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馬の手入れ道具、最低限必要な手入れ道具を紹介!

根ブラシ

馬の手入れ道具、最低限必要な手入れ道具を紹介!

馬を見て、「美しい!」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。それは、馬本来の美しさの他に、日ごろの手入れも関係しています。また、手入れは美しさのためだけでなく、健康管理の観点からもとても大切です。馬の手入れはどれくらいの頻度で、どのように行うのでしょう。また手入れに最低限必要な道具とその使い方を紹介します。
まず、手入れは騎乗のために厩舎から連れてきたタイミングと騎乗後に行います。蹄の手入れをした後、根ブラシという、毛が長く太いものを使って、体についたおがくずや泥、汗など大きな汚れを落としていきます。

使い方

根ブラシは、馬のお尻に近い方の手に持って、毛並みにそって上から斜め下に向かってブラシをかけていきます。鞍を置くところは丁寧に行います。お腹や股下は優しく、後肢の時には、斜め後ろに立って行うなど馬を安心させつつ、安全を確保する注意も必要です。
根ブラシをかけた時、痛がる場所や嫌がる場所があればその理由を調べます。皮膚に疾患があったり怪我をしているかもしれません。馬は人間と言葉でコミュニケーションが出来ないのはもちろん、肉食動物に弱っているところを悟られないようにするため、弱みを隠す習性があります。そのため人間が観察をする必要があります。
根ブラシは毛の硬いもの、柔らかいもの、ナイロン製のもの、天然毛によるものなどいろいろあります。皮膚が弱い馬には柔らかいものを選びましょう。

ブラッシングの効果

ブラッシングの効果には、美しさを保つ、健康管理の他にマッサージ効果もあります。せまい小屋でじっとしていたり、騎乗後の筋肉の疲れをとったりするのにも役立ちます。馬もコリがほぐれると気持ちいいものです。しかし、なかには触られるのが嫌な馬もいますので、注意が必要です。

毛ブラシ

馬の手入れ道具、最低限必要な手入れ道具を紹介!

毛ブラシは、根ブラシより毛が短くて柔らかいもので、毛並みを整えて艶をだす、仕上げ用のブラシです。天然毛としては豚毛や馬毛、羊毛が使われています。豚毛の方が馬毛に比べて柔らかいとされていますが、羊毛の周りを馬毛で囲んだものもあり、硬さを選ぶこともできます。特に柔らかいブラシは、顔や腹など敏感なところに使います。
騎乗後は、毛ブラシをかけてきれいにしてから厩舎に帰してあげましょう。

使い方

毛ブラシの使い方は、根ブラシと同様、馬のお尻に近い方の手でブラシを持ち、毛並みにそって上から斜め下に向かってブラシをかけていきます。馬の顔に近い方の手は馬に触れておきます。そうすると馬も安心できますし、馬が動いた時に足を踏まれたりする危険性を減らすことができます。

:鉄爪(てっぴ)

馬の手入れ道具、最低限必要な手入れ道具を紹介!

鉄爪(てっぴ)は、裏堀りといって、馬の蹄に詰まったおがくずや藁、泥、石、ボロ(糞)などを掻きだす作業の時に使う道具です。形は金属製のへら状であったり、かぎ状であったり、ブラシがついていたりそれぞれです。使いやすいものを選びましょう。
馬の蹄は一見、丈夫そうに見えますが、馬にとって蹄は「第二の心臓」といわれるくらい大事な役割をしています。蹄の中にはたくさんの血管があり、蹄の中にも血液が流れています。しかし、心臓の働きだけで蹄の血液を心臓に戻すことはできません。馬が地面に着地するときに蹄のかかと部分が広がり、地面から離れる時に戻り、まるでポンプのような役割をして肢の血液を心臓まで戻す働きをしています。このかかとの拡張と収縮を繰り返すことを蹄機作用(ていきさよう)といい、ポンプの役割の他に、地面に着地した時の衝撃を緩和するクッションのような働きもします。
このように大切な役割をもつ蹄、普段の手入れと観察が大切です。もし、蹄に病気があったとしても、普段の手入れで早期発見できれば、早期治療を行うことができます。

使い方

蹄の中に、土や泥、糞尿(酸やアルカリ、アンモニア)などが詰まって、不潔な状態のままにしておくと、汚染された水分が蹄の中に入り、蹄病の発症の原因にもなります。そのため、蹄は常に清潔にしておかなければなりません。
清潔を保つためには、朝、馬房掃除の際や騎乗前、それと騎乗後の1日2回、手入れを行うのが望ましいとされています。
肢もとを洗う際は蹄壁だけを洗うのではなく、蹄の裏側を鉄爪を使って裏堀りし、汚物を取り除き、蹄底全体を洗います。たいていは、蹄の裏のVに沿って鉄爪で掻きだし、更に円周をなぞるように1周グルっと掻き出せば汚れは取り除けますが、頑固な汚れは根気よく落とします。きれいに洗った後は、乾燥防止のため、蹄油を蹄壁、蹄底に塗ります。馬の蹄も人間の肌と同様、乾燥するとひび割れを起こし、出血や痛みの原因にもなります。人間が保湿クリームを塗るのと同じ感覚で、馬にもしっかり蹄油を塗ってあげましょう。
また、これらのお手入れは、馬の動きに注意し、人馬の安全に注意しながら行いましょう。

汗こき

馬の手入れ道具、最低限必要な手入れ道具を紹介!

汗こきは水切りともよばれ、馬を丸洗いした後に余計な水分を落とす時に使います。T字型のものやループ型のもの、靴ベラ型のものなど形もさまざまです。そして素材もステンレス製、プラスチック製、ゴム製などさまざまです。

使い方

馬も季節により、水やお湯で丸洗いをすることがあります。丸洗いというと洗濯物のようですが、馬の身体全体を洗うことです。馬体全体をブラシでしっかり洗います。特に夏は馬も運動をすると汗をかきます。ゼッケンの下は汗でびっしょりということもあります。その他、股の間やお尻付近、肢の付け根は汗が溜まりやすい場所なので丁寧に洗ってあげましょう。
洗った後、汗こきの出番です。汗こきを使って、馬体についている余計な水分を落としていきます。馬の表面積は大きく、また全身を毛が覆っているので、馬体には水分はたくさんついています。汗こきで水をしっかり落とさないと乾くのが遅くなります。遅くなると「第二の心臓」と言われている蹄がふやけてしまう可能性があります。蹄がふやけると、蹄が弱くなり欠けてしまったり、蹄鉄がはずれやすくなったりします。
また、お腹や脇は乾きにくい場所でもあります。お腹周りが濡れたままだと疝痛といって腹痛を伴う病気の原因にもなります。
汗こきを使って、しっかり水分を落とした後、タオルを使って毛並みに逆らうように拭くと早く乾きます。

まとめ

馬の手入れ道具、最低限必要な手入れ道具を紹介!

馬のお手入れは、1回の騎乗に対して騎乗前と後に行うため、一日の中で頻繁に行うことになります。そのため使う道具の種類や使い方を知っておくことはとても大切です。
また、お手入れの時間は馬とのスキンシップの時間でもありますので、馬に寄り添って行うことで信頼関係も生まれます。馬によってお手入れでうっとりするポイントや嫌がるポイントも違います。馬の様子を観察しながら、人馬の安全に注意し行いましょう。
そして、健康管理の観点からも馬の様子、身体の様子をしっかり観察する必要があります。触れて嫌がる場所、痛がる場所があれば原因を探してみましょう。
馬も生き物です。健康な馬と楽しい時間が長く過ごせるよう、手入れをおこないましょう。

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