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馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン以外編】

人間社会で相手から信頼を得るためには、親切にしたり、ルールを守ったり、優しく接したりすることが必要です。
しかし、馬から信頼を得るためにはポイントが違ってきます。ここからは、実際に馬に乗らなくても、馬から信頼を得るために心がけるポイントを紹介します。

正しい方法で馬に近づく

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン以外編】

「馬と仲良くなりたい!」「馬から信頼得たい!」と思っているなら、まずは正しい方法で馬に近づくようにすることが大切です。
馬は臆病な動物なので、馬が安心できる方法で近づいていきましょう。

どこから近づく?

人間も突然、誰かが近づいてきたら驚いてしまいますよね。馬も同じです。馬の視野は350度といわれていますが、死角になっている後ろに何かの気配を感じたとしたら恐怖を感じてしまいます。
しかし、馬によっては正面からくる人間や動物に対しても恐怖を感じる馬もいます。どの馬に対しても有効なのが、横から近づくことです。

声をかけてみる

人間同士でも、まず相手に声をかけることからコミュニケーションが始まります。馬も指導員から常に声をかけられながら、飼育・調教されているので、声をかけることは馬とのコミュニケーションで有効な手段になります。近づくときにも、声をかけてみましょう。
声のかけ方は、低いトーンで「ホーラホーラ」、「ホーホー」と落ち着いた感じで声をかけたり、名前で呼びかけます。自分の声で馬の目や耳が反応し、落ち着いている様子なら声をかけながらゆっくり近づいていきます。
馬に自分の存在を知らせ、馬の注意を自分に向けることが大切です。

馬の視界に入る

馬に近づくときには、馬の視界に入り、自分の姿を見せながら落ち着いて近づいていくことが大切です。
やむを得ず、馬の死角となる後ろから近づくときには、斜め後ろで立ち止まり、声をかけて人がいることを知らせます。馬房から出すときに馬が後ろを向いているなど、対処が難しい場合は近くのスタッフに声をかけることもおすすめです。スタッフに頼ることは恥ずかしいことではありません。それよりも馬を驚かせて、怪我をしてしまうことの方が大きな問題になります。
また、近づくときには不安な様子やおどおどした様子は見せずに堂々と振る舞いましょう。人間の不安な感情は、敏感な馬にはすぐに伝わってしまいます。そして、そんな態度の人間を信用するというのは、馬でなく人間でも難しいですよね。

近づくことができたら

馬に近づくことができたら、馬が安心できるように肩を撫でてあげたり、自分の手を馬の鼻に近づけて自分のにおいを嗅がせてあげましょう。
そのときに注意するのが立ち位置です。馬は普段、左側から扱われており、それに慣れています。混乱させたり不安がらせないためにも、馬の左側に立つことは基本になりますので、注意が必要です。

馬の体のお手入れや馬房の掃除をしてあげる

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン以外編】

馬と人間が信頼を築くために心がけることとして、馬の体のお手入れや馬房の掃除があります。運動後、感謝をしながら疲れている体をお手入れしてあげたり、馬房を掃除することで馬が馬房で気持ちよく過ごせるようにしていあげることで、馬はこちらのことを信頼してくれるようになります。

体のお手入れでスキンシップ

運動後に丸洗いをしたり、ブラッシングをすることで馬とコミュニケーションを取ることが出来ます。特にブラッシングは馬と人間がスキンシップを取れる時間でもあります。また、ブラッシングにはマッサージ効果もあり馬にとってリラックスできる時間です。声をかけながら、ブラッシングをしてあげることで、お互いに心地良い時間を共有し、信頼関係を築いていくことができます。

馬房の掃除

馬房にはおがくずや藁が敷かれていますが、ボロや尿で汚れていきます。そのような環境で過ごしていると蹄の病気につながることもあります。一日の多くを過ぎす馬房を掃除することで、馬は心身共に快適な時間を過ごすことができます。
普段の感謝の気持ちも込めて、馬房の掃除をしてあげることもおすすめです。

静かな口調で話しかける

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン以外編】

当然ですが、馬は人間のように話をすることが出来ません。しかし、一方的でも人間が馬に話しかけるというのは、信頼を得るのに有効な手段です。
返事もしてくれない馬に話かけることが恥ずかしいと思うかも知れませんが、ペットの犬や猫に話かけるのと同じように話しかけてみましょう。
それを繰り返すことで、馬はその人を信頼できるリーダーとし、またその人の前ではリラックスできるようになります。
話かけるポイントとしては、「静かで断定的は話し方」です。

一緒に過ごす時間を増やす

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン以外編】

馬から信頼を得るためには、一緒に過ごす時間を増やすことも有効な手段です。これは人間も同じですよね。同じクラスの子、いつもランチを一緒に食べている人など、同じ時間を一緒に過ごすことでお互いを知ることが出来、理解が深まります。そして、それが信頼につながっていくのです。
しかし、相手が馬の場合は一緒に勉強をしたり、ランチを食べたりすることは現実的ではありません。
乗馬以外に馬との過ごし方について紹介します。

観察しながら自分に慣れてもらう

直接馬に触れ合わなくても、一緒に過ごす方法があります。それは馬を観察することです。馬が歩き回っていたり、他の馬との関わり方の様子を観察しているだけでも、馬の性格や行動パターンを知ることが出来ます。
また、ただ観察しているだけでなく、近くで観察することで馬に自分の存在を慣れさせていくこともできます。そうすることで、馬に「いても大丈夫な人」「安全な人」と認識してもらうことができます。

一緒に散歩する

馬に騎乗せずに、馬と散歩をしてみるものお互いの信頼を高めるのに有効です。馬と散歩というとイメージがわかないかも知れませんが、ペットの犬にリードを付けて散歩をするように、馬に手綱をつけて馬房から出して一緒に散歩をするのです。
一緒に散歩することで、人間も馬もお互いの存在を心地よく感じられるようになります。また、人間がリードして散歩することで馬は「人間がリーダーだ」ということが理解できるようになります。
散歩中に馬が怖がりそうなものを見つけたら、自分がそれに近づき怖くないことを伝えてあげましょう。

おやつをあげよう

おやつやご褒美をあげることで、お互いの信頼関係が築きやすくなります。
ただ、勝手に食べ物を与えるのは馬の命や健康を脅かす可能性もあるため厳禁です。スタッフに確認してからにしましょう。そのときに馬のお気に入りを確認してみるのもおすすめです。
馬の一般的はおやつといえば、人参やリンゴです。人参はスティック状や一口サイズにカットし、リンゴは種や芯の部分を取り除いて食べやすい大きさにカットしてあげると、馬にとって食べやすく、親切になります。
馬に手で食べさせるときには、声をかけながら近づいていき、手のひらにおやつを乗せてゆっくり馬の口元に近づけます。自分の指でおやつをつまんであげようとするのは、おやつといっしょに指を咬まれることがあるため、絶対にやめましょう。
楽しいおやつの時間も、自分がケガをしたり、馬が体調を崩してしまっては台無しです。ルールを守って馬と楽しい時間を一緒に過ごすことが大切です。

まとめ

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン以外編】

馬は優しく、社会性がある動物です。そんな馬から信頼を得られたら、きっと乗馬も楽しめるはずです。
馬から信頼を得るためには、騎乗中にリーダーとして馬をコントロールするだけではありません。騎乗していない時間でも、馬を安心させたり、一緒に過ごしたりとコミュニケーションを取ることで馬から信頼を得ることが出来ます。
また、コミュニケーションを取ることは馬から信頼を得られるだけでなく、お互いに心地よい存在として絆を深めていくことが出来ます。

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