健康状態をチェックします。健康な馬は一日3~8.5リットルの
やや白濁した尿を出しますが、血尿、黄色の尿が出た時は、病気の疑いがあります。
糞便は一日15~25キロ。馬房の掃除のときに、糞便内に寄生虫や出血、膿などがないか、
あるいは軟便・硬便や下痢便など状態をチェックしましょう。

馬もインフルエンザにかかるんです!

馬の健康チェックのやり方と馬の病気について

人間がインフルエンザになることは周知の事実として知れ渡っていますが、
実は馬もインフルエンザにかかるんです。
馬インフルエンザとは、ウイルス感染によって起こる非常に伝染力の強い急性の呼吸器感染症です。
人間のインフルエンザと同じような感じですね。
この馬インフルエンザ、2007年には競走馬で突発的な大流行が起こってしまい、
競馬開催が中止されるほどの事態となってしまいました。
馬インフルエンザウイルスに感染すると、発熱、鼻漏、咳などの症状がみられます。
ほとんどは自然に治るので馬インフルエンザで死に至ることことはまれですが、
日頃から健康チェックをしてあげることで、早期発見ができそうですね。
さらに、馬インフルエンザワクチンが存在し、感染予防と症状の軽減に有効だということが分かっています。
そのため、JRA施設内に入厩するすべての馬は、このワクチンの接種を済ませておく必要があるそうです。

まとめ

人間を含め、どんな生き物でも必ず体調を損ねることがあり、体力的に優れた馬であっても、
当然その心配があります。
そのため、馬の体調や病気の有無を知るためには、日頃のお世話やコミュニケーションの中から、
その馬の健康な状態の時の仕草や癖などを知っておくことがとても大切です。
もし、いつもの仕草や癖を現わさない場合は、健康状態に異変のあることが考えられるので、
異常・病気を早期に知る手がかりとなるでしょう。
なお、馬の病気の治療は獣医師法によって獣医師のみが行うことが出来る行為なので、
体調不良や病気の疑いがある場合は、獣医師や馬管理者に早急にお知らせしてください。

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