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【乗馬の資格】乗馬インストラクターになるには?種類や取得方法や費用を解説

乗馬を習い始めると、乗馬クラブのスタッフの中で一番接する時間が長いのはインストラクターかもしれませんね。では「将来は乗馬インストラクターになりたい!」と思ったら、どうしたら良いのでしょうか?今回の記事では、インストラクターの仕事や資格について解説します。

乗馬インストラクターとは?

【乗馬の資格】乗馬インストラクターになるには?種類や取得方法や費用を解説

仕事の内容

ほとんどの乗馬クラブでは、インストラクターは指導以外の業務も幅広く行っています。大きな牧場や乗馬クラブでは厩務だけを行うスタッフもいますが、その場合でもインストラクターが馬の世話を一切しないわけではありません。


また直接馬に関わる業務だけでなく、使用前後の馬場の整備、クラブ内での大会の運営など乗馬クラブ全体の設備や経営に関わる業務にも係わっていくことになるでしょう。

必要な知識

上記のように幅広い業務をこなすためには、もちろん騎乗技術の他にも様々な経験や知識が必要です。たとえば、教える場合も相手のレベルに合わせて分かりやすく伝えることが大切ですね。また、指導する相手は生徒であると同時に「お客さま」でもあるので接遇についての知識も求められます。


そして、馬の健康管理と一言で言っても病気の知識や簡単な処置、緊急時の対応、飼い(エサ)の調整、馬房の管理など幅広い知識が必要です。また、馬自体だけでなく馬具などに関しても、日頃の手入れや、ときには馬の癖や状態によって適した馬具を選んだり調整することもあります。

資格は必須?

先ほど例に挙げた知識は就職してから先輩スタッフから学ぶものも多いですし、新たな仕事を任されるにあたり練習や勉強を経て覚えていく部分もあるでしょう。


しかし、乗馬インストラクターは馬と騎乗者の安全を守る重要な仕事。そのため、雇用する乗馬クラブ側の視点で考えれば、仕事に就く段階から一定水準の技術や知識を持っているに越したことはありませんね。


その「一定水準」に達していることを示すためにあるのが各団体で認定試験を行っている指導者の資格です。資格を持っていない人が乗馬インストラクターの業務をしても違法ではありませんが、資格保有を募集の条件にしている乗馬クラブは多いでしょう。


日本では、乗馬インストラクターの資格は大きく分けてこちらの3つ。


全国乗馬倶楽部振興協会の「乗馬指導者資格」
日本馬術連盟の「JEF認定指導員資格」
日本スポーツ協会の「JSPO公認コーチ資格」


このほかにも、少数ですが独自にインストラクター(もしくは補助インストラクターなど)の認定を行っている乗馬クラブもあります。

ライセンス取得のために必要な条件

【乗馬の資格】乗馬インストラクターになるには?種類や取得方法や費用を解説

申し込み条件

ライセンスを取得するための講習や試験への参加には、団体ごとに条件が定められています。


乗馬倶楽部振興協会の指導員(初級)

・受講年度の4月1日現在満20歳以上
3年以上の乗馬経験がある者
・馬場内で規定されたレベルで馬のコントロールが可能であること


と経験年数が条件に含まれます。また、ステップアップする場合は中級で「初級指導者として3年」、上級は「中級指導者として3年」の職務経験が必要です。


日馬連の認定指導員

20歳以上
・日本馬術連盟会員
・騎乗者資格B級以上取得者

となっており、年数ではなく基礎的な騎乗技術と知識が前提となっていますね。


スポーツ協会の公認馬術指導員(コーチ1)

・受講年度の4月1日の時点で満20歳以上
・日本馬術連盟認定騎乗者資格B級取得者
・日本馬術連盟の認定指導員講習受講
都道府県馬連の許可


こちらは学生や初心者の指導を行うための資格なので、選手の指導を目指すなら公認コーチの資格が必要です。公認コーチ(コーチ3)は「馬術指導員資格取得者あるいは日本馬術連盟認定指導員資格取得者」である必要があります。


日馬連の資格が条件となっているので意外に感じるかもしれませんが、スポーツ協会は国内のスポーツ全般の振興が目的。多くの人が安全にスポーツを楽しむため、また競技水準を向上させるために各スポーツ団体と連携して資格の認定を行っています。

認定試験

各資格の認定を受けるには、団体ごとに指定された講習を受けた上で試験に合格する必要があります。


受ける資格やレベルによって多少の差はありますが、事前講習では馬術の概論や馬の個体識別・医療や栄養管理・指導法や法律的なことを学ぶほか実技や指導実習など50時間前後のカリキュラムが組まれているそうです。


令和3年度は、感染症予防の観点から講習がWEB受講になったり試験が中止になったりと変更点もあったので資格取得予定の人はしっかり情報を確認しながら準備を進めていきましょう。

ライセンス取得までにかかる費用は?

【乗馬の資格】乗馬インストラクターになるには?種類や取得方法や費用を解説

ライセンスを取得するには、一体どれくらいの費用が掛かるのでしょうか?まずは、講習や登録などに直接かかる金額を見てみましょう。
※問い合わせないと明確な金額が分からないものは、今回は明記していません。


乗馬倶楽部振興協会

指導者資格講習の受講料:10,000円
教材費(任意):13,000円程度
認定試験の受験料:(初級、中級)10,000円 (上級)20,000円


日本馬術連盟

認定指導員講習の受講料:10,000円
登録料:4年ごとに16,200円


日本スポーツ協会

受講料:公認馬術指導員(コーチ1) 〔共通科目〕21,000円 〔専門科目〕14,700円
    公認馬術コーチ(コーチ3) 〔共通科目〕18,900円 〔専門科目〕10,500円
登録料:4年ごとに25,000円(初回登録時のみプラス3,000円)


このように、認定する団体によって費用には差があります。また、ここに記載した金額だけでなく実技試験に使用する馬のレンタル料・輸送費教材費などを考えると5万円を超える可能性も高いですね。


3年の乗馬経験や乗馬ライセンスB級の取得は「資格を取得したい」と考え始めるころにはクリアしている人も多いかもしれませんが、申し込み条件に他の資格取得が含まれている場合はそちらの受験料や講習料も必要なので、事前にスケジュールや費用は十分確認しましょう。

まとめ

乗馬インストラクターには法律で定められた資格はありませんが、資格を持っていることを採用の条件としている乗馬クラブが多いです。馬術指導者の資格にはいくつか種類があるので、分からないことは資格の認定を行っている団体や通っているクラブのスタッフに確認しながら目的に合った資格を選びましょう。

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