馬の日焼けに注意!
夏の暑い時期、皆さんは外出時に日焼け対策をしていることと思います。夏に乗馬をおこなう時は、日焼け止めを塗ったり、UVカット加工のウェアを着用して乗馬をしているのではないでしょうか?
それでは、馬への日焼け対策について、皆さんはしっかりとおこなっていますか?
自分の日焼け対策はバッチリでも、馬の日焼けについてはあまり気にしていない方も多いのではないでしょうか?
馬も日焼けをするので、人と同様に日焼けに対する予防が必要なのです。
そこで今回は、馬の日焼け対策についてまとめました。
日焼けするとどうなるの?
夏の暑い季節に気を付けることといえば、やはり馬の脱水症状や熱中症ですね。
さらに、馬も私たちヒトと同様に、夏場屋外で運動をすれば日焼けをします。
馬は全身を被毛で覆われているものの、顔やかかとには被毛が少なく、特に紫外線の影響を多く受けるのです。そのため馬も紫外線対策は必須です。
具体的にどのような影響があるのでしょうか?
馬も人と同様に皮膚が赤くなったり、むけたりするのが一般的です。この時点でしっかりと日焼けした部分への処置をおこなえば良いのですが、このような状態がくり返されると、皮膚表面が厚く硬くなってしまう疾患の角化症を発症したり、さらには皮膚がんに変化する危険性もあります。
紫外線を浴び続けると、皮膚の免疫機構も影響を受けます。
特に肢が白い馬は、細菌性毛嚢炎や、泥熱などの感染症にかかるリスクが非常に大きくなります。
このような状態は時間の経過によって悪化し、馬の管理が困難になるケースがしばしば見られます。
日焼け予防の方法
それでは、馬の日焼けを予防するにはどのような方法があるでしょうか?
まず放牧場には、馬が過ごせる日陰のエリアを確保することが必要です。
朝夕の時間帯や曇りの日でも紫外線はゼロにはなりません。馬用の日焼け止めクリームも色々と販売されているので、皮膚の弱い部分を中心にクリームを塗ってあげることも有効です。
紫外線防止効果のあるラグやマスク、プロテクターもあるので、そちらも併用して使うことをおすすめします。
しかし一番の日焼け予防の対策は、日中の気温が高く日差しが強い時間帯には集牧し、馬房で過ごさせることでしょう。屋外への放牧を控えるのはもちろんのこと、できる限り暑い時間帯の騎乗は控えることで馬への負担を軽減してあげましょう。
日焼けしてしまった時は
もしも馬が日焼けしてしまった場合の対処についてですが、皮膚に水疱ができたり、にじみ出たりしている場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう。
患部がかさぶたになった場合、乾燥した状態で剝がそうとすると非常に痛みを伴います。局所入浴をおこなったり、ベビーオイルで十分に湿らせてからかさぶたを取り除きます。
また、肌の再生を促すクリームがあるので、それを適量塗ります。もしも二次感染が見られる場合は抗生物質を塗布します。
日焼けをくり返すことで、紫外線アレルギー(光線過敏症)になってしまうことがあります。紫外線によって皮膚が刺激を受け、かゆみや発疹、水ぶくれなどの症状が現れるアレルギーです。
これは免疫系が過剰な反応を起こして症状が出ると考えられます。重度の場合は屋内で窓から差し込む程度の日光を浴びるだけで反応してしまうケースもあります。紫外線アレルギーは重篤な状態になる場合もあるので注意が必要です。
また紫外線に当たることで皮膚に障害を起こす光感作(こうかんさ)作用にも気を付けましょう。特に、馬が肝臓の機能障害を患っている場合に発生する可能性があります。
肝臓が原因で光感作を起こしてしまうと、最悪の場合予後不良になってしまうので定期的に検査することが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
年々夏の暑さが非常に厳しくなっており、人だけでなく馬にとっても暑さ対策、日焼け対策は必須となってきました。
乗馬クラブでも、サマーシーズンはレッスン可能な時間に制限を設けているクラブが多くなってきました。
JRAでも今年度から、紫外線の影響が大きく気温が上昇する昼前後にはレースをおこなわず、午後のレースを現行よりも遅い時間帯である夕方に移行して開催することが決まりました。
それだけ紫外線は、馬にとっても非常に危険だということですね。
また日焼け対策だけでなく、馬の熱中症対策も必要です。
夏場の乗馬は、出来るだけ馬に負担を与えないように気をつけて楽しい乗馬ライフを過ごしたいものですね!