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【あなたのヘルメットは安全?】乗馬用ヘルメットの構造、交換の目安について

あなたが今使っているヘルメットはいつ買ったものでしょうか。

「乗馬を始めたときに買ったから、10年くらい前かも…?」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

ヘルメットは頭を守るとても大切な装備。そのヘルメット、いざというときにあなたを守ってくれますか?

今回はヘルメットの構造や交換の目安、お手入れ方法についてご説明します。

乗馬用ヘルメットの構造

【あなたのヘルメットは安全?】乗馬用ヘルメットの構造、交換の目安について

乗馬用ヘルメットの構造は、外側からシェル、ライナー、インナーの三層構造になっていることが多く、チンハーネスと呼ばれる顎ひもで頭に固定します。

シェル:硬い外殻で、落馬時の衝撃を分散・吸収します。ABS樹脂などシェルの素材が剥き出しのものと、表面をベルベット調の布などで覆ったものがあります。

ライナー:シェルの内側に位置し、軽く衝撃吸収性が高い発泡スチロールが使われていることが多いです。落馬などの際には、シェルと頭の間でライナーが押しつぶされることによって衝撃を吸収します。

インナー:頭に直接触れる部分です。汗で濡れてしまうこともあるので、取り外して洗濯できるようになっているヘルメットもあります。

チンハーネス:ヘルメットとの接続部分が3箇所のものは「3点固定式」、4箇所のものは「4点固定式」といいます。ベルトを適正な長さに調整して装着しましょう。

ヘルメットに寿命はあるの?

【あなたのヘルメットは安全?】乗馬用ヘルメットの構造、交換の目安について

落馬の衝撃が加わっていない場合

日本には乗馬用ヘルメットの安全基準が定められていないため、明確な規定はありません。また、同様に耐用年数に関してもルールはありませんが、ヘルメットを安全に使用できる年数には限りがあります。

そこで、建設現場などで作業者の安全を守る産業用ヘルメットではどうなっているのか確認してみました。
産業用ヘルメットに関しても法的な規定はありませんが、交換目安が示されています。
材質や保管・使用状況によっても異なりますが、外観に異常がない場合でも、ポリカーボネート・ABS樹脂・ポリエチレンなどの熱可塑性プラスチック製のものは使用開始から3年以内、FRPなどの熱硬化性プラスチック製のものは使用開始から5年以内を交換目安としています。

(参考:一般社団法人日本ヘルメット工業会、FAQ、「Q1 産業用ヘルメットの耐用年数は?」、http://www.japan-helmet.com/faq/index.html

落馬の衝撃が加わっている場合

落馬によってヘルメットに衝撃が加わった場合には、ライナーが衝撃を吸収してつぶれている可能性があります。
再度、落馬をした場合には衝撃を吸収することができないかもしれません。見た目では変化が分からないこともありますので、新しいヘルメットに買い替える方が安心です。

ヘルメットの劣化チェックポイント

【あなたのヘルメットは安全?】乗馬用ヘルメットの構造、交換の目安について

ヘルメットのシェルの素材がわかっている場合は、産業用ヘルメットの交換目安を参考にして買い替えましょう。
素材がわからない場合は、3年で交換しておけば安心です。新しいヘルメットを購入するときにはシェルの素材を確認し、交換目安を覚えておきましょう。

チンハーネスのベルトとヘルメットの付着部分や留め具、ベルト自体は随時確認し、劣化が認められた場合は新しいものに交換しましょう。

ヘルメットの保管・お手入れ方法

【あなたのヘルメットは安全?】乗馬用ヘルメットの構造、交換の目安について

50℃以上の高温になる場所、直射日光が当たる場所で保管しない

高温になるとシェルやライナーなどの素材が変質し、安全性が低下する可能性があります。
駐車中の車内は50℃以上の高温になる場合がありますので、車にヘルメットは乗せっぱなしにするのは避けましょう。
また、直射日光も素材の劣化を早める原因になります。風通しの良い日陰で保管しましょう。

濡れたままにしない

ヘルメットを濡れたままにしておくと、匂いやカビの原因になります。

表面が雨などで濡れた場合は、汚れと水分を拭き取り、風通しの良い場所で乾燥させましょう。
インナーが汗で濡れた場合は、取り外しができるものであれば洗い、取り外しができないものは清潔な渇いた布で汚れと水分を拭き取ります。
ヘルメット専用の汗とりパッドも販売されていますので、汗が気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
また、専用の交換用インナーパッドが販売されているヘルメットを選ぶのも良いですね。汗を素早く蒸発させる素材のものもあり、ヘルメットを気持ち良くかぶることができます。

まとめ

2023年4月からは、自転車に乗るときのヘルメット着用が努力義務化されました。
その背景には、自転車に乗っているときの事故によるケガのうち、頭部のケガが致命傷となりやすいことがあります。ヘルメットを着用すれば、頭部に致命傷を負う確率や自転車の交通事故で死亡する確率は確実に下げられるそうです。

どんなヘルメットを選んだら良いか分からない方は、クラブの指導員に相談してみてくださいね。特に、競技会に出場する予定がある方は、規定を満たしたヘルメットが必要になる場合もあります。

あなたの大切な命を守るため、いざというときに頭部をしっかり守ってくれるヘルメットを着用して、乗馬を安全に楽しみましょう。

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