希少!一度は乗りたい!日本在来馬って知ってる?分布図やサラブレッドとのサイズ比較も!

馬と言えばサラブレッドなど洋種のイメージが強いですが、実は日本にも固有の品種がいます。今回の記事では、どの地域にどのような日本在来馬が暮らしているのかまとめました。

日本在来馬とは?古くから脈々と受け継がれたDNA

希少!一度は乗りたい!日本在来馬って知ってる?分布図やサラブレッドとのサイズ比較も!

日本に馬が登場したのは、古墳時代と言われています。この時代の日本は朝鮮半島との外交が盛んで、馬たちはモンゴル高原から朝鮮半島を経由して輸入されたのだとか。当初は王族や、そこに属する軍など一部でしか所有することのできない貴重な存在だったそうですよ。


その後、その有用性などから国内でも馬の繁殖が進み“和種”と呼ばれる日本固有の品種が生まれます。そうなると、特別な身分の人々だけでなく庶民の間でも馬は貴重な動力として活躍。体力があり頭の良い馬たちは、田畑を耕したり、荷物を運んだりと人間の大切なパートナーになりました。


しかし、明治時代以降になると軍事面でも欧米諸国と並ぶことが目標とされはじめます。その流れの中で、軍用馬のあいだでは身体の大きな洋種との交配が進んでいき純粋な和種は激減。その激動の時代をまぬがれ、外国の馬とほぼ交雑せずに現在まで残った和種馬を「日本在来馬」と呼びます。

現存する8種の日本在来馬とその分布

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このように、日本では今も在来馬を見ることができる地域が残されています。姿は似ているところもありますが、それぞれどのような特徴や歴史を持っているのでしょうか?

北海道和種(ほっかいどう-わしゅ)

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主産地:北海道
体高:125~135cm
体重:350~400kg
毛色:河原毛月毛・粕毛・鹿毛


北海道和種は、東北地方で生産されていた“南部馬”をルーツとする品種と言われています。俗に「道産子(どさんこ)」とも呼ばれ、寒冷で雪深い環境に適応した丈夫な馬。体重の半分以上もある200kg近い荷物も運べるらしいですよ。


ところで道産子と言うとばんえい競馬の「ばん馬」と混同されやすいですが、ばん馬はベルシュロンやブルトンなど海外の大型馬で、馬が重いそりを引く速さを競う「ばんえい競争」で活躍する馬たちのことです。

木曽馬(きそ-うま)

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主産地:長野県(木曽郡)
体高:130~136cm
体重:350~420kg
毛色:鹿毛


木曽馬は、日本在来種の中では比較的大きいと言われている北海道和種よりもやや大きな個体がいます。これは一部の地域で西洋種との交雑が進んだためと言われ、現在は中型馬に分類されています。


山間部で生きてきたため足腰が強く、農耕や運搬はもちろん関東甲信越では多くの武将もこの木曽馬に乗っていたようです。かつては南部や三河も有名な馬の産地でしたが、現在は血筋が絶えてしまったため今見ることができる「武士が乗っていた馬」と言えば木曽馬。130頭あまりが長野・岐阜を中心に飼育されています。

野間馬(のま-うま)

主産地:愛媛県(今治市)
体高:110~120cm
体重:350~420kg
毛色:現在は栗毛・鹿毛が多い


木曽馬が中型だったのに対して野間馬はポニーに分類され、日本最小の在来馬とも言われています。たしかに、110cmはかなり小さいですよね。この小ささの理由は江戸時代にまでさかのぼります。


当時、藩が定めた4尺(121cm程度)よりも大きな馬には報奨金が払われ増産される一方で、定尺よりも小さな馬は無料で農民に払い下げられたのだとか。その結果、農村では体格の小さな馬同士の交配が進み身体の小さな個体が増えたようです。


そんな野間馬に会える「野間馬ハイランド」は、実は市営で入場料無料!今治市に行った折には、ぜひ寄ってみてくださいね。

対州馬(たいしゅう-ば)

主産地:長崎県(対馬市)
体高:107~130cm
体重:350~420kg
毛色:鹿毛、青毛、栗毛


坂道の多い島で育った対州馬は、小柄にもかかわらず150kgほどの荷物も運べる力持ち。「力仕事が多いなら大きいほうが良いのでは?」と感じるかもしれませんが、対馬では男性は漁に出ることが多く対州馬を使った農耕や運搬は女性の仕事だったそうです。こうした環境の中で、小柄に品種改良されていった可能性もありますね。


対州馬も時代の流れとともに仕事を失い2005年には25頭まで減少しましたが、その後は保存活動に注力。数は40頭前後まで増加し、伝統の「馬跳ばせ(初午祭での草競馬)」を復活させるに至っています。

御崎馬(みさき-うま)

主産地:宮崎県(串間市都井岬)
体高:約130cm
体重:約300kg
毛色:鹿毛、黒鹿毛、河原毛


在来馬の中で最も野生に近い状態(周年放牧)で飼育されている御崎馬。そのため、健康管理を目的として毎年秋に「都井岬馬追い(といのみさき-うまおい)」という行事を実施しています。


これは半野生状態の御崎馬を追って集め、検査や健康チェックを行うというもの。単なる健康チェックでなく江戸時代から続く伝統行事という側面もあるので、ぜひ見てみたいですね。


しかし、健康管理を定期的に行ってもなお2011年には馬伝染性貧血が発生。感染が確認された数頭が殺処分されるという辛い事態に陥りました。こうした苦境を乗り越え、現在は120頭ほどにまで回復しています。

トカラ馬

主産地:奄美諸島(喜界島)、鹿児島県(鹿児島郡十島村)
体高:100~120cm
体重:約300kg
毛色:鹿毛


もともと喜界島を経て鹿児島郡十島村に移入された馬でしたが、明治時代以降は本家である喜界島では洋種との交雑が進み純血種は絶えてしまったのです。その後、十島村宝島に残っていた純血種をもとに繁殖を再開。1953年に天然記念物に指定されました。


現在は鹿児島県本土にある開聞山麓自然公園などで保護&繁殖。放し飼い展示などを見ることができます。


しかし、もともとサトウキビ搾りや農耕などが主な用途であったトカラ馬。他の在来馬にも言えることですが、産業の変化や機械化によって仕事が減ったことが保護の上でも大きな課題となっています。

宮古馬(みやこ-うま)

主産地:沖縄県(宮古島市)
体高:約120cm
体重:約300kg
毛色:鹿毛


沖縄では太平洋戦争以前「琉球競馬」と呼ばれる伝統的な競技が行われていましたが、当時は出走する馬のほとんどが宮古馬や次に紹介する与那国馬だったと言われています。


1771年の八重山地震(明和の大津波)では400頭を超える宮古馬が被害に遭ったと言われおり、被害の大きさとともに当時いかに多くの馬が島で飼育されていたか伺うことができます。


その後は産業の変化に伴い減少。7頭にまで減少した時期もありました。1991年に天然記念物に指定されたものの、多くの頭数をまとめて飼育できる優良な飼育環境は整っておらず現在は50頭前後で増減しています。

与那国馬(よなぐに-うま)

希少!一度は乗りたい!日本在来馬って知ってる?分布図やサラブレッドとのサイズ比較も!

主産地:沖縄県(八重山郡与那国町)
体高:約110~120cm
体重:約300kg
毛色:鹿毛


本州では、昭和の頃から「種馬統制法」が施行されたことで在来種と洋種の交配が促進されてきましたが、八重山諸島などは施行対象地域に入っていなかったために在来種の系統が良く保たれていると言われています。


とはいえ、農作業の機械化や車の普及などに伴い活躍の場が減ったのは他の在来馬と同じ。1969年に天然記念物に指定されたものの、1970年代には60頭前後にまで減少してしまいました。


その後は、与那国馬保存会の活動により徐々に頭数は増加。与那国馬は宮古馬よりも観光利用が進んだという背景もあり、現在は130頭ほどまで数が回復したそうです。

体高130cm?サラブレッドと大きさ比べ

希少!一度は乗りたい!日本在来馬って知ってる?分布図やサラブレッドとのサイズ比較も!

ここまで読んでいて「あれ?在来種ってみんな小さめ?」と気付いた方も多いのではないでしょうか。サラブレッドの体高は平均160〜170cm。対して、日本在来馬の平均的な体高は130cmほどです。


日本在来馬のルーツとされるモウコノウマが120cmくらいであることから、もともと小型だった在来馬が明治時代以降に洋種との交配を経た結果やや大型化したという可能性も考えられますね。

天然記念物、最少は50頭足らず。

希少!一度は乗りたい!日本在来馬って知ってる?分布図やサラブレッドとのサイズ比較も!

日本在来馬たちは、基本的にサラブレッドなどに比べて性格が温厚で忍耐強く従順だと言われています。また、小柄で足腰や身体も強く育てやすいこともあり、庶民のあいだでも広く飼育されてきました。


しかし、南部駒・三春駒・三河馬など既に姿を消したしまった馬たちもいます。また、絶滅はしないまでも宮古馬のように一時は頭数が一桁まで減ってしまった在来馬も。稀少になった在来馬たちは天然記念物に指定されたものの、保護のための費用など馬主や地域が解決を迫られている課題はまだまだたくさんあります。


現在は飼育頭数が100頭を超えた在来馬もいますが、一方で50頭前後という品種も。観光化やアニマルセラピーでの活用など「新たな活躍の場」を広げる試みが広がり、在来馬に安定した生活を送ってもらえるための模索が続いています。

まとめ

日本在来馬の特徴を知ることは、地域特有の人馬の歴史を知ることにもつながります。保護を進める上では、馬の活躍の場の創出や資金面などまだまだ課題も多いですが、現在残っている8品種を大切にしていきたいですね。与那国馬や木曽馬など、実際に乗ることができる在来種もいるので、機会があればぜひ体験してみましょう!

 

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