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馬を「馬格」によって分類してみた

馬の分類方法には色々あり、主に体型や用途などによって分類されてきました。中には定義があいまいで便宜的なものもあり、ほとんど使われることなく消えていった分類法もあります。文化圏によってもその定義に食い違いがあるなど、現在でもその分類方法が統一されていません。
色々な分類の方法がある中で、今回は最もポピュラーである馬格に注目した分類法をご紹介します。馬格とは、馬の大きさを表します。馬格に基づく分類法では、馬を「重種」、「中間種」、「軽種」の3種類に分類します。それぞれについて見ていきましょう。

軽種とは

トウカイテイオー
軽種は主に競走馬や乗用馬として使われており、軽くて素早い動きが特徴です。走る速さに関しては最も優れており、スマートな体格であることも特徴です。軽種は、主にアラブ種を品種改良されて作られた馬たちが分類されています。軽種の馬の体高は約150~170cm、体重は約400kg~500kgです。

軽種に分類される馬のうち、最も有名なものはサラブレッドです。走ることを目的に品種改良されたため、運動能力に優れ、主に競馬や乗馬に用いられることが多いのが特徴です。半面、気性が荒く臆病で繊細な面も持っており、物音にも敏感です。

軽種はサラブレッド以外にも、アラブ種(Arab、Arabian)、アングロアラブ(Anglo-Arabian)、アハルテケ(Akhal-Teke)、リピッツァナー(Lipizzaner)トラケナー(Trakehner)アンダルシアン(Andalusian)などが分類されています。

中間種とは

馬を「馬格」によって分類してみた
中間種とは前述の軽種と、次にご紹介する重種の中間の体格をもった馬を指します。乗用馬や馬術競技用などから馬車を引く馬まで、用途に合わせて様々な品種があります。馬場馬術用、障害飛越用、ウエスタン乗馬用など、目的に合わせて選別し育成されています。

中間種は、軽種に比べると大人しくて従順な馬が多く、また丈夫な馬が多いことが特徴です。体重は400㎏から700㎏のものまでおり、かなりのばらつきがあります。走るスピードでは軽種には敵いませんが、その温厚な性格から乗用馬として非常に優れています。そのため、中間種は馬術競技などを中心に活躍しています。

カウボーイが乗る馬としても有名な、クォーターホースも中間種です。クォーターホースは、アメリカのバージニア州原産の馬種で、世界で最も登録頭数が多い品種といわれています。飼育頭数が多いのは、他の品種の馬にできることは大抵のことならできてしまう有能さにあります。温厚な性質とたくましい体型が特徴的で、体高が143~160㎝、体重は400kgほどです。

中間種にはクォーターホース(Quarter horse)以外にも、セルフランセ(Selle francais)、スタンダードブレッド(Standardbred)、ハクニー(Hackney)、アパルーサ(Appaloosa)、ハノーバー(Hanoverian)、ウェストファーレン(Westfalen)などが分類されます。

重種とは

馬を「馬格」によって分類してみた
重種の馬は、古くから、馬車馬や農耕用の馬として重宝されてきました。
重種は身体が大きくスピードはないですが、力持ちで気性も大人しく従順です。機動力の高さから、重い馬車やソリを引いたり、畑を耕したりと力仕事に使われます。体重は800kgから1tを超えるものもいます。

重種には、ペルシュロン(Percheron)ブルトン(Breton)シャイアー(Shire)クライズデール(Clydesdale)ベルジャン(Belgian)などが含まれます。
北海道で行われているばんえい競馬にもこの重種が使われていますが、ばんえい競馬で用いられる馬は、ペルシュロンやブルトン、ベルジャンなどをかけ合わせて作られた品種です。

まとめ

馬を「馬格」によって分類してみた
いかがでしたでしょうか?
馬の分類法にはいろいろありますが、やはり大きさでの分類が一番わかりやすですね。

馬の分類の中で、ポニーについての表記を目にすることがあります。ポニーは体高が147cm以下の馬の総称なので、馬の品種名ではありません。19世紀の終わりにイギリス王立農業協会が、体高が147cm以上のものを馬と規定したため、それ以下の大きさのものはまとめてポニーと呼ばれるようになりました。

馬の分類法には他にも、用途による分類や解剖学的な分類などもあります。どの分類法にも曖昧さがあり、統一した分類法が確立されていません
馬の分類について興味を持たれた方は、様々な分類法を調べてみるのも面白いかもしれませんね。

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