【やるのとやらないのでは大違い!】自宅でのトレーニング
乗馬は全身の筋肉や関節を使う運動であり、特に股関節の柔軟性と体幹の筋力が重要です。そこで、今回の記事では馬との一体感を高め、より安定した姿勢を手に入れるために、自宅でできるおすすめのストレッチやトレーニング方法を紹介します!
股関節まわりのストレッチ
乗馬をすることでも股関節はある程度柔らかくなりますが、馬に乗れない日も自宅で股関節のストレッチをすれば、レッスンしていない間も上達のための下準備をすることができるでしょう。では早速、自宅でも簡単にできる股関節のストレッチを2つ紹介します。
ハムストリングス&股関節ストレッチ
まずは、股関節と同時に太腿の裏にあるハムストリングスのストレッチもできる運動です。床や布団に座ったままできるので、テレビや雑誌をのんびり見るついでにやってみて下さいね。
- 両足を前方に伸ばして座る
- 片足をあぐらのように曲げる
- 曲げた足の裏を反対の太ももの内側につける
- 伸ばした足に向かって前屈する
- 姿勢を20秒キープ
- 反対側も同様に行う
腸腰筋ストレッチ
次は、股関節のストレッチと同時に腸腰筋を伸ばすためのストレッチです。腸腰筋は、脚の付け根と腰をつないでいる大きな筋肉。ハムストリングスにもいえることですが、股関節そのものだけでなく周囲の筋肉もほぐすことで、股関節の柔軟性がさらにアップするはずですよ。腸腰筋のストレッチには、ヨガでも用いられる「ランジポーズ」がおすすめです。
- 床やマットの上にしゃがむ
- 両脚の外側の床に手のひらを付く
- 手や右足はそのまま、左足を後ろに伸ばす
- 右足の膝は直角にして15〜20秒キープ
効果と注意点
ここまで、簡単に2つの股関節ストレッチを紹介しました。では、このストレッチにはどのような効果があるのでしょうか?また、実際にストレッチをする際はどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか?
ストレッチの効果
股関節の柔軟性は、騎乗中に「どれくらい膝から下を自由に動かせるか」に関わってきます。ストレッチをして股関節の可動域が広がれば、適切な脚扶助が出しやすくなるでしょう。また、骨盤周辺の筋肉がしなやかになれば、騎乗中の姿勢も安定します。
それだけでなく、股関節や周囲の筋肉を日頃から柔らかくしておくことで、騎乗中の急な動きでも筋肉や靱帯を傷めるリスクが下がるのでケガ対策としてもおすすめです。
ストレッチの注意点
ストレッチをする際には、身体が温まっている状態のほうが筋肉を傷めにくいといわれています。そのため、ストレッチは入浴後などに行うとよいでしょう。
また、つらい姿勢になると無意識に息を止めてしまう人も多いですが、リラックスした状態のほうが関節や筋肉は柔軟になります。ストレッチ中は、意識的に深く呼吸をしましょう。
なお、股関節のストレッチでは上半身を倒したり起こしたりするときも背筋はまっすぐの状態を保つことがポイント。背中を丸めたり腰を反らせてしまうと、股関節のストレッチにならないだけでなく腰を痛めてしまう可能性もあるので要注意です!
体幹を鍛える
乗馬をするうえで、股関節の柔軟性とともに大切なのが体幹の筋力とバランス感覚。ここからは、体幹の筋力を鍛えるトレーニングとバランス感覚を養う方法を紹介します。
デッドバグ
体幹の筋力トレーニングとしては「プランク」もおすすめですが、そもそも「腕で上半身体重を支えるのがつらすぎて無理」という人もいるはず。そこで今回は、弱っている虫のように仰向けで手足を動かす「デッドバグ」を紹介します!
- 仰向けになる
- 両膝を90度に曲げて持ち上げる
- 両腕を天井に向けて伸ばす
- 右手と左脚をのばしながら床に近づける
- 元に戻し、反対側も行う
- 10回×2セットが目安
バランスボール
ここまでは道具の要らない運動でしたが、最後はバランスボールを使用したトレーニングを紹介します!体幹のバランスを直接的に鍛えられるので、ぜひやってみてくださいね。
- 椅子に座るようにバランスボールに座る
- 左右のバランスを取るように両手を広げる
- 片足ずつ床から足裏を離す
- 両足を床から離した状態でバランスを保つ
※ケガ防止のため、バランスがうまく取れるまでは壁に手をつきながら行ったり、周りに障害物のない場所で行ったりするなど安全には十分気を付けて行ってください。
効果と注意点
ここまで2つの体幹トレーニングの方法について紹介してきましたが、実際にこのトレーニングをするとどのような効果が期待できるのでしょうか?トレーニングをする際の注意点についても併せて確認していきましょう。
トレーニングの効果
体幹の筋肉を鍛えると、よい姿勢を維持しやすくなります。また、体幹の筋力をつけることでレッスンでも疲れにくさを実感できるはず。さらに、バランス感覚を身に付ければ馬の動きに合わせて柔軟に重心を調整できるようになり、騎乗の安定性アップも狙えます!
トレーニングの注意点
体幹トレーニングでは、正しいフォームを維持しないと効果が落ちてしまうかも…。回数をこなすことよりも、ゆっくりと、1回目から最後まで正しい姿勢で繰り返すことを意識しましょう。
また、こうしたトレーニングは負荷の大きいトレーニングをたまに行うよりも、負荷が少ない内容でも毎日続けることが大切。無理をするよりも自分の体力や筋力に合わせた運動をすれば、筋肉や関節を傷める心配も少なくトレーニングが長続きしやすいですよ。
まとめ
股関節の柔軟性と体幹の筋力を高めることで、乗馬のパフォーマンスは大きく向上します。ストレッチやトレーニングは自宅で簡単に行えるものばかりなので、まずはどれか一つでも習慣化するのが上達への第一歩。最初は効果が実感しにくくても、「やるのとやらないのでは大違い!」という言葉を胸に、ぜひ今日からトレーニングを始めてみませんか?