馬に嫌われる人の特徴
乗馬をするうえでも馬と触れ合うときにも、やはり馬に「この人好きだな」「なんだか安心するな」と思ってほしいものではないでしょうか?しかし、実はこんな特徴のある人のことを馬は苦手かも…。今回の記事では、馬に嫌われてしまいがちな特徴と理由について詳しく解説していきます。馬と仲良くしたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
キツイ匂いをつけている
馬に嫌われてしまう人の特徴の1つめは、香水など強い匂いをつけている人。みなさんのなかにも「強い香水はちょっと苦手…」という人はいるかもしれませんが、馬たちはなぜ強い匂いが嫌いなのでしょうか?
馬は嗅覚が優れている
馬は優れた嗅覚を持っているため、強い匂いはあまり得意ではないようです。例外としてはヨモギのように香りが強い草でも安全と判断すれば好んで食べますが、基本的に香水のような人工的で強い香りがする人はあまり好まれないでしょう。
もちろん馬も人と同じで匂いの好みはあるので「愛馬はこの匂いをそんなに気にしてないみたい」と感じる場面もあるかもしれません。しかし厩舎には他の馬もいるので、多くの馬が居心地良く過ごせるように乗馬クラブなどに行く際は強い香りを避けるのが無難です。
なぜ強い香りを嫌がるの?
単純に「匂いに敏感なので強い香りがすると嫌」という以外に、近くに強い匂いがあると匂いによる周囲の確認ができず馬が不安を感じる可能性があります。
みなさんも「馬に近づくときにはゆっくり近づいて手の匂いを嗅がせてあげて」といわれたことがあるかもしれません。これは、相手が誰なのか馬が匂いで確認しているからともいわれています。もちろん馬は視覚的な記憶力も良いので匂いは判断材料の一部ですが、強い香りがついていると、この確認がじゃまされてしまいます。
また、馬は地面や植物の匂いを嗅いで安全性を確認したり、馬同士で匂いを嗅いでコミュニケーションを取っているといわれています。近くに強い香りがあると、こうした確認も十分にできないので神経質な馬は特に不安になってしまうでしょう。
声が大きく騒がしい
馬に嫌われる人の2つめの特徴は、声が大きかったり話し方や動き方が騒がしかったりする人です。なぜ馬は騒がしい人をあまり好まないのでしょうか?
馬は音にも過敏
みなさんも、馬がクルクルと耳を動かしてさまざまな方向の音を注意深く聞いているのを見たことがあるかもしれません。これは、視覚的に危険を察知するよりも先に音で周囲の様子を探っているといわれています。
草食動物である馬にとっては、この行動は野生だった時代の名残。肉食動物に見つかるよりも早く相手を見つけて逃げることが、馬たちにとって生き残る方法だったと考えられます。
そのため音に対して過敏な馬は多く、大きな声や聞き慣れない音をあまり好みません。これに関連して、急に大きな声を出したりする人に対しては「びっくりした!不安だな…」と感じているかもしれません。
高い声や足音にも注意
馬は学習能力が高い動物です。そのため、もともと声が大きい人や、声量は大きいけれど話し方に落ち着きがある人の声には、徐々に慣れていく可能性が高いでしょう。一方、普段の話し声とは高さの異なる叫び声や大きな笑い声には驚いてしまう場面も多いようです。
人間同士で話していて盛り上がることもあるかもしれませんが、騎乗中やお手入れの最中はもちろん、馬房や放牧場のそばで過ごすときにも急に高い叫び声を出したり大きな声を出したりしないよう心がけましょう。
また、今まで歩いていた人が急にバタバタと走り出す足音にも驚くことがあります。厩舎のなかで急ぐ用事もあるとおもいますが、馬の目の前で急に走りはじめることは避けたいですね。
予測不可能な行動をとる
馬に嫌われる人の3つめの特徴は、これから何をするつもりなのか予測しにくいこと。人間同士でも同じことが言えるので、これは馬の気持ちを想像できる人も多いのではないでしょうか?
おそらく多くの人は、行動パターンが大体わかっている人や「この人なら次はこうするだろう」と予測できる相手のほうが安心できるはず。これは、馬も同じです。たとえばお世話のときでも「次はこっち側に回るんだな」「首のあたりをブラシするんだな」とわかると、安心してお世話を任せてくれます。
いっぽう、急に視界に入りにくい所へ回ったり、手元に持っている道具をよく見せないままいきなり敏感なわき腹や後脚などに触れられたら馬はびっくりしたり不安になるでしょう。もしこれを繰り返されたら、行動自体に怯えたり怒ったりするだけでなく、その人自身を嫌いになってしまうかもしれません。
もちろんお世話のときだけでなく、先ほど声や音といった視点でお伝えした「急に叫んだり騒いだりする」「突然バタバタ走り出す」なども、予測できないという意味でも馬を不安にさせてしまうでしょう。
馬の気持ちを理解しようとしない
こちらも、馬に限らず誰でも、自分の気持ちをわかろうとしてくれない人のことは好きにはなれないのではないでしょうか?
馬は言葉を喋れず顔だけ見れば表情にも乏しいですが、耳や鼻、口・尻尾・首の角度など全身で気持ちを表すサインを出しています。もちろんうれしいときやテンションが上がったときも気持ちは全身に現れますが、まず注意したいのが「いやだよ!」「やめて!」というときの表情や動きです。
馬が耳をぺたんと伏せたり歯を見せるほか、後ずさりをするなど明らかに「いやだ」という意思を示しているのに、それを無視して今やっていることを無理に続けるのはNG。嫌われてしまうだけでなく、馬が今の状況からどうにか逃げたいと考えて急に動くことで事故につながる可能性もあります。
まとめ
馬に嫌われやすい人の特徴は、意外と「自分が馬だったら」と考えると共感できるものも多かったのではないでしょうか。今回の内容を逆に考えれば、馬から見て安心感のある人間になれば、馬に好きになってもらえる可能性が高まるということ。いまいちど、馬から見て嫌な人になっていないか振り返ることで、馬たちと良い関係を築いていきたいですね!