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【乗馬経験をいかせる仕事】調教師について

競馬といえば、馬のコンディションに大きく関わってくる調教師の存在が非常に重要です。今回の記事では、この調教師について仕事の内容や向いている人、必要な資格などをまとめました。

仕事の内容と活躍の場

【乗馬経験をいかせる仕事】調教師について

テレビなどで競馬のレースが放送される機会は多いですが、調教師の仕事について知る機会はあまりないかもしれませんね。まずは、調教師がどこでどのような仕事をしているのか、大まかに紹介していきます。

どこで働いている?

競馬の調教師として働くためには、中央競馬または地方競馬の厩舎に所属します。中央競馬の厩舎の中で調教師がいるのは、トレーニングセンターがある栗東と美浦です。


その所属した厩舎で調教師がいくつかの馬房を受け持ち、事業主としてその厩舎を運営するという仕組みです。そのため、担当する馬が出走するレースに合わせて遠征をすることはありますが、基本的には職場の異動が少ない仕事といえるでしょう。

仕事①馬のコンディション調整

調教師の主な仕事は、レースに向けて馬主から預託された馬のコンディションを整えることです。そのために、厩務員と連携を取りながら健康管理を行うほか、競走馬たちのメニュー調整などをしていきます。

仕事②レースの出走に関する手続き

調教師の業務はトレーニングだけではなく、馬主と相談しながら「どの馬をどのレースに出すか」などの調整も行います。出走するレースが決まった後も、出走のための手続き・レースの立ち会いなどいろいろな業務があります。

仕事③スタッフの管理・育成

調教師は厩務員などを雇用して厩舎を運営していることが多く、労務管理も調教師の業務となります。また、意外なところでは新人の騎手の育成も行うケースがあります。

向いているのはどんな人?

【乗馬経験をいかせる仕事】調教師について

ここまでの話で、調教師がどのような仕事なのか大まかにイメージしていただけたでしょうか?次に、この仕事にはどのような人が向いているのか紹介していきます。

コミュニケーション能力の高い人

調教というと「馬と一対一でトレーニングさせる」というイメージがあるかもしれませんが、業務内容を見ても分かるように実際には馬主・厩務員・騎手など人との関わりがかなり多い仕事です。そのため、コミュニケーション能力の高さは、調教師の仕事をしていくうえで強みになるといえるでしょう。

マネジメント能力の高い人

調教師になると、20頭ほどの馬を担当し、その馬たちに関わるスタッフに対して労務管理をしたり指示を出したりする必要があります。そのため、タスクの管理や仕事の割り振りが得意な人は調教師に向いている可能性があります。

探究心・忍耐力のある人

調教は「この馬の良いところを活かして難点を抑えていくにはどうしたらよいのだろう」という試行錯誤の繰り返しといえます。そのなかで、うまくいかないときも次の方法を探求したり、忍耐強く調整を続けたりということが非常に大切です。

騎手経験がある人

調教師は、騎手の立場や調子も理解したうえで指示を出したりメニュー調整をしたりしていきます。そのため、自分自身が騎手として馬に関わっていた期間があるという方は、調教師としても活躍しやすいと考えられます。


実際に、競馬の世界では騎手を引退して調教師を目指す人は多いそうです。ちなみに、騎手と調教師の免許は同時に持つことができないため、騎手から調教師へ転向する場合は騎手免許を返納(取り消し)しなければなりません。


現在は調教師にも定年制が設けられていますが、それを加味しても調教師として働くことができる期間は騎手と比べて長いため、競馬や馬と長く関わりたい方にぴったりの職業といえるでしょう。

必要な資格

【乗馬経験をいかせる仕事】調教師について

最後に、調教師として働くためにはどのような資格が必要なのか紹介します。調教師試験はかなり狭き門といわれていますが、それはなぜなのでしょうか?

調教師は国家資格

競馬の調教師になるには、日本中央競馬会・地方競馬全国協会が実施している調教師試験に合格する必要があります。少し意外かもしれませんが、この試験は農林水産大臣の認可を受けて行われるため、調教師の資格は国家資格という扱いです。


試験内容は「調教技術試験」「学力試験」「面接」「身体検査」で、学力試験では馬学のほか競馬関係法規などについて出題があります。


このなかで「調教技術」に関しては、厩務員や騎手としての業務をこなす中で身に付けるものです。そのため、ごく稀に乗馬畑から転向して調教師試験に合格する人もいますが、受験者の多くはすでに競馬厩舎での業務経験がある人です。


この時点でかなりハードルが高そうですが、さらに調教師が担当することのできる馬房数はおおよそ決まっているので、競馬の厩舎数が変わらない限り競馬界全体の調教師の数も大きく変わることはありません。


つまり、ほぼ「現役の調教師を退く人の数=新たに調教師になることができる人の数」になるため、年間で新たに調教師になることができる人数は10人に満たないといわれています。

調教助手にも資格審査がある

厩舎スタッフとして調教師に雇用される職員の中に「調教助手」という仕事があります。調教助手は、調教師の補助として調教に関わるほか、調教師が不在の際には調教師が行う手続きなどを代行することもあります。


ここまでもお伝えしたように調教師になるにはさまざまな経験や知識が必要となるため、この調教助手として働きながら調教師を目指すというルートを進む人は多いでしょう。


調教助手として働くには調教師のような国家試験はないものの、例えば中央競馬の厩舎での就職を目指す場合には日本中央競馬会が実施する調教助手資格審査に合格する必要があります。

まとめ

調教師は、競走馬たちのベストコンディションを引き出すために関係職種と連携していく「厩舎の司令塔」ともいえる存在。馬主とのやり取りや馬の育成、厩舎スタッフの労務管理など、仕事内容は多岐にわたります。

調教師としての就職は狭き門ですが、馬に長く&深く関わりたい!という方にはぴったりの職業といえそうですね。気になった方は、求人や試験要綱などもぜひチェックしてみましょう!

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