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しっかりメンテしたい、乗馬用ブーツの基本のお手入れ

乗馬専用のブーツは、ジョッキーブーツやジョッパーブーツと呼ばれることもあります。
そして乗馬といえばまず第一にブーツを想像する方も多いのではないでしょうか。
ブーツ自体はすでに中世に軍靴として使用されていたようで、乗馬用の靴として発達したのはヴィクトリア朝の頃。乗馬が貴族のたしなみとされ始めたころでした。
騎兵が戦争における主な戦力であった第一次世界大戦まで乗馬ブーツは軍靴として使用されていました。
乗馬用ブーツは、鐙を正しい位置でしっかりと踏んでかかとでキックしたり、かかとを上下に動かしたりして、馬を上手に誘導するのをサポートしてくれる乗馬用品です。
ブーツ選びのポイントは、まずサイズ感があげられます。
ブーツのサイズが合わず鐙を踏む位置がずれていると、人の意思や指示が伝わらないおそれがあります。
また足に対して緩すぎると、馬から降りるときに引っかかって転倒するおそれもあります。
自分に合ったブーツを選ぶことは、安全面からみても重用なポイントです。
一般的なブーツとの違い
雨具のブーツとは異なり、機動性に優れており足全体にフィットした形状で、馬に正確に指示を出すために足首を動かしやすい構造になっていたり、足の裏で鎧(あぶみ)をしっかり踏むための特殊な形状になっているものも多いです。材質・デザイン・価格もメーカーにより様々です。シンプルなものもあれば、鮮やかなカラーのものもあります。
安全面・機能性に置いて必要
運動靴の方が動きやすいのでは無いか?と思うかもしれませんが、乗馬ブーツを着用してください。理由は簡単です。乗馬は想像以上に足を使います。ブーツを高い靴と思わずに「足のサポーター」と思ってもいいくらい必需品です。踏んばって立ったり座ったりする動作や、馬に乗った時に全身を支えるためにも足(ブーツ)がとても重要です。耐久性も運動靴より強度が高いですし、ブーツは馬に触れる(足で刺激する)指示を出す道具でもあります。馬の為にもブーツ着用は必要です
また、競技会(試合)に参加するためにもブーツは正装として必需品となります。

乗馬用ブーツの素材と作り

ブーツにはいくつか特徴と種類があります。季節やデザインによって使い分けたりする場合や、競技会や乗馬クラブの規定に沿って購入する場合もあります。
ロングブーツ
乗馬用のロングブーツは長靴(ちょうか)、チョーカー、ジョッキーブーツとも呼ばれます。
乗馬用ブーツとしてすぐイメージしやすい、ヒザ下までしっかり覆うような作りになっているブーツです。
馬への指示が送りやすく、大会や競技会のスタンダードとして用いられるために本格的に乗馬を始めたい人にオススメです。
ショートブーツ
乗馬のショートブーツはジョッパーズブーツ、パドックブーツ、チョッパーブーツとも呼ばれます。
ショートブーツは足首から少し上までを覆うタイプで、ロングブーツに比べるとかかとが比較的自由で動きやすいのが特徴です。
乗馬では大きく分けて、「ロングブーツ」で騎乗するスタイル、「ショートブーツ+チャップス」をつけて騎乗するスタイルがあります。
チャップス(ゲートル)とは
チャップスとはキュロットの上から着用し、足首からふくらはぎまでを覆うものです。見た目がロングブーツのような形状のチャップスはゲートルとも呼ばれます。
ただし、正式な大会ではショートブーツにチャップスをつけたスタイルでの出場を認めていないことが多いので注意してください。※大会によって規定は異なりますので、大会の運営事務局へご確認願います。
ブーツにも素材の違いがあって価格は本革が1番高く、ついで合皮、ラバー製となります。
ブーツの素材
乗馬ブーツの素材には本革・合皮・ラバーがあります。
チャップス(ゲートル)の材質
本革・合皮・スエード生地(チャップスのみ)などの材質のものがあります。

日々のお手入れ:ブーツ編

砂や泥などを落としてしっかり乾かしてください。

騎乗後のお手入れ:ブーツ編

雨などで濡れたりしていなければ日々のお手入れと同様で大丈夫です。
ひどく汚れた際や1~2カ月に1回程度はしっかりとお手入れしてください。
ホコリ・泥の除去
竹ブラシで全体の泥汚れを取ります。
まず始めに満遍なくブラッシングをして全体の泥汚れを取り、そして革の縫い目やコバ周り(靴底と靴を縫い合わせている部分)など細かい部分に入り込んだ汚れをできる限りかき出します。
汚れ・古いクリームの除去
ステインリムーバーを使用して革に入り込んでいる汚れや古いクリームを除去していきます。
ステインリムーバーを良く振って混ぜ合わせてください。リムーバークロスを指に巻き、指先が湿る程度にステインリムーバーを適量含ませます。
全体的に塗るような感覚で靴全体を拭きあげてください。
※強い力でこする必要はありません。
クロスに色が付きます。これが古い靴の表面やシワの間に残っているクリームやワックスです。
全体的に潤いを与えながら、革に詰まっている汚れを浮き上がらせて布がキャッチする、という作業になります。古いクリームなどがたくさん付いている時は、何度か繰り返して下さい。
常にクロスをきれいな部分に変えながら拭いていくと、靴の表面のクリームやワックスが取れて光沢感がなくなります。
クリーム塗り込み
ペネトレィトブラシにシュークリームジャーを米粒2~3粒程度取り、全体に伸ばします。
伸びが良く浸透性も高いため、この量がおおよそショートブーツ片足分の量になります。
ひどく乾燥している場合や、キズがひどい場合はもう少し増やす場合もあります。
つや出しブラッシング
ブラシで全体的につやを出していきます。
細かくブラッシングするのではなく、大きくブラッシングを施していきます。
余分なクリームをかき出しながら全体的に均一化を施すことで、表面に美しいつやが生まれます。
乾拭き
グローブクロスを使用して表面の余分なクリームを拭き取っていきます。
ゴシゴシ拭き取るのではなく全体的に優しく拭きあげる程度で簡単にべたつきが取れ、光沢がより出てきます。
こうすることで表面に余分なクリームを残すことがないので、通気性が良い状態に保てる上に汚れも付きにくくなります。
防水スプレー
防水力をつけたい場合は撥水・防汚 スプレーをスプレーして下さい。
完全に乾いてから軽く乾拭きすることで、また美しいつやが戻ります。
※この作業は省いてもかまいませんが、雨の日に靴を履く場合に使用する時は、必ずスプレー後30分程度乾かしてから外出して下さい。

これだけはしないで!ダメな扱い方:ブーツ編

馬の汗や毛をそのままにしておくと革の劣化を早めます。また雨の時にどうしても騎乗しなければならない場合、騎乗後に新聞紙を中に詰め、暗所で湿気を取り、完全に乾いたらお手入れします。革は濡れて・乾いてを繰り返していくと劣化するので、雨の日は違う物を使用して騎乗することをお勧めいたします。

汚れたブーツの洗い方

革の乗馬ブーツのお手入れは、はじめに水を含ませたスポンジで全体を軽く拭きます。次にスポンジをお湯にくぐらせたサドルソープで泡立たせ、泡で汚れを落とすように洗います。汚れを落としたら、乾いた布で拭き取ります。その後、直射日光を避けて陰干しし、完全に乾いてから保革油や専用クリームを薄く塗って、防水スプレーを吹きかけてください。

まとめ

本革のブーツはしっかりお手入れすると長く使えますので、正しいお手入れ方法でしっかりケアすることをオススメします。

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