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上達が実感できる!効果的なトレーニング法

乗馬の上達には、正しい知識と実践が不可欠です。
具体的には柔軟性やバランス感覚の養成、軽速歩の習得などです。さらに、定期的な騎乗による経験値の向上も重要となってきます。

今回は上達が実感できる効果的なトレーニング法についてまとめました。

柔軟性とバランス感覚を鍛える

上達が実感できる!効果的なトレーニング法        乗馬スキルの向上に不可欠な要素として、柔軟性とバランス感覚が挙げられます。
特に乗馬を始めたばかりの頃、「体が硬い」とインストラクターに指摘された経験のある方もいるのではないでしょうか。
緊張や力みは、馬上で体が大きくバウンドする原因となり、バランスを崩しやすくなります。まずは難しいことを考えず、リラックスして乗馬を楽しみましょう。楽しむことで自然と体の力が抜け、スムーズな体重移動や繊細な扶助が出せるようになります。乗り手の力みが解消されることで馬も動きやすくなり、相互の連携が深まることが上達への近道となるのです。

また乗馬において、バランス感覚は安全に楽しむためにも非常に重要です。柔軟性があり、バランス良く騎乗できていれば、上達の速度が上がるだけでなく、落馬のリスクも大幅に減少します。鐙を履かずに騎乗する「鐙上げ」は、無意識に頼っていた足の力を使わずにバランスを取る感覚を養うのに有効な練習法です。
ある程度バランス感覚が身についたら、バランスにうるさいと言われるような敏感な馬に乗ることで、より実践的なトレーニングを積むことができるでしょう。

柔軟性を高める

柔軟性を高めるためには、日々のストレッチが効果的です。体が柔らかいほど、馬の動きに合わせてスムーズに体を使うことができ、無駄な力みが軽減されます。特に股関節は騎乗において重要な部位です。「お姉さん座り」のストレッチは、股関節の柔軟性を高めるのに役立ちます。男性は特に苦手な方が多いですが、お尻が床につくのを目標に継続してみましょう。女性も左右差がある場合は、均等にできるよう意識することが大切です。

バランス感覚を鍛える

バランス感覚を鍛えるためには、騎乗中の意識が重要です。初心者は足でバランスを取ろうとしがちですが、意識して坐骨でバランスを取るように心がけましょう。坐骨でしっかりとバランスを取れるようになると、自然と姿勢が きれいになり、馬の動きにも柔軟に対応できるようになります。正しい騎座は、坐骨の頂点だけでなく、太ももからお尻にかけての面全体で鞍と接するイメージです。内股で太ももを鞍に吸い付かせるように意識すると、より安定感が増します。

自宅で手軽にできるトレーニングとして「バランスボール」の活用もおすすめです。両手を広げ、両足を地面から離して10分以上バランスを取る練習は、体幹を鍛え、バランス感覚を養うのに効果的です。この時、坐骨でしっかりと座り、正しい姿勢を保つことがポイントです。また、バランスボールの上で軽く上下に弾む練習も、馬の反撞に対する体の使い方を覚えるのに役立ちます。飛び上がった際には力を抜き、ボールに体重をかける際には適切な力を加える感覚を掴みましょう。

柔軟性とバランス感覚は、乗馬の楽しさを深め、上達を加速させるための重要な要素です。日々のトレーニングと騎乗中の意識を組み合わせることで、より快適で安全な乗馬ライフを送ることができるでしょう。

軽速歩のマスター

上達が実感できる!効果的なトレーニング法乗馬を始めて間もない方が最初に直面する壁の一つ、それが「軽速歩」の習得です。
馬が速歩で進む際、騎乗者は大きな上下動、いわゆる反撞を感じます。軽速歩はこの反撞に合わせて騎乗者が鐙の上で立ったり座ったりを繰り返すことで、人馬両方の疲労を軽減するための基本的な騎乗技術です。

「鐙の上に立つ」と教えられることが多いですが、実際には鐙の上に完全に立ち上がるわけではありません。ポイントは太ももの中心、重心が中立になる位置にしっかりと体重をかけ、上半身をわずかに前方に移動させることで、お尻を鞍から浮かせる感覚を掴むことです。
ただし「鐙の上に立つ」という意識が強すぎると、バランスを崩したり、姿勢が悪くなる原因となります。

軽速歩は、騎乗者自身のバランス感覚を養う上でも非常に重要です。初心者は坐骨に体重をかけ、鐙を踏ん張って立ち上がろうとしがちですが、これは後方へのバランスを崩す原因になります。
軽速歩で最も大切なのは、鐙に頼らず、騎乗者自身がバランスを保つことです。

軽速歩のコツは、上半身を斜め前方に起こすように意識することです。そして馬が回っている方向の外側の前肢を出すタイミングで立ち上がる、と覚えるとスムーズに行えます。例えば、左手前の場合は右前肢、右手前の場合は左前肢が出る瞬間に立ち上がるように意識してみましょう。

軽速歩をマスターすることは、乗馬の上達における最初の大きなステップです。これができるようになると、次のステップである駈歩への移行もスムーズに進めることができるでしょう。

軽速歩をマスターするためには、実際に馬に乗って練習を重ねることが最も重要ですが、自身の騎乗フォームを客観的に見直すことも有効です。
可能であれば、騎乗中の動画を撮影し、自分の姿勢や立ち座りのタイミングなどを確認してみましょう。

まずは、どんな馬に乗っても安定して速歩を出せるようになることを目指しましょう。
軽速歩の習得は初心者にとって最初の難関かもしれませんが、乗り越えた先には、より深く、より楽しい乗馬の世界が広がっているはずです。

定期的に騎乗して経験値を高める

上達が実感できる!効果的なトレーニング法乗馬は、まさに経験がものを言うスポーツです。70歳を超えてオリンピックに出場した馬術選手がいることからもわかるように、年齢を重ねても第一線で活躍できる競技の一つです。それは長年の騎乗経験によって培われた豊富な知識と、馬の動きに対する鋭敏な感覚、そして多様な状況に対応できる引き出しの多さに裏打ちされています。

乗馬技術の上達も同様に、騎乗回数、つまり「鞍数」を重ねるほど着実にレベルアップしていきます。「これだけ乗れば必ず上達する」という明確な目安はありませんが、経験を積むことが成長への最も確実な道であることは間違いありません。

経験豊富な乗り手は、馬のわずかな反応も見逃さず、瞬時に適切な扶助を出すことができます。
例えば、常歩から速歩へ移行させる際、初心者の方であれば脚の扶助の強さや鞭の使用など、限られた手段しか思いつかないかもしれません。しかし経験を積んだ乗り手は、脚の微妙な使い分けや体重の移動、手綱の操作、鞭の示し方など、多岐にわたる扶助を状況に応じて使い分け、馬に意図を正確に伝えることができます。

これは、数多くの馬に乗り、様々な状況を経験してきたからこそ得られる、いわば「対処の引き出し」の多さによるものです。
馬がなかなか反応しない場合、あるいは逆に動きすぎてしまった場合でも、豊富な経験があれば、それぞれの馬の個性やその時の状態に合わせた、より効果的なアプローチを見つけ出すことができるのです。

経験値を高めるためには、できる限りコンスタントに、そして多くの騎乗機会を持つことが理想的です。例えば、同じ100鞍をこなすにしても、10年間かけて乗るよりも、1年間に集中して騎乗する方が、より密に馬と触れ合い、感覚的な部分も磨かれ、結果として経験値の向上に繋がりやすいと言えるでしょう。

定期的に騎乗することは技術的な向上だけでなく、馬との信頼関係を深める上でも重要です。
継続的に馬と接することで、それぞれの馬の性格や癖を理解し、よりスムーズなコミュニケーションを取ることができるようになります。馬との信頼関係は、より安全で楽しい乗馬へと繋がる土台となります。

まとめ

上達が実感できる!効果的なトレーニング法いかがでしたでしょうか?

今回は、『上達が実感できる!効果的なトレーニング法』についてまとめました。

乗馬を始めたばかりの頃は、一つ一つのレッスンが新しい発見の連続です。その新鮮な気持ちを大切に、積極的に騎乗の機会を作り、様々な馬との出会いを経験してください。
経験を積み重ねることで、最初は難しく感じたことも自然とできるようになり、乗馬の奥深さと楽しさをより深く理解できるようになるはずです。
定期的な騎乗こそが、乗馬スキルを着実に向上させるための最も効果的なトレーニングなのです。

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