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馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン中編】

人間社会の中で生活をしていると、周囲の人から信頼を得ることはとても大切ですよね。信頼を得ることで任されることも増え、友好な交友関係を築くことができ、社会に貢献できるようになります。そしてその信頼を得るためには常日頃から、ルールや約束を守ったり、正直であったり、誠実でなければなりません。
しかし、乗馬をする上で馬から信頼を得るために必要なことは、人間に対する場合と異なります。ここからは、馬から信頼を得るために心がけることを紹介します。

自分がリーダーだという自覚を持つ

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン中編】

乗馬は馬と人間が一体となって楽しむスポーツです。しかし、その関係性は対等ではありません。その関係性は人によっては、「見ず知らずの人間を乗せて実際に動いてくれる、心も体も大きい馬の方が上?」と思うかも知れませんが、人間の方が上なのです。
仮に馬がリーダーであった場合、馬が勝手に走り出したり、人を落としてしまったりすることもあり危険です。そのため、人間がリーダーの自覚をしっかり持ち、馬をコントロールする必要があります。
ここからはリーダーとして振る舞うために、馬の特性について説明します。

自己肯定感が低い

人間の中には自己肯定感が高い人・低い人、それぞれいますが、馬は一般的に自己肯定癌が低い動物です。
大きくて美しい体で、早く走れる馬が自己肯定感が低いなんて驚かれるかもしれません。しかし、馬は草食動物なので他の動物を襲うこともなく、草だけを食べています。そこで肉食動物に襲われても戦うことが出来ません。
何もできない、戦えない、逃げることしかできないということを自覚しているからこそ、馬は小さなことにも驚き、臆病な動物といわれているのです。
また、人間からマウンティングされても「私の方が立場も下です」と言わんばかりに、背中に乗せてくれます。

馬は従順な性格

馬は従順な動物です。いつも肉食動物から襲われる危険と隣り合わせの馬は、安心を本能的に求めます。そこで手をかけてくれた人、信頼できる人に対しては、期待に応えようとする従順な気持ちが現れます。
そのため、自分がつらいと感じても人間の指示に従い競技を続けたり、熱中症で倒れるほど頑張るという選択をしてしまうということがあります。

指示したいことを明確に伝える

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン中編】

馬から信頼されるために心がけることの一つに、指示を明確に伝える必要があります。指示を伝えるのは当然のこと、と簡単に思うかも知れません。しかし、実は注意するポイントがあります。

明確な指示

日常生活の中で、人から指示を受けるときを想像してみてください。例えば「ペン持ってきて!赤ペンね!やっぱり青の方がいいかな…」そんな指示を受けたら、「どっち?」と聞きたくなります。
これを乗馬に置き換えて「前に進んでね!あ、でも止まっていた方がいいかな…」そこで馬は「どっち?」と聞き返すことはできず、ただ混乱してしまうだけです。しっかり自分の考えを持ち、伝えましょう。
そして、伝え方もはっきり伝える必要があります。乗り手の人間は伝えたつもりでも馬が動かないことがあります。人間が馬をコントロールするためには、指示が通らなかったことをそのままにせず、やりきることが大切です。そうすることにより、お互いの信頼関係を高めていくことができます。

指示を出す前に

明確な指示を出すために事前に心がけることがあります。それは乗り手の人間が明確な意思を持ってから指示を出すということです。
言葉で伝えることが出来ない、乗り手の不安も敏感に感じ取る馬が相手だからこそ、乗り手が「こうする!」という意思をしっかり持ち、明確に指示を伝えることが大切です。

馬の状態変化に素早く対応する

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン中編】

馬が気持ちよく動けていると感じるのは、いいバランスを保ち、一定のペースやリズムで動けているときです。そのように動くことができると、馬の背中から指示を出している乗り手に対しても、任せられる・信頼できるという感情が出てきます。
では、どのようにしたら馬から信頼が得られる乗り方ができるのでしょうか。ポイントは馬の状態変化に早めに気づき、素早く対応することです。

馬の状態変化に気が付く

まず、対応する前に馬の状態が変わってきていることに、気が付く必要があります。具体的には、馬が内側に入ってきたり、スピードが落ちてきたり、馬の姿勢が前のめりになりバランスが悪くなることがあります。
このことに乗り手が気が付くようになり、対応する必要があります。

素早く対応する

馬の状態の変化に気が付いたら、素早く対応しましょう。対応するということで、その変化を無視するわけではなく、反応しているということを伝えることになります。人間も何かに対して相手から返事や反応がないと不安や寂しさを感じ、反対に返事や反応してもらえると嬉しくなります。それが早めの対応であると安心や信頼ができるようになります。
馬も同じで素早く対応し、気持ちよく動ける状態にもっていける人間に対しては、安心感や信頼を抱くようになります。

同じことをいつまでもやらせない

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン中編】

皆さんの中でも、同じことをずっと続けていると嫌な気分になる人はいませんか。例えば漢字を覚えるための反復練習などもそうですよね。しかし、人間はやったらやった分だけ覚えられる・点数が取れることがわかっているので頑張って続けることができます。
馬はどうでしょうか。それだけ先を予測して反復練習ができるでしょうか。効率的で友好的な練習のためには同じことをいつまでもやらせないことも大切です。

できないことはハードルを下げる

人によってはできないことがあると、何度でも練習してできるようになりたいと思うかも知れません。しかし、乗馬は乗り手の人間だけではどうにもなりません。馬の協力が必要不可欠です。ところが馬にとって何度も同じことを続けることは大変です。
そんなときには、難易度の低いところから挑戦をし、「同じこと」ではなく、「レベルアップ」させていくことがポイントです。馬が指示に従って動けたら、できたことをほめてあげましょう。そうすることにより、馬にも「今のは適切な動きだった」ことが伝わります。また、ほめられると馬も喜び、信頼関係も深まります。

できない理由を考える

できないことに関して、ハードルを下げてもやはりできないこともあります。そのときには別の理由があるのかも知れません。
例えば障害が跳び越えられない、水に入れないなどのときには恐怖心があるのかも知れません。それを無視して何とか突進しようとすると、馬は怖がり乗り手の人間を落としてしまうこともあります。
そんなときは、馬の心の準備ができるのを待つようにしましょう。そして、怖がっているものの近くに行き、慣れさせたり、自信を付けさせたりと手を貸してあげましょう。
馬は従順な動物なので、苦手なものの克服に協力をしてくれた人間に対して、尊敬や信頼をするようになります。

できていることをいつまでもやらせない

自信をつけるためにも、できることを永遠と繰り返すという発想があるかも知れません。しかし馬にしてみると、繰り返す理由がわからず、混乱してしまうことがあります。できることは、できることを確認する程度で切り上げることも大切です。

まとめ

馬からの信頼を得るために心がけること【レッスン中編】

乗馬は人間が一人で根性論のもとで頑張ってもどうすることもできないスポーツです。そこには馬が必要になります。人間と馬が一体となり、楽しむためにはお互いの信頼関係が必要です。
人間と馬が信頼関係を築くためには、人間がリーダーとしての自覚を持ち、明確に指示を伝える重要です。明確に指示を伝えるためには、人間が事前にどうしたいのかはっきりとした意思をもち、伝える必要があります。そして、馬の状態変化に対して素早く反応し、気持ちよく動ける状態を作ってあげることが大切です。

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