東京2020 東京パラリンピックでの馬術

東京パラリンピックに開催期間はオリンピック終了後の2021年8月24日(火)~9月5日(日)です。
パラ馬術は皆さんご覧になられましたでしょうか?
パラ馬術用に特別な馬具や装具で競技に挑みます。パラリンピックの選手が使っている馬具に注目された方も沢山いらっしゃったんじゃないでしょうか。

日本人選手は残念ながらメダル獲得にはなりませんでしたが、かなりハイレベルの競技をされていましたね。特に、フリースタイル決勝に挑まれた日本選手団最高齢63歳の宮路満英選手が8位入賞を果たされたのには感動しました。多くの勇気と希望をいただけたと思います。

2021年に行われる東京パラリンピックでは、期間中に全22競技539種目が行われます。
馬術競技はオリンピック競技の中でも唯一「男女の区別なく」「動物と共に」行われる競技となっており、人馬一体となって動きの正確さや芸術性の高さを競い合います。

今回は、そんなパラリンピックの馬術について、その歴史や種目の内容、過去の日本選手の記録や東京2020での馬術の見どころまで解説していきます。

ぜひ、本記事を最後まで読んで、パラリンピックの馬術をより楽しんでくださいね!

パラリンピック馬術の歴史

馬術自体がオリンピック競技として採用されたのは1900年のパリ大会です。しかし、身体に障がいを持つ人々が活躍するパラリンピックという名目で大会が初めて行われたのは1948年のロンドンで開催されたアーチェリー競技会でした。もともとは戦争で傷ついた兵士のリハビリを目的として開催されていましたが、1960年のローマ大会からはオリンピック開催国で行われるようになり、1988年のソウル大会からはオリンピック終了直後にパラリンピックが開催されるようになり、現在の開催の形となりました。正式な競技として認められたのは1996年のアトランタ大会です。

ちなみに「パラリンピック」という名前の由来は、英語のパラレル「parallel」とオリンピック「olympic」を合わせてパラリンピック「paralympic」という名前が付けられています。

パラリンピックの馬術競技の現行種目

現在、オリンピックでは「馬場馬術」「障害馬術」「総合馬術」の3競技が行われていますが、パラリンピックでは「馬場馬術」のみが行われるのが特徴です。パラリンピック馬術では障がいのグレードごとに1人で行う個人課目と障がいのグレード関係なく3名で構成されたチームで音楽付きで挑む団体課目でメダルを争います。

グレードは全部で5つに分かれており、種目は以下の通りです。

  • 個人課目グレードⅠ~Ⅴ
  • 団体課目
  • 自由演技課目グレードⅠ~Ⅴ

各グレードではグレードVが軽度であり、グレードⅠに近づくにつれて障がいの程度が大きくなっていきます。

勝負は5名の審判の採点によって決められ、歩様やステップの正確性、乗り手と馬の一体感などが評価の対象となります。

馬場馬術とは

馬場馬術とは、馬の動きの美しさと正確さを競う競技です。決められた20m×60mの長方形の中で馬のステップや動きの正確さを審判が採点して点数で争われます。内容が決まっている「規定演技」と選手自身が内容を用意する「自由演技」があります。競技の細かいルールは障がいの程度や内容によって変化していくのがパラリンピック馬術の特徴です。どの選手も同じような環境で演技ができるように考え抜かれたルールと道具が用意された舞台で点数が競われます。

馬場馬術の個人課目

個人課目では指定された演技をクリアして点数がつけられ、点数上位の選手が自身が選んだ楽曲に合わせて演技を行う自由演技課目に進むことができます。

馬場馬術の団体課目

障がいのグレードに関わらず選手3名で構成し、音楽付きで行われます。

日本選手の過去のメダル・入賞実績

日本でのパラリンピック馬術、障がいを持つ方の馬術はまだまだメジャーなものではなく、パラリンピック出場選手も少なくなっています。そのため未だパラリンピックでのメダル獲得の実績はありません。しかし、日本は今回のパラリンピックで開催国枠として個人と団体両方の出場枠を得ており、出場選手もグレード2の宮路満英選手(リファイン・エクインアカデミー)、吉越奏詞選手(アスール乗馬ク)、グレード3の稲葉将選手(静岡乗馬ク)、グレード4の高嶋活士選手(ドレッサージュ・ステーブル・テルイ)などの活躍が期待される選手が出場します。日本パラ馬術界初のメダル獲得が期待しましょう。

世界のパラリンピック馬術

世界の馬術の中心といえばヨーロッパ。特にイギリスは長年馬術大国として有名で、パラリンピックにおいてもその強さを見せつけています。欧州の各大会でも個人種目、団体種目ともにメダルを取り続けており、東京オリンピックでのメダルの最有力候補です。

2012年のロンドン大会と2016年のリオデジャネイロ大会で個人の金メダルを獲得しているのがオーストリアのペポ・パック選手です。もともとはオリンピックの馬術選手として活躍していましたが、2008年に事故で下半身麻痺となり、パラリンピックの馬術に転向しています。東京パラリンピック大会のメダルに最も近い人物です。

東京パラリンピック馬術開催日程と場所

パラリンピック会場は馬事公苑(東京都世田谷区上用賀二丁目1番1号)となっています。

開催日程は以下の通りです。

日程時間内容
8月26日(木)午後3時00分〜午後10時35分個人 – グレード II
個人 – グレード IV
個人 – グレード V
個人 – グレード II・IV・V 表彰式
8月27日午後3時00分〜午後10時20分個人 – グレード I
個人 – グレード III
個人 – グレード I・III 表彰式
8月28日(土)午後5時00分〜午後10時10分団体
8月29日(日)午後6時00分〜午後8時45分団体
団体表彰式
8月30日(月)午後3時00分〜午後10時15分フリースタイル – グレードIV
フリースタイル – グレードV
フリースタイル – グレードIV・V表彰式
フリースタイル – グレードIII
フリースタイル – グレードII
フリースタイル – グレードI
フリースタイル – グレードIII・II・I表彰式

東京パラリンピック馬術の見どころ

選手それぞれが行う個性あふれる演技

馬術は唯一男女の区別なく行われる競技であり、一人ひとりが持っている障がいやその程度が違います。障がいを持つ男女が馬上で魅せるオリンピックに全く引けを取らない世界最高峰のテクニックを楽しむことができ、一人ひとり異なった乗り方やサポート体制の違い、使う道具の違いなどが魅力です。

障がいを補う数々の道具

各グレード、障がいの程度ごとに求められる技術は異なります。さらに障がいをサポートするために馬具の改造や道具の使用も認められており、肢体不自由や視覚障害を全く感じさせない演技を見ることができます。

選手にはヘルメットやジャケットなど必須の道具がありますが、パラリンピック馬術では選手ごとに工夫して作られた道具の数々をみることができ、手で持つだけでなく足で操作したり、口で動かしたりするものなど、驚くような道具の使い方も多く見られます。オリンピックでは見ることのできない、パラリンピックならではの工夫された道具の数々も、見どころの一つです。

騎手と馬だけでないチーム戦

パラリンピック馬術では多くの騎手が自身のサポートとして「コーラー」と呼ばれる声でサポートする人や「コマンダー」と呼ばれる動きの指示、状況を知らせる役割の人とともに演技を行います。騎手と馬だけでなく、動きをサポートしてくれる人とも息を合わせる必要があり、個人種目ながらチーム戦と呼べる戦いが繰り広げられます。そんなチームワークが観れるのもパラリンピック馬術のみどころです。

まとめ

馬術はとてもレベルの高い馬との呼吸の合い方や動きの正確さなどの芸術性が求められる競技です。騎手と馬との相性も大切で、言葉なくして心でコミュニケーションを取っている姿は見ている人を圧巻させます。人と馬との信頼関係や絆の深さを感じることができるパラリンピック馬術をぜひ楽しんでくださいね。心を一つに馬場を駆ける人馬一体のパフォーマンスをぜひご覧ください。

 

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