【機会があればぜひ!】裸馬に乗ってみよう!
鞍を置かない馬、裸馬をご存知でしょうか。憧れや疑問、挑戦したい気持ちがある人もいるでしょう。鞍がなかったら乗り心地はどうだろう。もっと馬との一体感を感じられるのではないだろうか。
実際に挑戦してみると、鞍の有無は乗り手にとっては大きく違います。乗馬クラブで裸馬に挑戦させてくれることころは限られていますが、挑戦できる機会があれば、挑戦してみる価値大です。
裸馬に乗るのは危険?
裸馬を断る乗馬クラブが多い理由としては、危険が大きくなるというのが一つの理由です。なぜ危険が大きくなるのでしょうか。その理由について説明します。
危険な理由
普段、鞍がある状態での乗馬をしていると鞍や鐙に頼ってしまうことはありませんか。ふとしたときに咄嗟に鐙で踏ん張ってしまうということもあります。そして落馬を免れたことがある人もいると思います。
しかし、鐙がないと簡単に落ちやすく、落馬から怪我につながることもあります。そのため、裸馬は危険と考えられています。
裸馬だけが危険ではない
また一方では、裸馬は鐙がないため落馬したときに、鐙に足が引っかかったまま引きずられるという危険はありません。乗馬をするときに鐙は便利なものですが、落馬の際には大きな怪我にも繋がる可能性があります。例えば足が鐙に引っかかってしまうことで頭から落ちてしまうことがあるのです。その点、裸馬の場合は鐙がないため足や腰から落ちることが多く、頭や首、背中を守ることができるという考え方もあります。
落馬後のリスク
このように鞍が有るにせよ、無いにせよ、落馬の危険はあります。しかし、落馬の仕方で怪我の大小が変わってきます。
指導員によっては「首にしがみついてでも落馬は避けろ」という考え方もあるようです。しかし馬の首にしがみつき、頭から落ちることを避けられてとしても、馬の体の下に巻き込まれることが考えられます。そのときに人間が仰向けまたは、うつ伏せの状態で馬に踏まれることもあります。
うつ伏せの場合も大きな怪我につながることが考えられますが、仰向けで踏まれた場合、内臓破裂など致命的な怪我につながることもあります。
裸馬の楽しみ方
乗馬に危険は付き物ですが、それ以上に楽しみもあります。しかも、裸馬の場合は普段の乗馬とは一味違う楽しみ方もあります。
裸馬ならでは楽しみ方を紹介しますので、挑戦する際には意識して楽しんでください。
なんといっても一体感
人と馬が呼吸を合わせ、人馬一体となって楽しむ乗馬には、人間と馬の間には鞍があります。鞍や鐙は本来、安定して馬に乗るための馬具です。それが取り除かれると、座り心地に違和感がありますが、人間のお尻から指示も馬に伝わりやすく馬との一体感はさらに強く感じられるようになります。
きっと障害物を跳び越えたときに感じる一体感や爽快感は病みつきになりそうです。
学びが多い
鞍がない裸馬では、学びもあります。その一つに正しい姿勢があります。鞍に座っているときと比べ、自分のお尻の位置を敏感に感じることができるため、正しい姿勢を意識することができるようになります。
また、裸馬の乗り心地に慣れてきたら正反動をとってみましょう。鞍に座っていても正反動がうまくとれないとお尻がポンポン跳ね上げられてしまいます。騎座が安定しないまま裸馬で正反動をとった場合も同じことが起こるため、騎座が安定しているか確認する手段になります。
そして、もう一つの学びとして馬が動いているときの筋肉の動きを知ることができるということです。普段はゼッケンに覆われていていたり、注視する機会が少ない馬の筋肉を裸馬に挑戦することで知ることができます。
その他にも、鞍や鐙のありがたさ、馬の体温を身をもって学ぶ機会になります。
いつもと違うワクワク感
普段の生活でもいつもと違うことをするとき、ワクワクを感じませんか。例えば、いつもと違うお店に立ち寄ったとき、いつもと違うファッションやメイクをしたとき。
裸馬もそれに似た感覚を味わうことができます。いつも乗馬を楽しんでいても裸馬に挑戦することは、いつもと少し違った経験をすることになります。
裸馬はそんなワクワクの楽しみだけでなく、鞍がないことで姿勢も不安定になり、落馬しそうになるハラハラ感を味わうこともあります。
また普段は鞍に座るため感じにくくなっていますが、馬の体格によって乗り心地が変わってくることをご存知でしょうか。具体的には痩せている馬や背骨が尖っている馬は、摩擦によってお尻が擦れて痛みを感じてしまうこともあります。そのため、何頭かの裸馬を乗り比べてみる楽しさもあります。
馬とのスキンシップ
さらに鞍がないことで馬の体温を直接感じる楽しみもあります。馬の安静時の平均体温は38度です。冬であれば寒さを感じる中、ほのかな温かさを感じられますが、夏であれば普段以上に暑く感じるでしょう。場合によっては、馬と接しているお尻の部分が濡れてしまい、恥ずかしい思いもすることもありますが、日常とは違う楽しさを感じることが出来ます。
乗り降りの仕方
「裸馬に挑戦!」と意気揚々と馬を目の前にすると、ふと思うことがあります。「鐙がないのにどうやって乗るの?」
普段の乗馬では鞍と鐙があって当然です。裸馬では左手で手綱とたてがみを掴んで、右手で鞍を掴む。左足を鐙に引っかけて馬の背中に跨るという当たり前の乗り方ができません。
馬から降りるときにも同じく、鐙に頼ることができません。ここから、裸馬の乗り方とおり方について説明します。
乗り方
乗り方もいくつか方法があります。馬や人間の特性によっては避けた方がよい乗り方もあるため、スタッフに確認してみるのをおすすめします。
肘を使う乗り方
左手はたてがみと手綱を握り、右手はしっかり馬のき甲を掴みます。ジャンプと同時に右手首から肘を馬のき甲から背中に添わせるようにし、馬の背中の向こう側に引っかけるようにします。そして肘の力で体を引き上げます。そのあとすぐに右足を上げて、馬に跨ります。
この乗り方は楽に乗れるというメリットがありますが、飛び乗られることに慣れていない馬や前肢の力が弱い馬はヨタヨタしてしまうことがあるため、注意が必要です。
両腕を使う乗り方
馬の背中で一番低いところの前に立ちます。左手はたてがみと手綱を握り、右手は背骨に当てておきます。ジャンプと同時に両腕を使い体を引っ張り上げます。体重を預けることができたら、右足を上げて、馬に跨ります。
台を使う乗り方
台の上に立ちます。右手はき甲の近くつき、ジャンプと同時に右足を大きく振り上げながら、一気に馬に跨ります。高めの台を使うと簡単にできます。
おり方
左手にたてがみと手綱をまとめ、右足を上げ馬の背中を超えるように馬の体の左側にもってくる。体重は一度馬に預け、上体を反らしながら馬体から遠い位置に跳び下ります。跳び下りるのを怖がって、馬に密着しながら滑り降りると身体が馬の下に入ってしまい転ぶことがあるので、注意が必要です。
正しい騎乗姿勢
裸馬でも普段の乗馬と同様、正しい姿勢とは、胸を適度に開き、視線は進む方を見る、横から見て頭・お尻・踵が一直線上にある姿勢です。踵も下げた状態にしますが、裸馬の場合、踵が上がっているのか下がっているのかが分かりやすくなります。
上がっていたら下げればよいのですが、鐙がない状態で踵を下げてつま先をあげておくことは、結構力が必要になります。しかし、これは鞍があっても必要な筋肉です。今後の乗馬上達のためにも意識したい筋肉になります。
まとめ
特別な感じがする裸馬。「危険」と言われることもありますが、普段の乗馬では味わえない馬との一体感や爽快感、学びなど得られるものも多くあります。
きっと裸馬の挑戦から学んだとこは、今後の乗馬上達に役経つことばかりです。
裸馬には想像だけでは味わえない魅力があるので、機会があれば挑戦してみることをおすすめします。