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馬を愛する人なら行ってみたい、牧場見学について

馬が好きな人にとっては、テレビなどの映像で楽しむことももちろん良いのですが、やはり実際に馬を目の前にして愛でたいという希望が強いのではないでしょうか。そんな馬愛に溢れている人におすすめしたいのが、牧場見学です。

たくさんの馬が生活する牧場に足を踏み入れることで、目にしたことのない馬の姿を見ることができ、また違った馬の魅力に気づかされるでしょう。また馬を懸命に世話をし育てる人の仕事も目の当たりにし、より一層に活躍している馬を応援したくなるのではないでしょうか。

では牧場見学とはどのようなものなのか、牧場ではどのような事が行われているのか、牧場見学で注意しなければならないことを紹介します。

勘違いしないで!牧場は観光施設ではありません

馬を愛する人なら行ってみたい、牧場見学について

牧場と聞くと羊や牛・小動物とのふれあいやエサやりができる観光施設を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし今回紹介する馬の牧場見学は、観光施設の牧場とは違う物になります。

ここで紹介する牧場見学の牧場とは、馬の生産牧場や育成牧場のことを指します。馬の育成牧場では見学してみないと知ることができない生活の流れや各シーズンによって変わる空気感があります。

繁殖シーズンや出産シーズンには、牧場として繁忙期を迎えます。牧場スタッフ・馬ともにぴりついた空気になるということを頭に入れ、邪魔にならないよう見学しなければなりません。

また観光牧場とは違い、馬を365日いつでも見学ができるということではありません。神経質になりやすい繁殖シーズンや出産シーズンでは、馬の様子によっては見学を断られることもあるのです。見学時間も決められており、自由に牧場内を見学できるものではないです。

牧場ではどんなことが行われているの?

馬を愛する人なら行ってみたい、牧場見学について

牧場ではどのようなことが行われているかをご存じですか?牧場には「生産牧場」と「育成牧場」があり、それぞれ行われていることや在籍する馬の年齢が違ってきます。ここではそれぞれ「生産牧場」と「育成牧場」の特徴を解説していきます。

生産牧場

生産牧場は、主にサラブレッドの生産と育成を行う牧場です。生産牧場にいる馬は、繁殖用の牡馬と牝馬、そして生産牧場で生まれた1歳までの子馬です。

2月から7月は、種付けのシーズンになってきます。この時期は1年で一番忙しい繁忙期で、スタッフと種牡馬にとって神経質になる時期です。時には自分の牧場で所有する繁殖牝馬以外に、種付けを依頼され預かっている繁殖牝馬がいることもあります。

1月から6月に出産シーズンを迎えるため、母馬の観察や体調管理・運動不足解消などが行われ、分娩直前から監視をつ続けられます。出産後には子馬の経過観察・健康管理・放牧など、子馬の成長に必要な管理や引馬などしつけが行われています。

また子馬が1歳になった秋ごろ、セリにかけ子馬が高額で取引するところまでが、生産牧場が行う役割なのです。

育成牧場

育成牧場は、主に競走馬になるための訓練を行う牧場です。育成牧場にいる馬は1歳の若い馬たちで、人を背中に乗せ歩いたり走ったりすることを一切やったことのない馬です。そんな若い馬たちを競走馬として活躍できるように1から訓練し育てるのが、育成牧場の役割なのです。

夏から秋にかけては栄養管理ももちろん行いますが、放牧をして自由に草を食べたり運動をして栄養を蓄えたり体力をつけていきます。秋から騎乗訓練が始まり、鞍を付けることやハミを咥えさせ手綱での操作に慣れさせていくのです。その後、早く走る訓練やゲートの練習などをこなし、デビューできる状態に仕上げていき、育成牧場を卒業していきます。

絶対に知っておくべき牧場見学の9箇条

馬を愛する人なら行ってみたい、牧場見学について

牧場見学をしたい人に対し、牧場見学の9箇条というものがありますので、ここで紹介します。これは「競走馬のふるさと案内所」のホームページ内に記載されているもので、牧場見学をする人の中では必ず知っておかなければならないものです。これから牧場見学しようと思っている人は、必ず最後まで目を通しましょう。
リンク:競走馬のふるさと案内所

1、見学ができるかは「競走馬のふるさと案内所」に確認をしましょう

見学が可能なシーズンと見学不可なシーズンがあります。繁殖シーズンや出産シーズンは馬も過敏な時期です。馬の負担になると判断されると見学不可になる場合があります。直接牧場に問い合わせをする人もいますが、繁忙期は牧場スタッフもバタバタしています。対応しきれなくなるので避けた方が良いのです。

2,見学できる時間も「競走馬のふるさと案内所」に確認をしましょう

牧場の1日の流れは決められています。見学があるから時間を変更してお客さんが集まりやすくするということはありません。放牧見学であれば時ごろからお昼くらいまでと、比較的いきやすい時間の場合が多いですが、調教見学は朝5時から6時といったように、早朝を指定されることもあります。

3,牧場では関係者の指示に従うこと

牧場見学で勝手は許されません。見学する場所や順路・近づいても良い距離など、牧場ごとに決められています。必ず牧場ごとのルールを守ってください。

4,厩舎や放牧地に無断で立ち入らない

厩舎や放牧地は見学は許可されても立ち入ることは禁止されていることが多いです。それはスタッフの人の仕事の邪魔になりますし、馬たちがビックリしてしまうからです。また見学に来た人が勝手な行動をして、馬にケガを負わせてしまえば馬の一生に関わります。場合によっては競走馬としても人生を諦めることになりかねないのです。

5,大きな音や大きな声を出さないようにする

馬は臆病な動物です。大きな音や大きな声に反応し、パニックを起こすこともあります。パニックになった馬は、走り回ったり暴れることがあり、それによって大きなケガに繋がる恐れがあります。

6,馬には触らない

かわいい馬を目の前にすると、思わず触りたいという衝動にかられます。しかしその感情のままに触ってしまわないようにしてください。競走馬は人に慣れるという訓練の仕方ではなく、人よりも自分の感情のままに進むということを教えられています。そのため触れられたことが嫌だと思えば噛みつくこともあり危険です。

7,牧場内は禁煙

日本でも分煙化が進み、喫煙者は喫煙室を利用するというマナーが浸透してきています。しかし中にはマナー違反の喫煙者もおり、屋外だから大丈夫だろうと牧場でも喫煙する人がいます。牧場は燃えやすい物が溢れています。喫煙はしないようにしてください。

8,フラッシュ撮影をしない

皆さんの中にも強い光が放たれるフラッシュが苦手という人は少なくないでしょう。馬を含む動物はフラッシュを嫌います。撮影をする時にはフラッシュがオフになっているかを確認してください。

9,食べ物を与えない

牧場内の馬たちは徹底的な食事管理がされています。餌を与えれば仲良くなれるかも・喜んでくれるかもという考えが浮かぶのは分かりますが、馬の健康管理のためには絶対に与えないでください。

その他の注意点

馬を愛する人なら行ってみたい、牧場見学について

ここまでで数多くの注意点や守らなければならないルールを紹介してきました。実は上記で紹介した注意点以外にも、気を使う必要な点があります。

牧場の1日は早朝からスタートします。そして遅くまで忙しく働いています。そんな牧場スタッフにとって昼休みは唯一ゆっくりと体を休め、午後の仕事に備え仮眠が取れる時間なのです。

お昼休憩なら作業をやめているから電話対応をしてもらえるだろうと、安易に電話をしてしまう人がいますが、とても迷惑な行為になるということを頭に入れておきましょう。

また牧場スタッフの仕事は馬たちの世話をすることであって、見学者の対応ではありません。牧場見学の案内や見学者への対応をするのは当たり前という考えはなくしてください。牧場側のご厚意で見学をさせてもらっているということを忘れてはいけません。

まとめ

いかがでしたか?

これから競走馬として活躍するかもしれない馬たちを身に行けることは、とてもワクワクし楽しみなことはとても理解できます。牧場のスタッフさんたちも馬への関心が高くなることは嬉しいことでしょう。

しかし牧場見学をする時には、しっかりとルールを守らなければいけません。あなたの自分勝手な行動で牧場で働くスタッフの皆さんに迷惑をかけることになるのです。またそんな人のせいで牧場見学が中止になることもあり、純粋に馬たちに会いたいという人を悲しませることにも繋がります。

そして競走馬になろうと日々頑張っている馬達の成長を妨げることにもなるのです。どのように行動すべきかしっかり学んでおきましょう。

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