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馬房で長時間過ごす馬のためにできること

長時間、馬房で過ごすことの多い馬たち。退屈しのぎをするのに、悪癖が出てしまうこともあるようです。それを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。さまざまな方法をご紹介いたします。

馬も退屈する?

馬房で長時間過ごす馬のためにできること

結論としては、馬も退屈します。しかも、退屈をすると、望ましくない行動をとってしまうことが多いようです。

退屈しているときに馬が取ってしまいがちな行動を以下に挙げます。

  • 馬栓棒や馬房の壁などを蹴ったりかじったりする
  • イライラする・攻撃的になる
  • 悪癖(サク癖・熊癖(ゆうへき)・旋回癖)

悪癖は健康状態に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。攻撃的になった馬は人間にとっても危険です。なるべく早くやめさせなくてはなりません。

しかし、一部の行動は体調不良を原因とする行動と見分けづらいこともあるそうです。そのため、病気による症状や行動でないかをまずは確認する必要があります。

  • 前後左右から見ても馬体のバランスが崩れていない
  • 体温・心拍数・呼吸数に異常がない
  • 四肢に異常や熱感がない
  • 腸の動きに問題がない
  • 歯茎の色に問題がない
  • 食欲に問題がない

など、全身をチェックして病気でないことを確認しましょう。

病気ではないことが確認できれば、愛馬が退屈して問題行動を起こしているかもしれません。

では、馬が退屈しているときに何ができるのでしょうか。問題行動の原因が退屈しているのであれば、退屈しない環境を作ってあげるのが、最良の解決方法だと考えられます。

方法は大きく分けて2つ、馬房を離れる時間(運動や放牧など)をこまめに作ること馬房の環境の見直しが挙げられます。こまめに運動や放牧をしてあげれば、結果的に馬房にいる時間が短くなり、退屈しづらいようです。また、馬房の環境に少し遊びの要素を取り込むだけで、やはり馬は退屈しづらくなります。

ヘイネットや飼育遊具を使って餌をあげる

馬房で長時間過ごす馬のためにできること

馬の楽しみの一つである餌。給餌の方法を工夫するだけで、馬にとっては退屈しのぎになるようです。

まずはヘイネットを使う方法をご紹介します。ヘイネットやヘイバッグに乾草をつめて、馬房につるすだけです。ヘイネットを入手すればすぐにできるので、退屈による悪癖などの行動が見られたら、最初に試してみるのがおすすめ。

馬はヘイネットを揺らしたりしながら、ゆっくりと食べていきます。このゆっくりと食べるというのが馬の健康にも有効で、これだけでも疝痛の予防にもなります。ただし、強めに遊んでしまうあまりに、ヘイネットを破壊する馬もいるかもしれません。しっかりした素材でできているものが多いので、大きな心配はいらないかもしれませんが、使い始めのころは気をつけて観察するようにしましょう。

また、遊具の中に餌を仕込めるように作られている商品もあります。ボールに人参をさせるもの、岩塩をおもちゃと組み合わせたものなどがあります。ヘイネットでも、いまいち効果が認められなかったら、給餌遊具を試してみるのもいいかもしれませんね。

馬房内で使えるオモチャを与える

馬房で長時間過ごす馬のためにできること

馬房内で使えるおもちゃを与えるのも、手軽な方法です。馬房にボールをつるしたり、床で遊べるボールやぬいぐるみを与えたりします。旋回癖といって、馬房の中をぐるぐる回ってしまう悪癖のある馬には、旋回するルート上にボールをつるしてあげると効果的です。

ちなみに草食動物である馬ですが、噛む力は175kgにも及ぶと言われています(人間は70kgほど)。人間用のおもちゃを与えてもすぐに破壊してしまいます。馬用に作られたおもちゃを与えるようにしてくださいね。

寂しがり屋の馬たちも隣の馬がいなくなると、落ち着きがなくなり、旋回癖などの悪癖が出てしまうことがあります。この場合は、音楽やラジオを流したりするのも効果的だそうです。馬たちは特にクラシック音楽やカントリー音楽を聞くとリラックスすると言われています。隣の馬が見えない馬房に寂しがり屋の馬がいる場合は、通路側に顔を出して仲間を見ることのできる小窓を作ってあげるのもいい方法です。

ブラシ掛けなどのお手入れをしてあげる

馬房で長時間過ごす馬のためにできること

馬房にいる時間を少しずつ短くすると、退屈を防止できます。そのため、ブラシ掛けの時間を何回かとってあげるのも有効です。長い間、馬房にいると退屈し、イライラが溜まって問題行動をおこしてしまうので、馬房にいる時間を短くしようというアプローチです。

ブラシ掛けをすれば、馬もきれいになります。ブラシ掛け自体にマッサージ効果もありますし、体のどこかに痛いところがないかの確認もできるので、愛馬の健康チェックにもなります。ブラッシングのほかにもウラホリやしっぽのお手入れなど、お手入れ全体を少しずつ分割して行うのもいいでしょう。

時間があれば、日向ぼっこをしたり、散歩をして、馬が長く馬房にいる回数を極力少なくしてあげることが大切です。芸を覚えさせて、一緒に遊んだりするのも、退屈しのぎや信頼関係構築に効果ありです。何より人馬共に楽しいのがいいですよね。

まとめ

今回は馬房で長時間過ごす馬に環境を整えてあげる方法をいくつか紹介しました。馬の性格によっても、効果的な方法はほかにもあるかもしれません。愛馬を観察して、お互い、気持ちよく過ごせる環境を整えてあげられるといいですね。

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