【意外なものがあるかも?】馬が食べられるものと食べられないもの
乗馬のレッスン後に馬が楽しみにしていることと言えば、何といってもご褒美のおやつですね。皆さんはどんなおやつを持参していますか?ニンジンやリンゴ、黒糖などを与えることが多いのですが、季節ごとに色々なおやつを持って来られる方もいます。しかし馬に与えてはいけない食べ物があるのですが、その中には意外と知られていないものもあります。
今回は馬に与えても良い食べ物と、与えてはいけない食べ物についてまとめました。
馬が食べられるもの
馬に与えても良い食べ物は結構沢山ありますので、いくつかご紹介しましょう。
馬に与えても良い食べ物①:野菜類
まず野菜で与えて良いものは、
ニンジン、セロリ、レタス、エンドウマメ、サツマイモ、カボチャです。
馬のおやつと言えばニンジンが一番でしょう。乗馬クラブの馬はニンジンが大好きですが、実はすべての馬がニンジンを好むわけではありません。
競走馬はニンジンを日常的には与えられていません。そのため競走馬を引退してすぐに乗馬クラブへやってきた馬の中には、ニンジンを食べたことがないために与えても食べない馬もいます。とはいえ馬は甘いものが大好きなので、一度ニンジンの甘さを覚えてしまえばすぐに好んで食べるようになります。
他にもサツマイモやカボチャは野菜の中でも甘いため、好んで食べる馬が多いです。
馬に与えても良い食べ物②:果物類
次に果物で与えても良い食べ物は、
りんご、バナナ、メロン、スイカ、ぶどう、オレンジやミカンなどの柑橘類、パイナップル、イチゴ、
ブルーベリー、ラズベリー、洋梨、マンゴー、桃、アプリコット、プルーンです。
基本的に馬は甘いものが大好きです。果物には果糖が多く含まれており、馬はとても美味しいと感じます。そのため与えると際限なく食べたがるので、食べ過ぎには注意が必要です。特に蹄葉炎を起こしている馬に糖分を与えると悪化する可能性があり危険です。
馬に与えても良い食べ物③:その他
馬に与えても良い食べ物で、上記以外におやつとして与えられる食べ物として、
ペパーミント、黒糖、角砂糖があります。
馬は甘いものが好きなので、もちろん砂糖は大好きです。
ペパーミントは意外かもしれませんが、日本の競馬界を変えたと言われる稀代の名種牡馬、サンデーサイレンスがペパーミントキャンディー好きだったことは有名な話しです。
馬が食べられないもの
それでは、馬に与えてはいけない食べ物についてもご紹介しましょう。
馬に与えてはいけない食べ物①:野菜類
野菜類では、
キャベツ、ホウレンソウ、ブロッコリー、カリフラワー、コマツナ、ケール、ダイコン、ネギ類、ニンニク、タマネギ、トマト、ナス、ビーツ、アボカド、アスパラガスです。
まれにキャベツを与えている人がいるようですが、大量に与えるととても危険です。キャベツだけでなく、ブロッコリーやケール、ダイコンなどのアブラナ科の植物を食べると、腸にガスが発生して疝痛の原因になります。馬の体質によっては、少量でもすぐに疝痛を引き起こす可能性もありますので注意しましょう。
また、トマトやナスなどナス科の野菜に含まれるアルカロイドも、下痢や疝痛を引き起こす成分なので与えないほうが良いでしょう。
馬に与えてはいけない食べ物②:その他
野菜以外で馬に与えてはいけないものは、
チョコレート、パン(小麦)です。
チョコレートにもアルカロイドの一種であるテオブロミンが含まれています。テオブロミンは、馬術競技会において禁止されている薬物のひとつなので、厳重な注意が必要です。また、小麦も疝痛を引き起こす原因となるので与えない方が良いでしょう。
おやつを与えるときの注意点
馬におやつをあげる際には、いくつか注意点があります。
注意点①:おやつの大きさや形に注意!
馬は比較的硬い食べ物でも噛み砕いて食べることができます。しかし、リンゴなど丸いもの、大きな種や硬い芯などは噛まずに飲み込んでしまい喉に詰まらせてしまうことがあるので注意が必要です。
ある乗馬クラブでは、会員さんが馬に人参を輪切りにして与えたところ、喉に詰まらせてしまい馬が亡くなる事故があったそうです。
このような事故を防ぐためにも、噛みやすく喉に詰まらせないような大きさ、形に切ってから馬に与えて下さい。
注意点②:与え過ぎに注意!
馬がおやつを欲しがっておねだりし続けることがありますが、おやつを与え過ぎるのも良くありません。馬の体調によっては、疝痛を引き起こしてしまう場合があります。
馬が喜んで食べる姿は可愛らしいものですが、おやつは馬にとっての主食ではありません。与えすぎには十分に注意しましょう。
注意点③:噛まれないように注意!
おやつが大好きな馬は、早く食べたくて勢いよく向かってくることがあります。その勢いに圧倒されてしまいがちですが、馬のペースに飲まれないように気を付けてください。
おやつを与える際には噛まれないように気をつけ、手のひらに乗せた状態で与えて下さい。スティック状に切ったおやつは下の方を持って与えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ほとんどの乗馬クラブでは馬の健康維持のために、餌の種類や量を馬ごとに変えています。騎乗後のご褒美としておやつを与えることはOKでも、与えるおやつの種類や量については十分な配慮が必要です。わからないことがあれば、与える前にインストラクターに尋ねてみて下さいね。