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乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

みなさん、馬といえばどんな種類を想像しますか?日本ではあまり馬が身近な動物ではないことも多いため「犬の品種ならいくつかわかるけど、馬はサラブレッドとポニーくらい……」という人も多いかもしれません。

そこで今回の記事では、さまざまな馬の品種のほか乗馬クラブで出会えることのある代表的な馬たちをご紹介します。種類によって意外と見た目も違うので、ぜひ写真も見てみてくださいね。

馬の主な品種

世界には地域ごとの野生馬のほか、目的や気候に合わせて改良され品種として確立されたものも含めると200種類以上の馬がいるとされています。今回は、そのなかでも目にすることが多い品種や見た目にインパクトがある品種を6種類紹介します。

アラブ(アラビアンホース)

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

アラビア半島が原産で、持久力に優れた品種です。顔が小さめでサラブレッドよりもややガッチリとしていますが、違いはわかりにくいでしょう。古代には軍用馬として重宝されたほか、現在も幅広い競技で活躍するなど人間のパートナーとして歴史が長い馬です。

クオーターホース

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

アメリカ原産で、筋肉質な身体ですが小回りも効きすばやく動けます。短距離での加速力に優れ、瞬間時速ではサラブレッドをも超えることがあるほど。運動能力が高く従順な性格で、現在はウエスタン競技で用いられるほか外国では牧場作業で用いられることもあるそうです。

ペルシュロン

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

フランスのノルマンディー地方が原産で、体高はおよそ160〜180cm、体重は800〜1200kgにもなる大きな身体が特徴です。筋肉質で脚や首も非常に太く力強い体型ですね。力が強いので、もともとは農耕馬や馬車馬として活躍してきました。現在でも観光地での馬車牽引のほか、森林作業(馬搬)で活躍する姿が見られます。

フリージアン

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

オランダ原産で「馬界のワイルドイケメン」といわれることも多い品種。全身が黒く、足先のフサフサした毛がかわいくも優雅ですね。長くて美しいたてがみも特徴的です。身体は筋肉質でたくましく、たてがみをなびかせながら走る姿は勇壮。そのため、馬術競技だけでなく映画の撮影でもよく使われます。

アハル・テケ

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

トルクメニスタン原産で、被毛は金属や真珠を思わせる美しい光沢があるため「黄金の馬」とも呼ばれます。体つきは細く華奢ですが意外にも持久力があり、エンデュランスに用いられることもあるそうです。

ファラベラ

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

アルゼンチン原産の「世界で最も小さい馬」。成馬でも体高は70〜85cmほどで、ペットやセラピーホースとして活躍しています。基本的に人が乗ることはできませんが、体が丈夫で犬よりも長命であることから「盲導馬」として訓練する試みもされているそうですよ。

乗馬に適した馬の品種

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

馬にはさまざまな品種がいますが、全ての品種が乗馬に向いているわけではありません。体格や能力はもちろん、性格の穏やかさや人との相性も大切です。ここからは、特に乗馬に向いていて日本の乗馬クラブでも出会えることが多い3つの品種を紹介します。

サラブレッド

先ほども紹介したように、最初は競走馬として育てられることが多いサラブレッド。やや神経質で敏感ですが、集中力は高く頭もよいので乗用馬として再調教することで乗馬クラブでも活躍できます。スピード・バランスともに優れているので、障害馬術でも馬場馬術でもこなせる子が多いでしょう。

アングロアラブ

サラブレッドとアラブの混血種で、乗馬クラブには非常に多い品種です。アラブ馬の強健性と人懐こさ、サラブレッドの注意深さと運動能力を兼ね備えた扱いやすい馬が多いとされます。

そのため、初心者でも乗りやすく信頼関係を築きやすい馬ともいえるでしょう。軽やかな動きで障害飛越や馬場馬術をこなすほか、スタミナもあるため長時間の走行が必要な競技でも活躍の機会が狙えます。

セルフランセ

フランスで生まれたスポーツホースで、冷静で学習能力が高いので馬術競技界では非常に人気。「乗馬クラブでよく見る」というより、レベルの高い競技会でよく見かける馬です。なお、セルフランセはアングロアラブとの血統的な境目は明確でなく、純系化が進んでいません。

そのため、同じセルフランセのなかでもかなり体格差がある場合も……。とはいえ、身体的特徴や血統だけなく、一定の運動能力があると認められなければセルフランセとして登録できません。そのため、どの個体も競技能力は折り紙付きといえるでしょう。

競走馬と乗用馬の違い

乗馬クラブではどんな馬に会えるの?

「サラブレッド=競走馬じゃないの?」と思う方も多いかもしれませんが、これは犬で言うと「ラブラドール=盲導犬じゃないの?」と同じ。競走馬とは、品種でなく仕事で馬を分類した場合の呼び方です。

たしかに競走馬という仕事に向いているのはサラブレッドという品種なので競馬界のほとんどの馬はサラブレッドですが、サラブレッドも乗用馬になることができます。実際、第一線で活躍できなかった競走馬や年齢的に引退した競走馬が乗用馬として第二の人生を歩むことは多いんですよ。

競馬を引退したばかりのサラブレッドは“競うための調教”を受けてきたため、確かに最初は闘争的であったり繊細過ぎてさまざまなことに驚いてしまうこともあります。こうした馬が落ち着いて初心者でも乗れる馬になるように、少しずつ乗用馬としての働き方・指示の受け方を教えていくのが再調教です。

また、馬具一つ取っても競馬と乗馬では違いがあります。例えば、競馬で使われる鞍は1kgほどしかありませんが、乗馬用の鞍(総合鞍)は9kg前後。そのため、最初は乗馬用の鞍を背中に乗せただけでも「ヤダヤダ!こんなの知らない!」と暴れてしまう馬も。

馬には大変な思いをさせてしまいますが、馬が「人間、嫌なことをいっぱいさせるから嫌い!怖い」となってしまわないよう信頼関係を作りながら必要な調教もしていくことで馬が長く働けるので馬も人も頑張りどころ。

乗馬クラブでは、こうして新しい仕事を覚えた元競走馬たちもたくさんいるので、「どんな生い立ちの子なのかな」という話を乗馬クラブの人に聞いてみるのもいいかもしれません。

まとめ

乗馬クラブに行くとサラブレッドやアラブに出会うことが多いですが、それ以外の品種に出会えることもあります。もちろん運動の適性や性格は品種だけで決まるものではありませんが、品種ごとの特徴を知れば馬の個性を知る手掛かりになるかも。

「乗る」という目的を抜きにして、さまざまな種類を画像で見るだけでも「こんな馬もいるんだ!」と馬への興味が深まると思うので、みなさんもぜひいろいろな馬を知ってみてくださいね!

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