馬が主役の世界のお祭り
日本には、馬が主役のお祭りがいくつかありますね。代表的なお祭りといえば、「相馬の野馬追」でしょうか。実は、世界にも馬が主役のお祭りが沢山あります。今回は、その中から4つのお祭りをご紹介しましょう。
パリオ・ディ・シエナ(イタリア)
パリオ・ディ・シエナは、イタリアのトスカーナ州シエナ県で年に2回行われるお祭りです。パリオとはイタリア語で競技会を意味しますが、シエナでは伝統行事の競馬レースを指します。シエナにある17地区から10地区が選ばれて、地区対抗戦のレースをおこないます。
パリオ・ディ・シエナの歴史は古く、13世紀に開催された記録が残っているそうです。聖母マリアに捧げる神聖な行事として始まりました。
伝統行事であるパリオ・ディ・シエナですが、実はかなりの迫力あるレースなのです。
馬には鞍をつけず、裸馬に乗って行われます。しかも、カンポ広場というカーブが多く勾配のある危険な場所を3周も全力疾走します。
裸馬のレースと言っても手綱は付けているので、騎手は手綱で馬をコントロールします。落馬も多いのですが、騎手が乗っていない馬でも先頭でゴールすればその地区の優勝となります。
1周300mの広場を3周するだけのわずか90秒ほどのレースですが、見ている方も非常にスリル満点なレースです。
ルミナリアス・フェスティバル(スペイン)
ルミナリアスは、スペインの首都マドリードの北西の村、サン・バルトロメ・デ・ピナレスでおこなわれる「聖アントニオ」の日を祝う伝統の祭りです。500年ほどの歴史があるそうです。
この祭りでは参加者が馬に乗ったまま、かがり火を飛び越えます。炎と煙によって馬たち清め、悪魔から守って貰うように「聖アントニウス」に祈願するのです。「聖アントニオ」は動物の守護聖人で、かがり火を越えることで、騎乗者の繁栄と馬の無病息災が叶うと信じられています。
映像だけでもかなりの迫力がありますね。
ナーダム祭(モンゴル)
モンゴル最大の祭りであるナーダム祭は、モンゴルに古くから伝わる祭典の一つです。1921年からは国家的行事として、毎年革命記念日の7月11日におこなわれています。
「ナーダム」とは、モンゴルの言葉で“祭り”を意味します。ナーダム祭では、モンゴルを代表する3競技「競馬」「相撲」「弓」の技術を競う大会が開催されます。
中でも一番人気の競技はモンゴル競馬です。ナーダム祭のメイン会場から車で1時間半ほどのフイ・ドローン・ホダグ草原で行われます。
競走馬は2歳馬、3歳馬、4歳馬、5歳馬、6歳以上、種馬の6つのグループに分類され、それぞれグループごとにレースが行われます。走る距離は馬齢によって異なりますが、往復で30㎞~60㎞もの距離を走り抜けるのです。
モンゴル競馬では6歳から12歳までの子供たちが騎手となります。この日のために手塩にかけた愛馬と共にレースに参戦します。各レースとも5着までに入賞した馬は、馬乳酒をかけて祝福します。
ナーダム祭で勝利することは、馬にとっても騎手にとっても大変名誉なことなのです。
走る馬たちの土埃を浴びたり、勝ち馬の汗を身体にすり込むと縁起が良いと言われ、観客も馬上からレースを観戦します。
数百頭の馬が草原を駆け抜けていく光景は圧巻です!
ゴレガンホースフェア(ポルトガル)
最後に、毎年11月にポルトガルの首都から少し離れた小さな町、ゴレガンで行われる馬の祭典をご紹介しましょう。
開催地ゴレガンは、ポルトガルの首都リスボンの北東約130km、サンタレン地区に位置しています。小さな町ですが、ポルトガル原産のルシターノ馬のブリーダーが多く住んでおり、”馬の都”として知られています。
ゴレガンホースフェアは、452年前に農業フェアとして始まりました。当初は馬の売買を行なっている農業フェアでしたが、今では世界中の人が馬を求めて訪れるようになり、イベントの名前まで変わってしまいました。
現地の祝日である聖マーティンの日(11月11日)を含む10日間、ゴレガンの町は毎日のようにドレッサージュや障害馬術、馬車の大会が開かれます。火を使ったショーも行われ、大迫力な馬たちを見ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は世界の馬のお祭りをご紹介しました。かなりスリリングなお祭りが多いですね。
ご紹介したお祭り以外にも、世界中には色々な馬のお祭りがあります。機会があれば、是非現地で見たいものですね!