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馬が喜ぶブラッシングを覚えて、馬をお手入れしてあげよう!

馬に乗る前や騎乗後には、ブラッシングをすることが多いですよね。「汚れていなくてもブラッシングは必要?」「馬は気持ちいいと思っているの?」などいろいろな疑問があると思うので、今回はブラッシングの役割や方法、注意点などを詳しく解説します!

ブラッシングの効果と役割

馬が喜ぶブラッシングを覚えて、馬をお手入れしてあげよう!

まず、手順の前に「なぜブラッシングが必要なのか?」ということを考えてみましょう。目的が分かると、もっとブラッシングしてあげたくなるかもしれませんよ。

清潔を保つ

馬は、私たちのように毎日お風呂に入れるとは限りません。特に真冬などは、丸洗いしない日が続くこともありますよね。そんなときも、ブラッシングを行うことで体毛や皮膚の清潔を保つことができます。


大切な馬たちの清潔を保つことは、見た目だけでなく健康を維持するためにも重要です。フケや乾いた汗が毛の隙間に溜まることで、皮膚炎を起こしたり、皮膚のカサつき・カビの原因になるのでブラッシングはこまめに行いましょう!

毛並みを整える

人間が髪を梳かすのと同じく、馬もブラッシングすることで毛並みが整います。体毛の長さは品種や季節によって異なりますが、毛が長い場合は特にブラッシング前後を比べると「こんなにキレイになった!」と実感しやすいはずです。

皮膚の健康観察

乗馬をしていると、騎乗した状態からよく見える首やたてがみの様子は自然と目に入ってきます。しかし、お腹周りや背中などには意外と目が行っていないのではないでしょうか?


ブラッシングは馬の全身をまんべんなく見られる貴重なタイミング。汚れだけでなく、皮膚の状態や傷の有無もしっかり観察しましょう。もし鞍や拍車で傷ができてしまっていたら、悪化しないように馬装や扶助を工夫するなど対策を取る必要があります。

馬のリッラクス

ブラッシングは、人と馬がスキンシップを取る時間でもあります。手早く手入れをしつつ、馬にとって心地いい時間になるよう心がけましょう。そのためには、人間が「馬が安心できる動作」をすることと「嫌なことは手短に」の2つがポイントです。それぞれ、後半の「ブラッシングの仕方」と「注意点」の項で詳しく解説しますので是非読んでみてくださいね。

必要な道具は?

馬が喜ぶブラッシングを覚えて、馬をお手入れしてあげよう!

ブラッシングの役割が分かったところで、実際にどのような道具を使うのか確認してみましょう。一口にブラシと言っても目的によっていろいろな種類がありますよ。

根ブラシ

毛足が長く、硬めのブラシです。毛の表面に付いたオガやホコリのほか、ゴムブラシなどで体毛の表面近くまで出てきたフケなどを払うときにも使用します。乗馬クラブでは一番よく使うブラシかもしれません。

毛ブラシ

根ブラシより毛足が短く柔らかいブラシです。他のブラシで汚れを取った後に、毛並みを整えたり最後の仕上げとして使用することが多いでしょう。馬やブタの毛が使われていることが多く、柔らかいのでお腹周りや顔などデリケートな場所にもつかえます。

ゴムブラシ

健康サンダルのような凹凸が付いた、ゴム製のブラシです。円を描くようにブラッシングすることで、毛の奥に溜まった汗やフケを表面近くまで掻き出すとともに、マッサージのように血行を促進する効果も得られます。


同じように使う道具としては、ラバーのような素材でゴムブラシと同様に凹凸が付いている「グルーミングミット」などもありますよ。グローブのように手にはめて馬をゴシゴシしてあげれば、ブラシよりもスキンシップが図れるかもしれません!

プラスチックブラシ

プラスチックでできた硬めのブラシです。泥などがくっついて固まってしまったときなど、しつこい汚れを落とすのに重宝します。また、汚れだけでなくたてがみや尻尾を梳かしたり、換毛期に抜けかけた毛を綺麗にしたりするのにも便利です。

正しいブラッシングの仕方

馬が喜ぶブラッシングを覚えて、馬をお手入れしてあげよう!

いろいろな種類のブラシがあって「どんな順番で使えばいいの!?」と迷ってしまいそうですね。でも、難しく考えすぎずにしつこい汚れから落としていくイメージで挑戦してみましょう。今回は基本的な流れを紹介しますので、参考にしてください。


1.話しかける&馬の身体に触れる
2.プラスチックブラシで汚れを取る
3.ゴムブラシで皮膚付近のケア
4.表面の汚れを根ブラシで払い落とす
5.毛ブラシで仕上げる


みなさんも、いきなり横から近付いてきて髪をとかされたらびっくりしますよね。1のように斜め前方から近付いて話しかけ「これから触れるよ」ということを馬が理解してから、肩や首などに触れながらブラッシングを始めましょう。


そして、2~5のように汚れの種類ごとにブラシを変えてお手入れ。皮膚の汚れを放置するとケイクンなど皮膚病にもつながるので、表面だけでなく皮膚をしっかり意識することが大切です。


あまり汗をかかない季節や念入りに手入れをして間もなくなどは、短縮版で1と4だけなど馬の状態や時間の余裕に合わせて一部を省いてもOKですよ。

ブラッシングするときの注意点

馬が喜ぶブラッシングを覚えて、馬をお手入れしてあげよう!

いろいろな良い効果があるブラッシングですが、馬にとってブラッシングの時間が「嫌なもの」にならないためにいくつかの注意点があるので確認しておきましょう。

力加減には注意が必要

硬めのブラシは汚れがゴッソリ取れるので気持ちが良いのですが、馬は体毛が短い動物なので強くブラッシングすると皮膚が傷付いてしまうことがあります。せっかく毛と皮膚をケアするためのブラッシングで却って皮膚を傷つけてしまっては元も子もありませんよね…。


プラスチックブラシや根ブラシなどを使う場合は、あまりブラシを押し付けるように使わないことが大切です。また、落とそうと思っている汚れが落ちているか観察して、必要以上のブラッシングも避けましょう。

ブラッシングが苦手な馬もいる

ブラッシングを受けて気持ちよさそうにしている馬は多いですが、もちろんブラッシングが苦手な馬もいます。また「背中はいいけれどお腹は嫌だよ」という馬も多いのではないでしょうか。


ブラッシングが苦手な馬は硬いブラシほど嫌がるので、あまりに嫌がる場合は柔らかめのブラシで短時間のブラッシングにとどめ、代わりに洗う頻度を増やすなど馬のストレスにならないケアを心がけましょう。

人がケガをしないために

ブラッシングの最中に馬が脚を踏みかえたり横に動いた拍子に、人が足を踏まれてしまうことがあります。また、お腹周りをブラッシングされてムズムズすると、後脚でお腹を掻こうとする馬もいます。


このような動作に巻き込まれてケガをしないためには、ブラッシング中も馬の脚から少し距離を置いて立ちましょう。また、ブラシを持っていないほうの手は馬の身体に触れていると馬も安心しますし馬体との距離も一定に保てるのでおすすめです。

まとめ

ブラッシングは、表面に付いたオガなどを取って見た目をキレイにするだけでなく、人馬のコミュニケーションや皮膚の健康維持のためにも大切なお手入れです。馬の反応も見ながら、それぞれの馬や季節に合わせたブラッシングをしていきましょう!

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