馬は泳げるの?
馬が泳ぐ姿を見たことがある人はいますか?動物には泳ぎが得意な動物とそうでない動物がいます。
水の中で生活する動物が泳ぐ姿は想像がつくかと思います。しかし普段陸で過ごす動物は、近くに水辺がある場所で以外泳ぐ姿を見ることは出来ません。
ここでは馬が泳げる動物なのかやどのように泳ぐのかを紹介します。
馬はうまれつき泳げる動物です
馬は泳げる動物であるか、その答えはyesです。一説には馬は泳いで日本まで来たとも言われています。しかし泳ぐ姿を見る機会はあまりありません。それは乗馬クラブでも牧場でも、動物園でも体の大きな馬が泳げる水辺やプールを持つ施設はなかなかなく、普段から泳ぐということはないからです。
海沿いの乗馬クラブでのホーストレッキングでは、海の中に入るコースもあり水に入ることも問題ないことがわかります。では馬はどのように泳ぎを覚えるのか疑問に思うでしょう。実は馬に泳ぎの練習は必要ありません。もちろん泳ぎのうまい下手はありますが、生まれつき泳ぐことができるのです。
基本的には馬は水より軽く浮くことができるので、溺れることはありません。浮くことで負担を軽く運動することもできますし、トレーニングやリハビリにも適しています。
どんな風に泳ぐの?
馬はどのような泳ぎ方をするか分かりますか?泳ぐ姿は犬かきの要領で泳ぎます。しかし陸を歩く時と肢の進め方が違うのです。
馬は普段、斜対歩という歩き方をします。これは肢の進め方が、「右前脚と左後脚」「左前脚と右後脚」のセットで交互に足を出し歩く方法で、犬も同じ歩き方をします。しかし泳ぐときには、側対歩という「右前脚と右後脚」「左前脚と左後脚」のセットで交互に歩く方法に変わります。
猫やキリンも側対歩の歩き方をします。馬のように歩くときと泳ぐときで脚の出し方が変わる動物は珍しく、馬の器用さを感じさせるのではないでしょうか。
競走馬のためのプールがある!
競走馬のためのプールがあることをご存じでしょうか。人がプールを利用し体力強化したりリハビリをするように、競走馬もプールでトレーニングやリハビリを行います。
ここではプールで行われることと、プールがある施設を紹介します。
プールで何するの?
競走馬用プールでは、競走馬の調教やトレーニングはもちろんのこと、療養中の馬の運動不足解消やリハビリが行われます。プールの中では脚への負担が軽減されるので、ケガを悪化させないよう気を付けながらトレーニングを積むことができるのです。
またプールのトレーニングは心肺機能を鍛えることや、馬体のバランスを調節する・人と馬の信頼関係の構築といった効果が期待できます。体への負担を抑えることができるので、少しでも早い復帰を目指すことができます。
競走馬用のプールはどこにある?
競走馬用のプールがある場所は、「競走馬リハビリテーションセンター」「美浦トレーニング・センター」「栗東トレーニング・センター」があげられます。それぞれの施設内容は以下になります。
競走馬リハビリテーションセンター
福島県いわき市にあるJRAが運営する競走馬リハビリテーションセンターは、競走馬のリハビリを専門におこなう施設になります。日本で唯一の馬のリハビリを専門にした施設です。
施設内には、「1周400mのダートコース」「水中にベルトコンベアーを付けたウォータートレッドミル」「1周40mのスイミング」「脚を冷却しながら運動できるウォーターウォーキングマシン」「筋肉疲労の回復やリラックス効果が期待できる温泉」を完備しています。
施設内は見学することができ、リハビリや温泉でリラックスする馬の姿を見ることができます。
美浦トレーニング・センター
茨城県稲敷郡美浦村にある美浦トレーニング・センターは、JRAが運営する競走馬のトレーニング施設です。昭和53年4月に開設されたこの施設は、東京ドーム48個分の広さがあり、2000頭を超える馬が生活しトレーニングに励んでいます。
施設内には、「坂路コースありの楕円の馬場」「1370mのダートコース」「1600mのダートコース」「1800mの芝コース」「1800mのニューポリトラックコース」「2000mウッドチップコース」「1370mのダートコース」「1370mの芝障害専用コース」「1600mダートコース」「1800mダートコース」「馬が森林浴を楽しめる森林馬道」「直線と円形の競走馬スイミングプール」「水中で歩くウォータートレッドミル」「厩舎」を完備しています。
馬場を思い切り走る姿やプールを泳ぐ姿は、見学会で見ることができます。曜日ごとに見学できる内容が違うので、ホームページで確認をしてみてください。
栗東トレーニング・センター
滋賀県栗東市にある栗東トレーニング・センターは、JRAが運営する競走馬のトレーニング施設です。この施設は甲子園球場40個分の広さがあり、2000頭もの馬が生活しています。数々のトレーニングコースと馬用のMRI装置のある診療所もあり、健康管理もしっかりされます。
施設内には、「1450mの芝コース」「1600mのダートコース」「1800mのウッドチップコース」「1950mの芝コース」「2038mのニューポリトラックコース」「2200mダートコース」「ウッドチップがひかれた1085mの坂路コース」「一周50mの円形の競走馬スイミングプール」「厩舎」「競走馬診療所」を完備しています。
施設見学や親子体験ツアーもあるため、興味がある方は遊びに行って見てください。
まとめ
馬が颯爽と走る姿は見たことがあっても、泳ぐ姿は見たことが無いという人は多いです。この記事を読み馬が泳ぐ姿を見てみたいと感じた人もいるのではないでしょうか。生まれながら泳ぎ方を知る馬の能力の驚くとともに、歩き方と足の出し方を変えることができる馬の器用さに驚きます。
馬のプールがある施設は数少ないです。施設内は見学会を開いていますので、馬の泳ぐ姿を見てみたいという人はぜひ見学会に参加し、馬が懸命に泳ぎトレーニングする姿を見学してみてください。新たに馬の魅力を発見できるかもしれません。